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プロローグ
光で描かれた放物線。
その着地点には、きっと「未知」が広がっているのだろう。
話は、そこで終わる。
作者不詳、全二百五十三ページ。
読破するのに、一ヶ月ほどかかった。
「ふう・・・」
とりあえず、一息つく。
その言葉が、何を意味しているかは自分でも分からない。読み終えたという達成感からかもしれない。二百五十三ページもの数に疲労しているからかもしれない。
ドサッ。
俺は、本を机の上に置いた。そして、その隣にあった剣を手に取った。
無言で、剣帯にしまう。
「─いってきます」
最後の言葉が、誰もいない部屋に響いた。