8ページ目
「ちょっとごめんな。」
少し照れ臭そうに少女に向かって謝り、脇の下に手を添えて持ち上げようとする。
彼女は見た目通り軽く、スッと持ち上がる。
はずだった。
「何これおっっもっ!!!」
重すぎる。
本当に持ち上がらない!
「だから言ったじゃろう?ピッタリ108キロもある。」
え、何これどういうこと?
こんな小柄なのにそんな重いってありえるの?
内臓脂肪がひたすら付いてるとかそんな感じ?
重力に一目惚れでもされてるの!?
「おい、阿笠博士。どういうことだこれ」
「だから言ったじゃろ。この子はワシが作ったアンドロイドじゃ。
型式はPX108。感情も持っていて一般的な常識も、ある程度のとこまで組み込んでおいた。体温調節及び維持が一番難しくての、体内温度が18度くらいまで下がったり逆に感情を高ぶらせすぎたりすると50度近くまで上がったりする。
そこを除けば普通の人間と極力近いロボットじゃ」
・・・・・・マジ?
正直全く信じてなかったが、確かに人間の体温にしてはちょっと冷たすぎる気もする。
「因みに体液は純度100%の水じゃ。体内で還元する循環式じゃから喉が渇いた時は
ちょっと体の一部を切ってやればいつでも飲むことができるぞ?ちと生温かいが」
そんなグロテスクなシーンが活用されることはまずないから安心しろ。
発想がキモいんだよ。いい加減にしろ。




