1日目②
久々に『怒り』が体の底から這い出てきた感じがする。
もし、それを可視化するならば、全身からどす黒いオーラが滲み出ているように見えるだろう。そこまでアルトは怒り狂っていた。
意味もなく人を殺す。これがどれ程までの下衆を極めているのか。それがアルトには許せなかった。
黒づくめの奴らが後ずさりをする。その内の一人が逃げ出そうとするが、そうは行かせない。俺は、空気を螺旋の如くドリルのように回転させ、その一人に飛ばす。そいつに当たった瞬間、体を側転の要領で半回転し、やがて地面を転がる。その背中は、服が破れ背骨と若干だが内臓が見える。
それを見た奴等はリーダーらしき人の元に集まり、鉄の棒を向ける。さっきの攻撃が来ると直感で感じて、俺は障壁を展開する。
この障壁は、数個の魔法陣で出来ていて、魔法・物理に問わず、吸収又は反射する。
魔法陣が目の前に展開すると、直後タタタタッと音がし、硬い何かが障壁に当たり、跳ね返った。奴等が一瞬怯む瞬間を狙い、足元に氷結魔法を発動し、奴等の動きを止める。俺はそのまま、氷結魔法で奴等を全身氷漬けにする。放っておけば、やがて窒息死するだろう。呼吸出来ず、もがくことも許されない氷の中で自分のしたことを反省するがいい。
「下衆共が」
そう吐き捨てた。
怒りも収まり、先程障壁で防いだ硬い何かを確認する。ちょっと探せばそこらじゅうにあった。ついでに背中をえぐった奴の鉄の棒も回収する。
観察して分かったことは、硬い何かは鉛で出来ている事と、鉄の棒は筒状で何らかの操作で鉛玉を飛ばす事だった。投石機を、かなり小さく、威力を桁違いにしたもの位の理解だが。
奴等の持ち物を調べ終わったが、鉄製のケースに入った鉛玉や、片手で持てる鉄筒(と呼ぶことにした)が大量に出てきた。あとは若干だが、謎の袋に包まれた物もあった。こちらは食糧だったので、ある程度は貰っていく。
さて、そろそろイケフクロ、だったっけかな、まずはそこに行かねば。トンネルを進むため、俺は光球を作り出し先を急ぐ。
コツ、コツと音を響かせながら。
―???―
とある部屋の椅子に深く座る男がいる。手に持っている報告書を眺め、にやつきながら、いかにも高級そうなワインを丸々一本飲み干す。
「もう少し手応えがあると思ったんだか、案外そうでも無かったなぁ。たった10万そこらで攻め落とされるとは…。夢にも思って無かっただろうに」
そう呟いて、高らかに笑う。
その部屋の壁には、赤色で「HEADER」と書かれた旗が掲げられていた。
皆さんどうも、紫です。
4月ですね~、桜が綺麗な時期ですよ。皆さんはお花見しましたか?皆でワイワイやるの楽しいですよね。…ちょっとそこのキミ、花見楽しくないとか言わないの。…えっ、花見行って無い?自分もです。
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いや、ホントください(真顔