表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/50

日常生活3

あー眠い!この睡魔をどうにかしてくれ。デスクワークは眠くてしょうがねーよ。昼だな。コンビニ行って飯食いながらやろうか。


『中井さん!俺、飯買ってくるね。なんか必要なものはない?』


『はい!大丈夫です!』


あー電話か。大輔?早いな。


『もしもし?大輔?お疲れ!早い起床っすね。どうかしました?』


『もしもし?慶太郎?お疲れ!お前!店のワックス入ってもらうの頼んだか?』


『あーすいません!忘れてました!申し訳ないっす!すぐ手配します!両店舗共にですよね?月曜の午前中入ってもらいましょうか?起きれます?』


やべー。普通に忘れてた。


『起きなきゃ店の鍵を誰が開けるんだよ!お前開けてくんのかよ?』


『いやー月曜は現場が忙しいんで俺は無理かと。すいません!大輔くんお願いします!』


『慶太郎!お前今日は顔だすのか?』


『いや出来たら勘弁して頂けると助かるんですけど。今日はまだ一睡も出来ず24時間以上たってるんすよ。もう倒れそうっす。チビ達が学校ありますからね』


『来月のボーナス上乗せしとけよ!』


『はい!もちろん頑張らせて頂きますよ。大輔悪いね!任せっきりで。大輔がいなきゃマジ店潰さなきゃいけなかった。ありがとう大輔』


本当にお前は俺の右腕だよ。


『とりあえずお前来月は誕生日なんだからそこだけは絶対どうにかしてあけとけよ。お前にはガッツリ稼いでもらうからな。稼ぎ時ぐらい顔だせ!20時には店入れよ!』


『あー誕生日っすね。それも忘れてました。俺らもう今年22っすよ!必ずあけて稼がせて頂きます!とりあえずワックスはすぐ手配するんで月曜お願いします!お疲れ!』


『了解した。お疲れ!』


あー恐怖の誕生日か。20時から飲み潰れろって事ですね。そうだ。来月悠之心も誕生日なんだよな。11歳か。まさかの俺と同じ誕生日。七夕だぞ。壮ちゃん!俺はもう22歳になるよ。壮ちゃんと再会した病院では12歳だったからあれからもう10年になるんだね。早いな。10年立っても俺はあの映像を忘れられずにいるよ。たぶん一生忘れる事がないんだろう。俺が背負っていくものってこういう事だったんだね。ようやく理解出来るようになってきました。やっぱり壮ちゃんの言う通り俺は反省が全然足りてなかったです。ごめんなさい。今はちゃんと反省出来るようになってきてると思うよ。自問自答を繰り返すって事がこんなに辛いとは思わなかった。これが本当に反省するって事なんだね。俺が死なせてしまった子には本当に申し訳ないです。誕生日が来ると13歳の夏休みを思い出してただ後悔しかない。俺が奪ったあの子の人生をどうやって謝罪したらいいんだろう。壮ちゃんに泣く程尻を叩かれても俺は許されない事をしたんだと思っています。


『社長?社長?』


『え?あーごめん。ぼうっとしてた。何かあった?』


『いえ、あのお茶入れたんですけど』


『あーはい。ありがとう』


ダメだ。仕事しなきゃ。悠の誕生日はお祝いしてやれないな。俺が同じ誕生日じゃなかったら良かったんだけどね。ごめんな悠。プレゼントとバースデーケーキで我慢してくれ。お前には我慢ばっかりさせてしまいそうだな。頼りない兄貴で本当にごめん。


『社長!お先に失礼します!お疲れ様でした』


『あーはい!中井さんお疲れ!』


中井さんが上がったって事は17時か。悠達は帰ってるかな。遊びに行っちゃってる?悠に携帯を持たせたいんだけど小学生にはまだ早いんですかね?家にかけてみますか。


『もしもし?龍か?』


『もしもし?慶太郎兄ちゃん?うん!龍だよ!』


『おかえり!龍!学校は楽しかった?』


『うん!楽しかったよ!今日ねー算数のテスト返してくれたんだけど100点だった!』


『へぇーすごいな!龍!頑張ったね!悠と虎はいるの?』


『悠兄はいるけど虎は遊びに行ってるよ!』


『そう。じゃあ悠とかわってくれる?龍はちゃんと宿題するよね?』


『もうしたよー!悠兄とかわるね!』


『あーそう。早いね!龍は!』


『もしもし?慶兄?何?』


『もしもし?悠?お前今日晩ご飯大丈夫?飯は炊けてるけど適当に作るなり惣菜買ってくるなりして食ってくれよ!食費は足りてる?無くなったら言ってよ!』


『うん。まあ今日カレー作ってるから大丈夫だよ』


『あーそう。さすがだなお前は。龍は宿題終わったらしいけど虎は?』


『虎は遊びに行ったっきりだからまだじゃない?18時ぐらいにならないと帰ってこないよ』


『はぁー。元気に遊んでくれるのはいいけど宿題だけはちゃんとしてほしいね。悠之心!いつもごめんな!』


『何それ?何がごめんなの?』


『いや、お前に押しつけてばっかりだから。家事やらせて弟の面倒見させてお前の時間がないだろ?悪いと思ってね。もう少し待ってくれる?家政婦頼もうとは思ってるから。だからもうちょっと我慢してくれるか?』


『あのさー別に普通の事じゃん。俺は我慢してないわけじゃないけど嫌々家事とか龍や虎の面倒見てるわけでもないし。普通の事をやってるだけじゃん。兄弟なんだから。それに慶兄の方が大変だし。いつも俺達の為に遅くまで働いてくれてありがとう』


『いえいえ俺も兄貴として普通の事をしているだけですからね。お前らは俺の大事な弟達だから。本当はもっとちゃんとやれなきゃいけないと思うんだけどまだまだ俺の力が及ばず悠に無理させてるよなと反省してるよ。悪いな。悠之心!虎が遅いようだったら公園探してきてね!夜は誰か来ても絶対玄関を開けちゃダメだよ!』


『うん!わかってるよ!大丈夫だから心配しなくていいって!慶兄!朝も俺ら大丈夫だから寝てよ。無理しなくていいから!毎日ほとんど眠れてないんでしょ?朝はパンで充分なんだし学校ぐらい行けるよ!』


『俺の心配なんてしなくていいんだよ!ちゃんともっと頑張るから。ごめんな!悠!じゃあ頼んだよ!また寝る前に電話するからね。龍と虎を風呂に入れたり頼むよ!なんかあったらすぐ電話して来い!悠?聞いてる?』


『心配するよ!俺だって心配したいよ!俺もう嫌なんだよ!慶兄がいなくなるのも嫌だ!誰かがいなくなるなんてもう嫌なの!だから無理しないでよ』


『うん。ごめん悠。ありがとう。でも俺はいなくならないよ。俺はお前らを立派に育てるってお義母さんに約束したからな。だから俺はいなくなんてならねーから安心しろ。寝る時間はちゃんと作ってるから大丈夫だよ。また電話するからね!虎に宿題ちゃんとやらせとけよ!わかったな?』


『うん。わかった』


悠之心!お前はやっぱり俺に似てるよ。だから余計心配だ。お前らに心配かけるようじゃ俺はまだまだダメだね。もっと頑張らないとあいつら守れねーよ。壮ちゃん!今なら壮ちゃんがしてくれた心配とか大切に思ってくれていた気持ちが本当によくわかるよ。今さらでごめんね。俺バカだった。本当にバカだったよ。壮ちゃんが門限にうるさかった気持ちも今になってわかる。それだけ心配してくれたんだよね。お仕置きでの尻の痛みは壮ちゃんの心の痛みだったんでしょ?俺本当に反省が足りてなかったよね。そっちにいったら俺どれだけ怒られるかわからないけどもう覚悟は出来てるし泣く程尻叩かれても足りないぐらいだと思っているよ。本当に心配ばっかりかけてごめんなさい。悠!龍!虎!のおかげで俺はやっと気づけた。あいつらに感謝だよ。こんなバカな兄貴に色んな事を気づかせてくれるんだ。お義母さん!俺は貴方にも相当心配と迷惑をかけました。俺が1番ダメな時しか見せられませんでした。すいません。俺は貴方の優しさにどう接して応えたらいいのかわからず困らせただけでしたね。本当に心配かけてごめんなさい。貴方の宝を俺が必ず守ります。それが今の俺に出来るせめてもの親孝行だと思ってやらせて下さい。お義母さんが心配しないように頑張ります。あー電話だ。現場から呼び出しか。20時便ですかね。もうちょっとで給料計算終わるとこだったのにな。


『もしもし?はい。わかった。すぐ行くよ』


『社長!おはようございます!お疲れ様です!』


『おう!拓也おはよう!今から出勤?今日は19時出勤ですか?ちゃんと学校行ってきたのかよ?』


『はい!行ってきました!』


『俺今現場から呼び出し食らったから今日は忙しいぞ!早く行くよ!』


『はい!』


『藤井くん!3、5、6、8、9かな?全部20時便?連絡遅いよ!状況把握して間に合いそうにないなら人数入れて早く手配しないと判断間違うと手遅れになるよ!18時55分だけど19時30分に終わらせるつもりでやろう!最悪19時45分がタイムリミットだよ!藤井くんは9から拓也使いながらさばいていって!』


『はい!すいません!わかりました!』


俺が3、5、6だな。2人で9番終わったら8番入るだろう?最悪8も俺だとしたらギリギリか?参ったね。寝る時間なんて作れねーよ。もう3番出したのは誰だ?後藤くんか。あいつ何時出勤だったかな?9時の正社員だよな。まだ上がってないですよね?


『もしもし?後藤くん?お疲れ?まだ現場にいるのかな?』


『お疲れ様です!まだいます!上の23時便やってます!』


『えっと下の20時便の3番出したよね?3ケース足りないから速攻持ってきて』


『あーはい!すいません!すぐ持っていきます!』


こういう出荷ミスが遅れの原因にもなるし確認出来てなかったら間違ったままトラックが出ちゃうんですよ。ここで発見してなきゃいけないのにトラックが出てからミスが出てくるのがおかしいんだよな。なんでですかね?しっかりやってくれよ。


『社長!すいません!3ケース持ってきました!』


『はい!ありがとう!気をつけてね。ここの積み込みで気づかれなかったらトラックは出ちゃってるよ!』


『はい!すいませんでした!』


よし3終わり。あと5、6だ。最悪俺が8もやるのかな?まあ藤井くんなら9と8ぐらい終わらせてくれるだろ?終わらせてくれなきゃ困るよ。拓也も入れてるし。現場のリーダーは一応君に任せているんだからね。現場をもうちょっと回してくれないと困るんだけど。よっしゃ終わった。19時25分。


『藤井くん!俺3、5、6終わったけど8はあと何分で終わるの?』


『えー10分あれば終わります!』


『はい!じゃああと任すよ。20時便ちゃんと出発させてね!』


『はい!すいません!ありがとうございます!』


逆に拓也が足手まといだったようだな。まあバイトだしまだ大学生だもんね。でもバイトをうまく使えるように指示だしてくれなきゃ困るんですけどね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ