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みさきが誹謗する声が聞こえた気がしたが聞こえないふりをしてそのまま家を出た。
すると家の前に少女が一人、家の前で俺を待っていた。
「おっはよ〜!ほとくん」
「おはよう、まりか。今日も元気だな」
「えへへー、そりゃあ元気だよ!昨日は休みで明日から冬休みなんだよ?幸せいっぱいだよー」
満面の笑顔で俺を待ち伏せするこの少女の名は伊藤まりか。
俺の幼馴染だ。
家が近いので毎度このくらいの時間になると家の前で待ち一緒に登校してくれる数少ない友達の1人だ。
見た目はうっすら茶色のロングヘアーで髪型はおさげの三つ編みであることが多い。
身長はかなり低く俺の首下くらいに頭のてっぺんがある。
容姿は一級の美少女である。目はクリっとして大きいのに顔自体は俺の手のひらよりも小さいんじゃないかと思わせられる。しかしお高くとまることなく優しく接することに相手を選ばないため男女共に人気が高い。噂によると幾度となく告白されているが全て断っており、男連中の間では高すぎる壁という意味から『赤壁』と呼ばれているらしい。
ただし成績は絶望的に悪い。
ん?なんで俺は告白しないのかって?
もちろんした。撃沈もした。
小さい頃の話だが「僕がお嫁に貰ってもいい?」と聞いたところ、なにそれ美味しいの?と笑いながら突っぱねられた。
今思うとあの時からだったなー。女の子と話すのが苦手になったの。
それ以来は普通に諦めずっと幼馴染として仲良くしてきたのだが。




