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完全防御

のんびり更新ですみません。

次回はもう少し早く更新できるよう頑張ります!

 俺は魔力を流し魔石を武器に変化させた。


「むっ……」


 接近する俺をバルガが捉えた。

 だが遅い。

 既に回避行動は取れないだろう。

 俺は大剣を振り下ろした。

 瞬間――ギンッ! と、強烈な音を響かせ大剣が弾かれた。

 やはり見えない壁……のような物がバルガの周囲を覆っているようだ。


「……防御魔術か?」

「さてな」


 答えるつもりはないらしいが。

 何らかの力がバルガを守っているのは間違いない。

 まぁ、いいさ。


「なら、どこまで防げるか試させてもらおう」


 小手調べだ。

 俺は先程よりも強く大剣を振る。

 が、やはり攻撃がバルガに届くことはない。

 気にすることなく俺は徐々に剣を振る速さを上げた。

 そして、幾度となく攻撃を加える。


「……無駄だ」


 バルガは小さく口にした。


「そんなことないさ。

 これだけでもわかったことはある」

「……わかったこと?」

「お前はこの力――攻撃と防御は一緒にできないんじゃないか?」

 

 バルガは先程から俺の様子を眺めるだけで、こちらに攻撃を加えようとはしない。


「このシールド? なのかはわからないが、この力を使っている間は恐らく自分の攻撃も通すことが出来ないんだろ?」

「……どうかな。

 出来るかもしれないだろ?」

「だったらやってみろ」


 休む間も与えず俺はひたらす剣を振る。

 攻撃速度をさらに向上させた。

 確かに全ての攻撃は防がれている。

 しかし、やはりバルガは攻撃をしてくる気配はない。


「どうした? 攻撃できないのか?

「隙を伺っている……とは考えないか?」

「防戦一方という時点で結果は出てる」


 話している間も手を休めることはない。

 この力を解いた瞬間、俺の大剣はバルガを貫く。

 だから解くことはできない。


「バルガ、マルスにはったりは通じないぞ?」


 すると、ファルトがそんなことを言った。

 この口振りからすると、どうやら俺の推測は外れてはいないようだ。


「……そのようだな。

 だが、マルス・ルイーナ――その推測は一部外れだ。

 そしてファルト……欠点を補う手段はいくらでもある」


 一部……?

 疑問に思ったのも束の間。

 バルガの上空に魔力が満ちていく。


「穿て――ロックランス!」


 宙で生成された岩槍が俺に降り注ぐ。

 俺は一旦、攻撃の手を止めて後方に下がった。

 さっきまで俺が立っていた地面が岩槍を穿った。


「……なんだ。

 魔術による攻撃はできるのか」

「この技能スキル、ディフェンサーは完全防御。

 使用している間は敵の攻撃を確実に防ぐが、自身の攻撃すら通すことはない」

「だからこそ、ディフェンサーの外から魔術を生成したわけか」

「違うな。ディフェンサーの中では魔術を使うことも出来ない」

「……なんだと?」


 だとすると、バルガはどうやって魔術を使ったんだ?

 いや、今の発言はブラフという可能性もあるが。


「今度はこちらが反撃させてもらおう」


 空間に魔力が渦巻き、再び無数の岩槍が生成された。


「どこまで避けられるかな?」


 バルガの言葉と共に、一斉に槍が降り注ぐ。

 避けることなど造作もない。

 が、その岩槍は俺を追尾してきた。

 ファルトが転移により姿を消す。

 すると、行き場を失った岩槍は俺を獲物とばかりに狙ってきた。


(……おいおい)


 先輩、少しくらいは受け持ってくれ。

 ま、この程度ならどうでもいいが、避けるのはもう面倒だ。

 俺は立ち止まり、襲い来る無数の岩槍を叩き落としていく。


「最初からこうした方が楽だったな」


 数百程度の岩槍を叩き落として、俺はバルガに目を向けた。


「……お前は化物か」

「化物とはひどいな。

 あんただって面倒な技を持ってるじゃないか」

「……どうする?

 まだ続けるか?

 完全防御ディフェンサーを発動している間は、少なくともこちらが負けることだけはない」

「そうか? 簡単にぶっ壊そうだけどな?」

「ぶっ壊す? この完全防御ディフェンサーを破壊できると?」

「ああ」


 完全防御ディフェンサー

 中々面白い力だ。

 だが、完全防御――などと大層な名前が付くほど、大した力ではない。

 次の攻撃で――完全防御を突破させてもらうとしよう。

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