第9話~もう一人の屍人~
—翌朝—
「そろそろ離れてくれないか?」
「えぇ~!」
「ウォーク・アンデッドの調査に行かないといけないからな」
むくれながらもエルヴァシュタインは腕を離してくれた。
「ありがとうな」
俺はそう言って扉の前に行った。
「じゃぁ・・666番」
そう俺は言って扉を開け部屋に入ると俺はすぐに扉を閉めた。時だった、前から女の子が突進して俺の首筋に噛み付いてきた。
「おいおい・・怒ってるのか?雪菜」
と飛びついて来た雪菜を抱きしめながら言ったら、雪菜は首を縦に振った。
「なんでそんなに怒ってるんだよ」
と言ったら雪菜は少し口開いた。
「おんなのにおいがする」
「ウォーキング・アンデッドににおいなんかわかるのか?」
「ゆきなはわかる」
「そうなのか?」
俺は雪菜の頭を軽く撫でながら話した。
(そう言えば雪菜は普通に走れるしアビリティのパーフェクトコピーニスが使えたな・・教えればスポンジのように吸収してすぐに覚えるし・・ほかのウォーキング・アンデッドはこんな風にはならなかったな・・ただ食事と睡眠が必要ないのと不死以外は人間と同じだしな・・1か月前に雪菜のいた研究所のようなところにあった資料に書いてあったのは不老不死のことと嗅覚や視覚、聴覚などのことが書いてあったな・・)
と思いながら頭を撫でていた。
「今は客が来ててな・・昨日は来れなくて悪かったな」
「うん」
「雪菜みたいなやつって他にいるのか?」
「えっと・・・」
と雪菜は頭を離して指を立てて数を数え始めた。
「ゆきなあわせてたぶん5にんおとこのこが3にんとおんなのこ2り」
「そうなのか・・」
と俺はそう言った。
(サンプルは他にいてもいいな・・・資料には女性タイプは攻撃性が低く目で怖がりなのが特徴で男性タイプは攻撃性が強く恐怖を楽しむのが特徴って書いてあったな・・資料には中国と共同って書いてあったから中国かな・・)
「ちょっと外に行ってくる・・」
そう思いながら俺はそう言って雪菜を下ろした。
「ちゃんと戻ってくるから待ってろ」
そう言って俺は雪菜の頬にキスしそのあと、後ろにある扉のドアノブに手をかけた。
「中国ならあそこから出るしかないか・・石川」
そう言って俺は外に出た。
「えっと・・」
と俺は地面から少し顔を出して様子を見た。出れそうだったので外に出た。
「テレポーテーション、天翼、リバイバル、イグニ、オーバーアブソリュートゼロ、スーパーハイフライ、クロックリターン、アクセル、レゾリューション、緋炎、氷冷、アンダー、バリット、パワーフォース」
そう言って俺は武器を具現化した。
「さてと・・中国か・・」
俺はスーパーフライハイで空を飛んで中国に向かった。
「広くてわかんないなぁ・・・仕方ない・・範」
そう言ってオーラを周囲に広げた。
(こっちは生存者の集落か・・・こっちはウォーキング・アンデッドの集団・・奥の方に一つ雪菜みたいなオーラだけど身動きのしないのが一つか・・・それか)
そう思って俺はその方向に向かった。
「ここか・・・にしても研究所っぱいけど」
と言いながら俺はその建物の中に入って行った。色々歩いてみたら下に続く階段があった、俺はその階段で下に降りてみた。そこには牢屋の様な部屋がありそこには開いたものと閉まってるものがあった。部屋を見て回ってみた。
「おや・・」
俺が開いた2つの部屋を過の隣を覗いたらボロボロな服を着た女の子が体育座りでうずくまっていた。俺は牢屋の様になっている扉を隙間に手を入れて左右に広げた。うずくまっている女の子の近くに近づいた。
「大丈夫か?」
「・・・・・!!」
と俺はその子にそう言いながら肩に触れた時だった。びっくりしたのかビクビクしながら俺を見ていた。
(・・・まぁそうか言葉も知らないからな・・・それにしてもこの子雪菜よりも少し成長してるな・・・成長してから実験されたってことか・・人間とは嫌なものだな・・)
俺はそう言って地面に手を置いて女の子を見た。
「ロック・・665番」
そう言って俺は手の平を置いたところに円を描いたら女の子はそのまま落ちた。
「よし・・あとはここの研究所のデータでも探るか・・」
(女の子があんなところで一人でいるのは気に入らないな・・)
と思って牢屋の外に出て上に向かった。
(それにしても血の跡とか銃の弾丸の痕とかすごいな・・)
といろいろ見て回っているがパソコンらしきものが見当たらない。
「仕方がないか・・・アンダー」
そう言って俺は周りを見渡したら壁の向こうが空洞になってるところを見つけた。
(ここは・・・なんだ・・)
ドカーーン!
そう言って俺はその壁に拳を当てぶっ壊した。そこには上に向かう階段を見つけた。それを上っていくと部屋があり何台もパソコンが置いてあった。パソコンをいじってみたらいろいろなデータがあったそこにはさっきの女の子のデータがあったが名前に試作3号と書いてあった。
(これは・・・あの子にも名前つけてあげないとな・・帰るか・・)
と思いながら俺は他の部屋に665番の鍵を入れ扉を開きそのまま部屋に入り扉を閉めた。