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VSラーニア①

20180211 更新1回目


https://ncode.syosetu.com/n7236dl/


こちらキャラクター紹介となります。

 学院対抗戦の開催日が迫る中。

 生徒たちは日々、訓練に励んでいる。

 勿論、それは俺も同様だ。

 代表選手として勝利する為に、仲間たちと訓練を重ねている。


「はぁ~……でも、びっくりっすよね~」


 訓練の休憩中、溜息交じりの感嘆が聞こえた。

 声の主は犬人族のコルニスだ。


「どうしたんだ、先輩?」

「今日の訓練で、驚愕することはことはなかったように思うのだが?」


 尋ねたのは俺とツェルミンだ。


「……違う。

 コルニスは……ミストレアのことを……言ってるの……」


 答えたのは、コルニスではなくイーリナだ。


「……ああ、それは確かにそうですね」

「わたしも驚きました……。

 本当に突然の発表でしたもんね……」


 ノノノも会話に混じる。

 ミストレアの名前が出たことで、コルニスの言葉の意味を皆が理解したのだ。


「そうだな……まさか先輩が代表に戻るなんて」

「それも鬼喰デモンイーターじゃなくて、奪還リキャプチャーっすよ?」


 元々、ミストレアが代表選手だったのは俺たちと同じ鬼喰デモンイーター

 だが今回、彼女が代表選手として返り咲いた種目は、奪還リキャプチャーだった。 しかも、ミストレアが奪還リキャプチャーの代表になるいう発表と同時に、元々の選手が怪我で離脱になった事も発表された。

 訓練中の怪我……ということだが、アリシアの話を聞いていたこともあり、何か裏があるのではないか? そんなことを考えてしまう。


「バルガと同じ種目に出場するんすよねぇ~……」

「そう……ね……。最近……二人は……一緒にいることが……多い、わ」

「そうなんすよね~。

 いつからあんな仲良くなったんすかね?」

「……わからない……わ。

 でも……」


 イーリナは、何か気になることでもあるのだろうか?

 その表情に影が落ちた。


「何か気になることでもあったのか?」

「……いえ……ごめん、なさい。なんでも、ないの……」


 気になることはある。

 だが、まだ確証がないから話せない。

 そんなところだろうか?


「先輩方! 既に抜けた者のことを気にしても仕方ないでしょう!

 さぁ、休憩は終わりにして、訓練に戻りましょう!」


「ふふっ、ツェルミンは前向きだね。

 でも、その通りだ! 訓練、頑張ろう!」


 ノノノの言葉に俺たちは頷く。

 周りではなく、まずは自分たちのことだな。

 そう思い、俺たちは訓練に戻った。




         ※




 訓練終了後。


「マルス、ちょっといいかしら?」


「ラーニア……?」


 タイミング見計らったように、ラーニアが話しかけてきた。


「少し時間をいいかしら?

 学院対抗戦の開催日も近付いてきたからね。

 少し、戦王バトルロイヤルの訓練をしておいてもいいのかな……なんて思ったんだけど?」


「戦王……?」


 そういえば、そんな競技もあった気がするが……。


「まさか忘れてるとは言わないわよね?」


「忘れていた……が、今思い出した」


 俺は鬼喰ともう一つ、戦王という競技に出場するんだっけ。


「あんたのことだから、訓練は必要ないとは前に言ったけれど……一応、担当教官だしね。一度はくらいは訓練をしておいてもいいかと思ってるんだけど、どうかしら?」


 戦王は確か、実戦形式の勝ち抜き戦だったな。

 その訓練ということは、


「俺とラーニアで実戦訓練をするってことか?」


「ま、そういうことね」


 ラーニアとの実戦訓練か。

 興味はある。

 学園の教官の中では、ラーニアは相当な実力者だ。

 俺の感覚としては、学園長の次……くらいのように思う。


「……そうだな。

 鬼喰にもだいぶ慣れてきたところだ。

 一度くらいは戦王の訓練もしておくか」


「OK。なら、今から戦闘教練室に移動するわよ」


「わかった」


 そして俺はラーニアと共に戦闘教練室に移動した。

 久しぶりの強者との戦闘を前に、俺は少しだけ気持ちが昂っていくのを感じる。


「あんたって、本当に戦闘狂バトルジャンキーね」


「なんだ急に?」


「好戦的な顔しちゃってさ。

 ……そうね、折角だしゲームでもしましょうか」


「ゲーム?」


「もしあたしがあんたに買ったら、次の休日に少し付き合いなさい」


「俺が勝ったら?」


「あんたに、あたしが付き合ってあげるわ」


 それ、俺に対してメリットないだろ?

 何か用事でもあるのだろうか?


「学園の外に出るのか?」


「ええ……学園長の許可は取ってあるから」


 魔族の存在も確かめられているこの状況だ。

 流石のラーニアと言えど、一人で学園の外に……というのは危険があるだろう。


「わかった。いいぞ」


「OK。じゃああたしも、久しぶりに本気出しちゃおうから」


 ニヤッと笑う紅髪の教官。

 それは俺は言うことを聞いたことに満足したのか、それともこれから始まる戦闘訓練を楽しみにしてのものなのか。


「さて、到着ね。

 いつ初めていいわよ」


 ラーニアは俺に右手を伸ばし、掌を上にしてくいくい――と、指先を動かす。

 かかってこい。

 そう言っているようだ。


「――なら、行くぞ」


 こうして――俺とラーニアの初めての実戦訓練が始まったのだった。

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