閑話①
…ここはどこだ?
だだっ広い平原に一人、俺は立っていた。ホントに何も無い。
俺は歩いてみた。何かあるかもしれない。
しばらく歩くと、はるか遠くに人影が見える。
俺は歩みを早める。ゆっくりと、しかし着実に近づいて行く。
その容姿が確認出来る距離まで来た。
薄いピンクで統一されたドレス。
肩まで真っ直ぐ伸びた茶色の髪。
後ろ姿だけで誰だか分かった。
「ミューナ」
その女性――――ミューナはこちらを振り返り、微笑む。
「歩きましょう」
俺とミューナは並んで歩く。
こうして一緒に歩くのは、いつ以来だろうか。
「あなた」
不意にミューナが声をかける。
「あなたはどこに居るの?」
「俺はここにいる」
「いいえ、あなたはとても遠い所にいるわ。決して、手の届かない…遠い遠い場所に」
「では、ここはどこだ?」
「ここは夢の中。あなたが見ている夢よ」
「夢の中も、俺が今いるニホンという場所も不思議な事ばかりだ」
「でも、とても楽しそう。あなたは、今の状況を楽しんでるわ」
「そのように見えるか?」
「ええ、とっても」
でも、とミューナが続ける。
「あなたには帰るべき場所があるわ」
「分かっている」
「そのためにも今ある問題を」
「解決しなければな」
そう―――奴等を、「HEADER」を倒さなければ。
「待っているわ」
ぐにゃりと視界が曲がり、
「ああ」
世界がぼやけ、
「すぐに帰るから」
暗転する中で、ミューナが笑顔で手を振る。
「待っててくれ」
皆さんどうも、紫です。
はい、今回は閑話を書いてみました。どうでしょうか?
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