3話 古代魔王ヴェルヴランド
「アギト様、此処は？」
ルティが尋ねて来るが俺はヒントの様な答えを出す。
「見れば分かる」
答えが軍を成してやって来る。先頭には馬に乗った男が前を睨みながら進んで行く。後ろには数百万のオークが続いている。
「そろそろだが」
そう呟くとブォォォォンと言う輸送トラックのずっしりとした音が聞こえ出す。
「やっとか。シャフィー、ルティ、付いて来い」
「「はっ！」」
俺は古代魔王ヴェルヴランドの200ｍ先に行って立ち止まる。
「奴が知識の魔王だ！矢を放て！」
矢が空を舞い、放物線を描きながら落下してくる。
俺はレーザーソードのスイッチを入れて水色の刃が出たのを確認する。シャフィーは黄緑、ルティは白の刃である。
「矢を斬るんだ」
「はい」
「はい！任せてください！」
数千本の矢は真っ直ぐ落ちてくるが当たりそうな矢は切り裂く。
「なっ！？」
ヴェルヴランドが動揺を見せた瞬間、俺は奴に突撃する。
「紫の指輪よ！力を示せ！」
ヴェルヴランドは手に付けている指輪が光出し、紫のオーラが溢れ出す。俺の振った剣はオーラを無視して奴の腕を切り落とす。
「ウグッ…！」
後ろへ跳ねて奴は逃げて行った。其れと同時に大きな盾を持っているオークが突撃して来る。俺等は後ろに跳ねて突撃を避ける。
「シャフィー、ルティ、伏せろ！」
「「は、はい！」」
地面にうつ伏せになると、背後から白い光が数千本放たれる。真っ直ぐ飛んで行った光はオークの頭を貫き、次々とオークが倒れて行く。
隙を見て、匍匐前進で光から離れる。俺は腰に付けた丸いグレネードをオークの集団に投げ付ける。
ドゴォォォォオオオン
爆発が発生し、オークが空を舞ってぼとりと地面に落ちる。
「遅かったな」
「申し訳ございません」
後ろを向き、赤髪のオーガに微笑む。
「さぁ、押し切るぞ」
「はっ！」
「【発明】！レーザーミニガン！」
俺はミニガンを生成して、オークに放つ。シャフィーとルティは赤髪のオークからレーザーガンを貰って、同じ様に放つ。
突然、頭上に紫の巨大な魔法陣が出現した。
「攻撃を止めるな。彼奴は俺が片付ける。【発明】！レーザースナイパーライフル！」
スナイパーライフルのスコープを覗き、1番後ろに逃げた魔王を捉える。トリガーを引き、普通よりも大きな白い光が放たれ、魔王の頭に吸い込まれる。
砂埃が肉眼で目視出来る程の爆発を引き起こした。其れを見たオークの集団は酷く乱れる。
俺は後ろの赤髪のオーガに指示を出す。
「終わりの始まりだ。グレネードランチャーを全弾放て」
