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緞帳

作者: 黒宮杳騏

悲しみの壁画

祈る()で守り通すころには潰れてしまう光

(ひざまづ)く影が胸に刺さる

長く伸びた終焉 その先に落ちたのは

零れた嘆きを虚飾(かざ)る窓ガラス

捕えられた声は鳥籠(おり)を歌うことしか知らず

足跡(かこ)はぬかるむ血泥に染み 屠る重みに沈む

容易く 難く 編みあげる情報(みらい)を受け取るのは誰か

旋律撫でる 駆け抜けた素足(はだし)記憶(あくむ)

生まれる音を聞く事もなく 壊れていく幾多の(ゆめ)

低く咲いた三日月は満ちて 照らす場所を失い

言葉の意味は塗り替えられ 繋ぎ 閉ざされ 燃え盛る

揺らいだ塔は(いかづち)を呼び 抉られた空に何を埋める

撃たれた鐘 開いた(ドア) つぎはぎの(かて)とされた本 踏みにじられた処女達(はな)

暗闇にまどろむ部屋

冷たいカーテンの色

階段を転がるように高みへ

孤独を乗せた雨垂れが煌めく度に 踊り削られ回るロザリオ

(のこ)された十字架(かたち)面影(こたえ)を探して 偽りの凪にさらわれる

無情な太陽が両手を広げ あてどなく彷徨う夜を迎えに来る

朝を越えた閃光の墓標

刻まれた傷痕に別れを捧げ 凍えた指をほどく


絶えた望みを(つるぎ)に持ち変え

ここに加護(いのり)を置いて旅立つ

名前さえも切り捨てた (くら)き幕引き 流浪の魂

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