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1日目①

早速流血シーンあります。

 「―――!――――!!」


 ん?なんだ、騒がしい…。実験の邪魔だ、どっか行け…。


 「――――、―――――!!」


 …いやちょっと待て。俺は実験してたんだよな。まだ誰にも、特にミューナには「世界線超越召喚魔法」の事は言っていないはずだ。なのに何故、こんなにも騒がしい?

 重いまぶたを持ち上げる。膝立ちの状態で気絶したのか。無意識ながらも器用だな、俺。

 顔を僅かに上に上げると、男が俺に話しかけていた。


 「@*#φё!я¥§∃Λψξ?」


 何を言ってるんだ、こいつは?理解不能な言語で話してきて分かるかよ。


 「おい、俺の言葉が分かるか?」

 「§∃ψΩεσ?БЁЫЖ!?」


 …全く通じていないようだ。どうするべきか、と頭をひねる。

そういえば、いつだったか謎の部族の村に行ったとき、言語変換術を使ったっけな。意識を集中させ、その魔法を自分自身にかける。


 「おい、大丈夫か?」

 「うわっ!なんだよ、日本語話せるじゃんか」


 俺に話しかけていた男はとても驚いていた。まぁ、俺も謎の部族に同じような反応されたからな。

 男は俺よりもかなり背が低い。全身に緑やら黒といった柄の服を着ていて、様々な荷物が服にくっついていて、更に、手には取っ手のついた鉄の棒が握られている。

 愛用の杖を拾い、立ち上がってみる。周りを見渡せば、かろうじてここが地下だと分かる。床には見覚えのある魔法陣が描かれているが、瓦礫に埋もれていたり、床自体にヒビが入っていていたりと、酷い有り様だ。

 しかし、この男といい、この地下空間といい、見たことの無い文明が根付いているようだ。少なくとも、国内には無いはずだ。というか…


 「ここはどこだ?」


 いくら、屋敷の地下ではないとはいえ、自分の知識だけでは説明しきれない物が多すぎる。特に自分の後ろにある、見た目身長の約半分程の、鉄で出来たと思われる細長い箱。それが1列にいくつも並んでいる。


 「お前どこって、見りゃ分かるだろう」


 見てもわかんねぇよ。


 「とにかく、ここは危険だ。避難するからついてこい」

 「避難するって、どこに?」

 「ここから丸の内線を通って池袋方面に行く。そこに臨時作戦本部がある」


 本部からの命令だからな、と続けて言う。マルなんとかとか、池の袋とか何なんだと思っていたが、男はそのまま、自分の後ろにある細長い箱の間を通り、奥に進んでしまう。仕方なく考えるのを止め、俺は置いて行かれないようについて行った。そして直ぐ脇にある階段を…下っていくだと!?


 「ちょちょちょちょっと待て!まだ地下があるのか!?」

 「は?丸ノ内線はもう一つ下だぞ?」


 何言ってんだこいつ、みたいな顔をされた。一体、ここはどうなっているんだ…。

 長い階段が待ち構えていたが難なくクリア。階段を下った先には、先程まで誰かがいたような跡がある。しかもかなりの人数だ。


 「ここにいた避難者たちは、皆あっちにむけて出発したのか」


 俺の心の疑問に知らずながら答えてくれたようだ。


 「なぁ、お前」

 「なんだ?」

 「さっきから思ってたんだが、その格好は何?コスプレ?」


 今の俺の格好について聞いてきた。シャツにカーディガン、ズボンを着て、足元まである黒のローブ、と言うよりはフード付きのマントを羽織っている。これで何って言われても…


 「普段通りの服装だか?」

 「…その手にしているヤツは?」

 「愛用の、聖カシミア樹の杖だ」

 「もう手遅れだったか…」


 何が手遅れなんだろうか。


 「赤崎!」

 「あっ、副隊長」


 隣にいる男と同じ格好をした副隊長と言われた奴が、奥からやって来た。てか、男の名前アカザキって言うのか。聞くの忘れてたな。


 「そいつは?」

 「上の階で気絶していた所を保護しました」

 「うむ。色々聞きたいことはあるが、今は避難が最優先だ。しばらくすれば、ここも危なくなる」


 そう言って、副隊長は来た方向へ進む。俺とアカザキも彼の後をついていく。

 歩いてすぐ、トンネルが見える。今立っている床と、トンネルの床との高低差が多少ながらもあるが。そのトンネルの底には、木の板がずらっと並んでいて、その上には長い鉄の棒が2本並んで置かれている。

 副隊長は俺達に少し下がっていろ、と言うと、鉄の棒を先端が小さい方を前に持ち、先に一人でトンネルに入っていく。一方を向いてしばらく止まったが、やがて鉄の棒を下ろし、手招きをする。アカザキが滑り込むように入った。俺も慌てて後に続く。


 「あっちの方に行けば、池袋駅だ」


 と言って副隊長は、鉄の棒を構えていた方とは逆の方向を向いて行った。


 「懐中電灯よし、行けます」

 「では行くとしますか」


 鉄の棒に前方のみ照射する装置をつけて目の前を照らす。この装置、かなり気になる。

 いざ、進もうとすると後ろでタンッ、と音がした。それと同時にアカザキの左肩から真っ赤な血が噴き出す。


 「えっ、ぁ…あ、ぁぁぁあああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」


 アカザキの叫び声が響く。後ろを見ると、少し形の違う鉄の棒を持った黒づくめの人間が5人。全員が鉄の棒をこちらに向けている。


 「くっそおおぉぉぉ!!」


 副隊長が叫びながら俺の前に立ち、鉄の棒を使う。タタタタッとリズムよく音がなる。

 倒れる奴もいたが、こちらの攻撃が終わると5人全員が突っ込んで来た。

 あっという間だった。数歩下がっていた俺には目もくれず、痛みにもがくアカザキと、抵抗するもやられてしまった副隊長。二人は俺の目の前で、大量の血を流す肉片と化していた。

 黒づくめ奴等が俺を取り囲み、リーダーらしき一人が何か言っている。が、そんなのは今の俺には関係無い。


 久々に思い出してしまった。


 『怒り』と言う感情を…!!

皆さんどうも、紫です。

前回は完全な説明文でしたね、しかも1000文字ぴったり。

今回は取り敢えず頑張ろうかなー、なんて思ってたら約2倍も書いてましたよ。ええ、自分もびっくりです。


意見・感想・評価待ってます!!

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