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「笑ってないでちょっとは考えてくれよ!!こっちは本気で悩んでるんだから」
「うひひひ・・ひひ・・・え?あぁ、ごめんごめん。
・・ゴホン・・・。でも普通に考えるんなら博士に返してくるのが妥当なんじゃない?その子が親のいない孤児とかなら話は別だけどロボットなんでしょ?私は面白いから別に構わないけど」
む、まあ確かにその通りだが、頭ではロボットとわかっていても女の子である以上このまま放っておこうという気にはなれないのだ。
だからといって何か出来る訳でもないから困っている訳だが。
「まあアンタの事だからどうせロボットでも女の子である以上放っておけないとか思ってるんでしょ?
思春期だし別に悪いことじゃないけど、そういう感情ってあっても流されちゃいけないの。
そういうのはね、優しさじゃなくて自惚れって言うのよ。本当は何も出来ないくせに何か出来るのは自分しかいない。なんて考えて勘違いしてるだけ。
どうせ1人じゃ何も出来ないから私に協力を求めて連れて帰ってきちゃったんでしょ?全部丸投げじゃない」
「ち、ちが・・・」
「違くないでしょ。現に今の状況がまんまそうじゃないの」
だから最後まで言わなかったのに・・。
ぐうの音も出ないとはまさにこの事だ。
「そ、そうかもしれないけど、俺に何かできると思ったんじゃなくて、何かしてやりたかったんだ!」
「『何か』って具体的な言葉が出てこない時点で全然ダメね」
「だ・・だから姉ちゃんに相談に・・・!「とはいえ」」
みさきが俺の言葉を遮って答える
「実は私もそういう先が見えない事の方が好きだったりするのよね。
とりあえずなるようにやってみよっか!」
時々うざいしムカつくし喧嘩もするけど、時々頼りになって信用もしてくれて俺の味方をしてくれる大切な姉ちゃんだと、ふと思う。
「それにあんたが女の子に振り回されて苦しむ姿とか普通にオモロイ」
やっぱりうざい。
「さて、じゃあ話は終わり!先のことは明日考えましょ?」
「そうだな。今日はゆっくり風呂にでも・・・、ん?そういえばお前風呂はどうするんだ?」
当然と言えば当然だが、俺はまだ『それ』の事を何も知らない。
ていうかどうやって動いてる?
そういえばこいつもお茶飲んでたけど壊れたりしないだろうな。
「えと・・ふろ・・・とは何ですか?
その単語は私のデータに見当たりません」
マジか。
何で亀甲縛りは知ってて風呂は知らないんだよ。
「じゃあ風呂は姉貴が一緒に入って色々と教えてやってくれ」
「アンタが一緒に入れば?」
「睡眠は必要なのか?」
当然スルー。
「あ、睡眠でしたら仏丸さんやお姉様と同じ様にすると思っていただいて構いません。
ただし私が眠っている間もシステムは自動的に動いているので決めた起床時間には接続トラブルでもない限り100%で起きれますし、仏丸さんがこっそり夜這いに来ても即座に感知できるシステムが付いています」
目覚まし機能はありがたいが最後のは心の底からいらないだろう。




