31ページ目
5分ほど歩くと仏丸とまりかはその住宅街の中では目立つ屋上付き3階建ての家の前で歩く足を止める。
その場で立ち止まり少し談笑していると、これまたイケメンの美男子が家から焦り気味に飛び出した。
「ほと、まりちゃん。遅くなってごめんね。2人を待たせるなんて。反省するよ。おはよう」
「おっはよ〜!全然待ってないよ!さとくん」
「さとる、おはよう」
彼もまた2人の幼馴染であり唯一の仏丸の親友でもある。
黒髪のマッシュ風のショートヘアで爽やか清潔感を擬人化したらこうなるって感じの見た目である。
運動は苦手だが成績は学年トップクラス。
性格はとてつもなくネガティブで自分がモテるわけないと思い込んでいる。身長は165cmと平均よりやや低いがむしろそこが可愛いと隠れファンクラブまで存在している人気者だ。
しかしその存在は悟本人は知らず、仏丸は認識しているものの面白くないという理由で悟には話していない。
「待ってないだなんて嘘つかなくていいよ。話し声が聞こえたんだ。僕みたいな奴のために優しくなんてしないでいいのに」
ほんと朝からめんどくさいこいつ。
「さとる、もう毎度のことだが自分に自信持てよ。少なくとも俺たち2人にとってお前は親友なんだからほんのちょっと待ったくらいでどうとも思わねえよ」
「そうだよそうだよ!今日も元気出していこう!さとくん」
「親友『だから』か・・。親友で居続けられるように頑張るね・・」
なんでこいつがモテるのかは本当に謎である。




