日常生活7
19時55分。やっぱり時間食ったな。まあ飯は食わしたからあとは風呂に入らせたら寝るだけかな?あっ!宿題か。明日は土曜で学校休みだから大丈夫っちゃあ大丈夫だけど学校から帰ったらすぐ宿題をする癖をつけて欲しいな。とりあえず現場は時間を作っておいたから何とか回ってるみたいだし家に着いたらすぐ風呂入れてやらないとね。
『悠!宿題やった?』
『まだやってない』
『いつやるんですか?お前がやってないって事はもちろん虎もやってないよな?』
やっているわけがないよね。
『たぶんやってないんじゃない?俺は明日剣道の練習が終わったらやるよ』
たぶんだけど。予定がないし。
『明日は剣道か。昼までだよな?』
『うん。そうだよ』
『俺はまだ予定はわかんないけど仕事が午前中からだったら昼飯代置いていくからなんか買って龍と虎にも食べさせてやって。一応午後から出るつもりではいるけど現場次第でわかんないからね』
午前中悠がいないから土曜はなるべく午後から出るようにはしているんだけど。双子だけになっちまうからな。
『うん!わかった』
『悠!お前は勉強しろって親父やお義母さんに言われなかったの?』
『言われないわけじゃないけど宿題はしろって言われてたよ』
『受験はしようと思ってた?』
『受験?なんの受験?』
『いやなんでもないよ。よし着いた!龍!ガレージあけてって寝てんのかよ。龍!虎!着いたよ!起きて!お風呂入ってもう寝なさい!』
あの親父がまったく受験させる気なかったんだな。俺を見てたからお義母さんも受験させる気にならないよね。
『あっ!僕ボタン押したかったよー!』
『押していいよ!龍!ガレージあいてるからボタン押しておろして!虎!起きて!虎!おいで!早く!抱っこしてあげるから』
こうやって寝ちゃうからデカイ車は必要だと思ってソッコー買ったんだ。普段俺には必要ないんだけどな。こいつら乗せるには広いエルグランドは助かりますよ。
『慶兄!鍵は?』
『あー車だ。ごめん。キーケース忘れた。はい!入って!悠!荷物は全部おろした?』
寝てる子供はなぜ重くなるんだ?
『うん!たぶん』
『虎!起きないの?お風呂入る?もうおろすよ!』
まだちょっと寝ぼけてるな。早くお風呂入って寝てほしいんですけどね。
『いやー!うっく、ふぇっ、抱っこしてー!』
『僕も抱っこしてよー慶太郎兄ちゃん!』
『はいはい。龍!おいで!悠!お風呂の湯入れてくれる?』
早く入れちまおう。もう眠たくてしょうがねーからグズるんだな。
『うん!わかった!』
『龍!虎!買った服をお前らの部屋の洋服ダンスにしまえる?自分で出来る?』
出来ないとは思いますが一応聞いてみよう。
『出来ない!』
『僕もわかんない』
『ですよね。タグも外さなきゃいけないな。わかった。俺がしまっておくからね。お風呂に入ろうか!』
やっぱりな。とりあえず自分でやろうと思う気すらないよね。どうやって教えていけばいいんだ。
『うん!』
『慶太郎兄ちゃんも一緒に入るの?』
『うん!俺も入るよ。お風呂に入ったら寝ようね!』
『うん!』
『悠!お前もおいで!もうみんな一緒に入っちまおう!』
『うん!わかった!』
さっさと寝てくれたらいいんですけどね。まあ9時消灯だから寝るのは寝るんだろうけど俺が夜居るのって日曜ぐらいしかないから寂しい思いをさせてるよな。このまま現場が大丈夫なら寝かしつけてやれるんだけどね。寝るまでは一緒にいたいな。あー資料作らないとマジいい加減ヤバイぞ。現場行かなくて済むなら書斎でやろう。風呂に入れるのも大変な双子だからデスクワーク出来る元気が残ってるかな。
『はい!次は虎!おいで!髪洗ってあげるから!早く!もう!虎!遊んでないで早くしろ!もういいや!悠!お前先においで!』
虎は本当に聞かねーんだよな。お風呂場にも無駄におもちゃがあるからいけないんだろう。もうそろそろ必要ないんじゃないんすかね?
『俺、自分で洗えるけど!』
『いいから来いよ!たまになんだから!』
手のかかる双子がいたからお前はあまりお母さんに甘えられなかっただろ?そういうお前が1番気になるんだよ悠之心!
『うん!ねえー慶兄!慶兄はどうして出ていっちゃったの?俺が5歳の時いなくなったじゃん。俺達とお母さんがいたから?』
あまり帰ってきてもくれなかったし俺嫌われてるのかな?ってちょっと思ってたのにお母さんが居なくなってしまって俺達は施設に行くんだと思っていたから一緒に住んで俺達の面倒見てくれるって言ってくれた時は嬉しかった。
『違うよ!悠!俺がバカだったからだよ。あの時の俺はガキでどうしようもない奴だった。お前達やお義母さんがいたからじゃない!俺が弱かったからだよ。ごめんな!悠!でも今の俺は少しは大人になって色んな事がわかってきていつも反省しているんだ。自分がどれだけ愚かだったのかわかって、ただ反省しかないよ。お義母さんにも迷惑と心配をかけて本当に悪いと思ってる。だからお義母さんに出来なかった親孝行をお前達をちゃんと育てる事で少しは安心してもらいたいんだ。俺にお前らを守らせてくれよ。お義母さんが残した宝は俺が絶対に守るからね』
悠之心!本当に違うんだ。俺が悪いんだよ。ごめんな。
『慶兄!俺は慶兄大好きだからね!もう、っく、うっく、もう二度といなくならないで!黙ってどっか行かないでよ!っく、うっく』
俺は慶兄が俺達を大切に思ってくれているのを感じているよ。だからもう本当に居なくならないで!俺、慶兄がいて良かった。
『悠!泣くなよ。ごめんな。俺はお前も傷つけていたんだな。悪かったよ。約束する。もう二度といなくなんてならない!だから泣かないでくれ。悠之心。俺もお前が大好きだよ』
壮ちゃん!俺はまた1つ罪を認識しました。よく反省します。幼い悠之心を傷つけてしまっていた事はとても苦しいです。俺は思わず後ろから抱きしめた。悪かったよ。悠之心。お前らにもっともっと俺の愛情を与えられるよう努力するからな。
『っく、うっく、け、慶兄!ありがとう、っく、俺達のそばにいてくれてありがとう!っく、うっく、俺、慶兄がいるから大丈夫って思えるよ。うっく、お母さんいなくも、慶兄がいるから安心できる。うっく、っく、慶兄が抱きしめてくれるとなんでかわかんないけど、安心するんだ、うっく』
本当だよ!慶兄!だからずっと俺達のそばにいてよ!いつもありがとう。俺達の為に頑張ってくれてありがとうございます!
『そう。ありがとう悠之心。そう言ってくれると嬉しいよ』
壮ちゃん!俺も少しは壮ちゃんみたいに抱きしめてやれる人になりつつあるのかな?俺は本当に色んな人を傷つけていたんだと思います。幼い悠之心の心も傷つけていたんだ。また反省します。これからもずっと反省の日々を送り続けるから俺の弟達がもう二度と哀しい想いをしないよう壮ちゃんも力貸してよ。俺はちゃんとそっちにいったらどんな罰も受けるからこいつらだけには辛い思いなんかさせたくないよ。
『龍!虎!寝る時間だよ!一緒にベッドに行こうね!』
『うん!慶太郎兄ちゃん!抱っこしてよー』
『待ってよー!僕も抱っこしてよー!』
あー。お前らを抱っこしていて俺が癒されているんだな。お前らのピュアなハートが俺の魂に届いているようだ。ありがとう。龍之助!虎之助!マジで俺もっと頑張るからな。
『はいはい。おいで!よし。寝ようね。龍!虎!いつも寂しい思いをさせてごめんな。もうちょっと俺が仕事頑張って一緒にいる時間を作るようにするからね』
本当にごめんな。
『僕、毎日慶太郎兄ちゃんの顔見れるし抱っこしてくれるから寂しくないよー!おやすみなさい!慶太郎兄ちゃん!』
『僕も慶太郎兄ちゃんが毎日抱っこしてるから寂しくないよー!慶太郎兄ちゃん!おやすみなさい!』
『ありがとう!龍!虎!おやすみ!』
ねぇー壮ちゃん。愛しいってこういう気持ちなの?俺愛がわからないから大切な女も傷つけてしまったけど俺は愛を持っているのかな?俺こいつら全員愛しいと感じている。
『慶兄!入るよ!今日仕事行くの?』
『いや今日は家で仕事するよ。悠は何時に寝るんだ?』
双子を寝かしつけ書斎で仕事をしていたら悠が入ってきた。もう22時前か。
『漫画読んだら寝るよ!慶兄がいる夜ってやっぱなんか違うね!嬉しいよ!おやすみ!慶兄!慶兄?どうしたの?』
慶兄!慶兄はどうしてそんなにあったかく俺を抱きしめてくれるの?だから俺安心できるんだよ。
『お前を抱きしめてるだけだよ。おやすみ!悠之心!今日は俺がいるから安心して寝ろ』
愛しいんだよお前が。悠之心!お前らを絶対に俺は守りたい。何があっても。
『うん!あっ!お母さんのお腹の中にいたみたいだ。俺こういう安心感ってやつなんか思い出した。慶兄が抱きしめてくれるとお母さんのお腹の中みたいだよ。あったかい』
あーそうか。悠!またお前に教えてもらったよ。俺も壮ちゃんに抱きしめられて安心感を得ていたんだな。お母さんのお腹の中みたいなのか。そうだったんだ。だからあったけーんだ。ずっとお腹の中にいたかったな。でもそしたら誰にも会えないままだから生まれて良かったんだよね?壮ちゃん!俺には大切な守りたい者達や仲間もいるから悪い事ばかりではなかったね。
『おやすみ!悠!早く寝なさい!』
『うん!おやすみ!慶兄!』
よし!現場はなんとか回ってるようだし資料を作っちまおう。明日悠は午前中剣道だし。チビ2人っきりではやっぱり心配だ。モニターも見てなさそうだし家政婦は必要だな。3ヶ月近く何もなかったから良かったもののまだ1年生だもんね。悠がいるならまだしもチビだけでは危険すぎる。早急に手配しなきゃな。とりあえず資料を作って俺も早く寝たいよ。