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拝啓、こいつが好きになれません  作者: ゾウアザラシ
第1章【エピローグ】
1/31

1ページ目 第一幕 【拝啓、こいつが好きになれません】

ロボ曰く


「ピノキオをリスペクトしています!」


「―――ん!・・け・・る・・・!」


疲れた体を誰かが揺さぶる。

寝起きで硬直した体は言うことを聞かず、瞼の奥から朝日だけを感じる。


ん、あと5分。



「ほと・・ま・・さん!」


微かにしかない意識を無理やり目覚めさせ、耳に意識を集中させる。


・・誰だ?

女・・の声・・・?



「仏丸さん!!学校です!起きてください!!」




ガバ!!



うつらうつらとしていた仏丸は顔の前まで接近している女の子を見て飛び起きた。




「お・・女!!?」


「あ、やっと起きてくれましたね?

あと42分と24.586625秒で学校が始まります!急いで支度をしてください」





・・・・・あー、そっか。思い出した。そういえば昨日からこいつと同居することになったんだっけ。




「わかった」




「それと・・・あの・・・」


ベッドから起き上がる俺を、その女の子は頬を紅く染め何かを言いたげに見つめてきた。



「なに?」




「お・・」




「お?」




俺は返事をすると女の子は指を絡ませモジモジしながら口ごもる。




「お・・・おは・・」




あぁ、おはようって言いたいのね。

なぜ頬を紅くする必要がある



「お・・・おはようのセッ〇スはしま―――」

「しねえよ!!!」





―――――

※この作品はフィクションであり、登場人物・団体・出来事等は実在のものと一切(略)




拝啓 暇な時間の候、読者におかれましては益々ご清栄の事と心よりお慶び申し上げます。

なんて、堅苦しい挨拶は抜きにしよう。


俺の名前は寺野仏丸(ほとけまる)という。

うん、変な名前だよね。わかってる。

ガキのころから弄られてきて、ついたあだ名は死んでる丸。

親に由来を聞いたらネタだと言われ、女子に話しかけたら死人に口なしとか言われた苦い思い出まである

その日の夜は枕を濡らしましたよ。2時間。

見た目はまあ・・髪は黒でよく言えば無造作ヘアー、悪く言うとボッサボサ。身長は172cmの超平均的な17歳の男子高校生である。




あー、そうそう。

何故俺がこいつと『同居』なんておかしな事になっているかというと・・・。

うん、正直よくわからない。

童貞で彼女もいた事ないこの俺が信じられない程の美少女と同棲している。

どうよ、この素晴らしい状況!

羨ましいだろ?エロ目的の諸君は歓喜していることと思う。

普通ならいろんな想像も下半身も膨らませたくなるこの状況。

だが残念なことに現実はそう甘くない。


君たちは好きでもない異性から好意を持たれたらおいそれとそいつを好きになるか?

可愛いならなるかもって?一途なら構わない?スタイル良ければなんでもいい?運命的な出会いならワンチャン?

そのすべてを兼ね備えた美少女が今目の前にいるが、俺はならない!俺は違う!!

俺は君たちに断言しよう。



こいつが好きになれません!!!



なぜかって・・・・・















こいつがロボットだからだ。

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