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拝啓、こいつが好きになれません  作者: ゾウアザラシ
第1章【エピローグ】
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21ページ目

ーーーーーーーーーー・・・ザブーン


仏丸は足から首元までゆっくりと使っていき、一日の疲れを吐き出すように長い溜息を漏らす。



「あー・・・。疲れた」


なんて咄嗟に言ってしまったが、なんで風呂に入ってる時ってこう独り言出ちゃうんだろうね。

お風呂の小言とかって意外と家族の誰かに聞かれてて風呂から出た後とかに「独り言キモいよ?」とか言われてめちゃくちゃ切なくなるんだよね。


ちなみにうちの風呂は姉ちゃんのこだわりもあって風呂はとても豪勢で檜風呂になっている。

なんでも昔親父に家を半壊された代償として風呂だけは豪華に改造させたらしい。

そのためお風呂のこの時間は唯一と言っていい至福の時間なのだ。



俺は10分ほど湯に浸かると、湯船から上がり風呂椅子に座って洗髪をする。

シャンプーをワンプッシュし、頭をワシャワシャと無造作に洗いながらふと考える。




今日は凄いことに巻き込まれた。

よく考えたら、いや。よく考えなくても常軌を逸している。非現実的すぎてまだ頭が追いつかない。

目を瞑ると、出会った時の衝撃が鮮明に蘇る。

本当に天使のような姿をしたあの少女がアンドロイド?

何度自分に言い聞かせても未だに信じられない。

初めて会ってからのこの数時間で何度も忘れそうになった。

だが、これからずっと一緒にいるわけにもいかないしいつかはこの状況を何とか・・・。

いや、いつかはなんてダメだ。早いとこアイツをなんとかしてやって元の平和の暮らしに戻らなくてはいけない。

それに長く一緒にいてアイツに情でも移ってしまったらそれこそ笑えない。

いくら人間の体をしていても作り物で、いくら感情を持っていてもプログラムでしかない。

ロボットが嫌いという訳ではなく、ロボットと恋愛ごっこをして本当の恋愛をしなくなりそうな自分が嫌なのだ。

俺は人間の彼女が欲しい!!!





・・・はぁ。

正直1番嫌な手段だが、もう一度あのハゲに詳しい話を聞きに行くしかない。

停止スイッチでもあれば楽なんだがなぁ。



そうこう考えていると洗面所の方でガタガタと音が鳴る。



ん?姉ちゃんが洗濯でもしに来たのか?


普段洗濯は仏丸がするため不思議に思っていると、ガラガラっと風呂場の引き戸が開いた。


「仏丸さん、合体しに来ました」

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