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拝啓、こいつが好きになれません  作者: ゾウアザラシ
第2章【学校】
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29ページ目【終業式】

ロボ曰く


「私は半永久エネルギーで動いてます!」


仏「何でもありだよなほんと」


「ごちそうさま。それじゃそろそろ行ってくるよ」


手を合わせて合掌し食器を重ねると仏丸はエナメル質のショルダーバックを肩にかけ立ち上がる。



「そうね、今日は終業式だから帰り早いのよね?」


「いや、今日は帰りに博士の家に寄ってこうと思うんだ。そんなに遅くはならないと思う」


「え、仏丸さん奴の家に行くんですか!?大丈夫でしょうか?心配です」




・・・。まさかお前を停止させる方法はないか聞きに行くとは言えないしな・・。



「ま、まあ軽く話してくるだけだ。すぐ帰るさ」


「そうですか。お気をつけて行ってらっしゃいませ」



白夜はそれ以上問いかけてはこず、ニコリと笑ってみせた。

するとみさきがため息をついてこちらを横目で睨み苦言を吐く。


「・・・あっそ。せっかく決めたばっかなのに冷酷なこと考えんのね。ほんと呆れるわ」



まるで「あんたの魂胆は丸見えよ」とでも言いたげな顔で言い捨てる。



「えっと・・、冷酷とは、何がでしょうか?」


「白夜ちゃんは気にしないでいいのよ」



白夜にニコリと顔を向けるとすぐにまたこっちを向き「何か言ってみろ」というような表情に変える。

大体この手の空気になると弟に勝利の可能性が残されたルートは存在しない。なので必然的にこちらが謝ることになる。

しかし今回はこちらにも罪悪感はあり、ここで謝罪なんかしたらいよいよ『自分は悪いことをしている』と認めることになるため後に引くことはできなかった。


だって俺悪いことしてねえもん。こいつがずっといたら彼女なんて夢のまた夢じゃんか。

俺は普通の生活に戻って普通の恋愛がしたいだけだもん。




「とにかく・・・なるべく早く帰るよ」


「はい!いってらっしゃい!」



白夜は首を少し傾け、再び笑顔で挨拶する。一方仏丸はそのまま玄関の方へ、小走りで逃げるようにリビングから立ち去った。




「ふん。腰抜けのサルが」

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