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日常生活2

俺は弟達を学校へ無事送り出しスーツに着替えてすぐに会社の事務所へと向かった。俺の会社の事務所には事務員さんが1人だけいる。親父の会社にいた事務員さんが最近定年退職し中井さんには俺の会社と親父の会社の電話の応対や伝票整理を任せているが明らかに足りていない。だから俺の仕事も減らないんだよな。募集かけて入ってくるんだけど続かない。なんで?俺はかなり甘い方だと思うし9時から17時の勤務の中で事務員さんには残業もさせない。女同士って難しいのかな?中井さんは1人でやりたがるんだよな。まあ俺は別に何も言わないし道路を挟んで立つ向かいの倉庫が現場であり事務所にずっといるわけでもないからね。1人の方が気がラクって気持ちは俺も理解は出来る。でも正直もっとやってもらいたい事があるし求人募集をかけた時には電話が鳴りまくり中井さん1人では応対出来す俺が電話を取らなきゃいけない事もあるのでせめてもう一人ぐらいいて欲しいんですけどね。本音を言えば店の給料計算してくれる事務員も欲しいんだけど店の事務所では大輔が嫌がるからうちの事務所でやってくれる人が来ればめちゃくちゃ助かる。事務所の机は一応6つあり電話は俺の会社が2回線と親父の会社も2回線引いているので4台あるわけだ。同時に鳴った時は対応不可ですよね。机は現場に入って仕切っている藤井くんと河原くんにも個人の席を与えている。彼らにも現場の伝票のデータ処理や日報の整理をやらせているので手があいた時には事務所に戻り事務処理をする為に与えているがほぼ現場をこなすだけでいっぱいいっぱいなので事務処理をする程手があく事はあまりない。手があくとすれば中井さんが上がった後か土日の物流が少ない時ぐらいだしそれでもあと3つは席があいている状態だ。俺は一応社長なので俺専用の部屋があるから使う事はない。どういう人なら中井さんと合うんだろうな?と俺の中では軽い悩みでもあったりする。けして中井さんが悪い人ではないと思うんだけど一人好き?あまり教えたりするのは得意ではないようだ。俺の仕事が減らないんですけどね。そして大輔に怒られるのも俺だ。人材育成が甘いってな。確かに俺が悪いんだろうね。人材育成する力が俺にはないのかも。


『中井さん!おはよう!』


『あっ!社長!おはようございます!』


『中井さん!コーヒー入れてくれる?』


『はい!すぐ入れますね!』


あーねむてぇーよ。とりあえず現場は大丈夫かな?今日入りたくねーな。体が重いんですよね。道路を挟み向かいにそびえ立つ物流倉庫は事務所から軽く走れば1分程だ。俺は現場に入っている社員とは基本携帯でやり取りをする。倉庫事態広いので探し回るのも面倒だし社員同士も携帯を使い状況を把握したり助っ人要員のバイトを要請したりしている。


『もしもし?井田くん?おはよう!お疲れ!現場はどう?早朝のトラックはちゃんと定時に出た?』


出てなきゃ困ると言うよりさすがの俺もキレるんですけどね。俺はだいぶん気が長くなった方ですよ。店でも現場でもそうそうキレませんからね。正直なんでできねーの?ってイライラする事もありますけど。


『おはようございます!お疲れ様です!今の所なんとか回ってますね!トラックは定時に出ました!』


『はい!わかった!じゃあ何かあったら連絡してね。俺は事務所にいるから。お疲れ!』


『はい!わかりました!お疲れ様です!』


よし!とりあえず今のうちに俺がやる事はなんだ?店の給料計算もしなきゃいけないんだよな。女を使うのはめんどくせーとか言ってる場合じゃないでしょ。俺もだけど大輔も仕事が減らないんですからね。大輔は女嫌いか?お前ホストじゃねーか。まあ俺も女はめんどくさいと思うけど。千佳だけだったな。俺が唯一めんどくさいと思わなかったのは。あー電話か。


『はい!もしもし?高見です!おはようございます!長田部長!お疲れ様です!』


『慶太郎くん!おはよう!お疲れ!今日は事務所?現場?』


『今は事務所ですね!まあいつ現場に呼ばれるかはわからないんですけど。なんかミスありました?』


『いやいやないよ!慶太郎くんの会社に任せてるんだから問題ないでしょ!えっとねー来週会議をやろうと思ってるんであけといてくれるかな?あとは現場の実績を報告書持参で来週の火曜日午前10時から始めようと思ってるからよろしくね!』


『はい!わかりました。来週の火曜日ですね。お疲れ様です!失礼します!』


マジか。報告書作らねーといけねーじゃん。あー仕事が増えた。だいたい仕事が片付いてる日なんて俺には皆無だ。今日は木曜だから土曜までには仕上げたいね。日曜ぐらいはチビ達の相手をしてやらないと俺はほとんど家にいないもんな。あー家政婦を雇いたい。ご飯を作るのが大変だ。しかも俺料理が苦手だし。悠の方が上手いよ。まあ文句も言わず食ってくれるのは助かるんですけど。虎は野菜が嫌いだからたまにわがままを言って俺を困らせてくれるし。やっぱあいつは俺に似てるのか?ハウスキーパーが月1来るけど普段の掃除も悠がやってくれてるし夜ご飯もあいつに頼ってる。家事をこなす小学5年生。お前は偉いよ。俺なんかそんなにしっかりしてなかったぞ。まあずっと毎日休みなく受験勉強だったからね。あー電話だ。現場か。まだ何も仕事が進んでねーんだけど。


『もしもし?お疲れ!はい!わかった。着替えてすぐ行くよ!』


はぁー。俺寝てないのに。結局体力仕事をしなきゃいけなくなる。こうやって現場が回らなくなると俺が作業着に着替えて出動しなければならなくなるんだ。だからデスクワークもなかなか進まない。あーキツイねー。


『中井さん!俺、現場出るんで事務所よろしくね!』


『はい!わかりました!』


事務所を出た俺は道路を渡り1分程で倉庫に到着し応援要請をしてきた原口くんが受け持つエリアに向かいパッと見ただけで追われてる仕事を把握する。


『原口くん!おはよう!えっと2、4、6、7番かな?11時便?』


『おはようございます!お疲れ様です!えーそうです!全て11時便です!』


『今、9時40分だからたかだか4ヶ所だし10時30分には絶対終わらせようね!俺、2番からさばいていくから!』


『はい!わかりました!俺は7から入ります!』


あーもうなんだよ。今日の入庫は誰がやったんだ?考えて置けよ。邪魔だろう。2番はけっこう量あるね。俺は睡眠不足で体が重いんですよ。2、4を俺がやればいいのかな?まさか6も俺にやらせるつもりですか?


『あっ!山野くん!おはよう!今日の入庫は山野くんかな?』


『社長!おはようございます!入庫は俺がやりました!』


『落ち着いてからさばくにしてももうちょっと考えて置いていかないとそこリフト通れないよ。結局また誰かが動かす事になるんだからね!二度手間でしょ?時間のロスだし。ちゃんと考えて置いてね!今日は俺が移動させておくからこれから気をつけてよ!』


『あっ!はい!すいませんでした!』


よし!無駄に時間食ったけど2番は終わりだ。次は4だな。10時過ぎましたよ。俺は余裕で4は終わるけどまさか原口くんは7番だけで10時30分までかかるのかな?俺が3ヶ所もさばくの?俺に頼らず現場を回して欲しいんだけどな。よし4番終わり。10時17分。もうマジかよ。まだ7番やってんのか。あと13分で俺に6番をさばけと言う事ですよね。こんな事では今日も店に行くのは無理だ。大輔キレるだろうな。俺だって頑張ってはいるんですけどね。ごめんな大輔。よっしゃ終わった。10時29分。ギリギリじゃん。俺がちゃんと見本を見せておかないとね。出発まで30分あるとしてもだいたい余裕を持って終わらせとくべきって事を身につけてもらわないと常に現場は時間に追われる仕事なんですからね。


『原口くん!終わる?俺2、4、6番やっといたから後はトラックの出発確認は頼むよ!11時までに絶対出発させてね!』


『はい!わかりました!すいません!ありがとうございます!俺はあと5分あれば終わります!』


あー頼むよ。俺倒れそう。来年には楽になってるのかな?とりあえず眠いけど報告書作成と店の給料計算しなきゃいけないよね。よし事務所に戻ってデスクワークだな。


『あっ!社長!お疲れ様です!9時便の3番のトラックなんですが商品が2ケース足りないそうです!』


『えー?マジかよ。3番は誰かな?中井さん!データ出してくれる?』


もうーマジで!それだけは勘弁だっつってんじゃん。


『今出したところです。高野くんですね』


『高野くんか。んーとりあえず高野くんの携帯鳴らしてくれる?』


『はい!社長!繋がりました!』


『もしもし?おはよう!高野くん!お疲れ!えっと今日の9時便の3番は高野くんがさばいて積み込んだのかな?』


まあデータ見れば君だってわかるんですけどね。


『おはようございます!お疲れ様です!はい!俺がやりました!』


『2ケース足りない商品があるんだよ。積み込む前に確認はしたの?』


『え?マジっすか。すいません!一応確認はしたんすけど』


『いや一応の確認ではダメだよ。しっかり確認してくれないと!その2ケースの為に誰かが走らなきゃいけないのはわかってるよね?無駄に人材と時間と経費がかかるんだよ。トラックに積み込んでしまったら終わりだからね!運転手は走るだけだよ。君達が責任持って積み込んでくれないと!次は気をつけてね!』


俺達がさばいた荷物を運ぶトラックが親父の会社であり今は俺が仕切りトラックの台数も倍以上増やした。親父に負けたくないからだ。だからもちろんその分仕事量は増えた。まだまだ増やすつもりでいるけどね。今の俺は親父の頃より稼いでいる。でも何も満たされはしないんだけどな。


『はい!すいませんでした!お疲れ様です!』


参ったな。誰に走ってもらおうか?井田くんしかいないよね。俺は井田くんの携帯を鳴らした。


『もしもし?井田くん?お疲れ!ちょっと申し訳ないんだけどミスが出て9時便3番のコース2ケース持って走ってきてくれないかな?えっと井田くんは早番だから持っていったらそのまま飯食って帰ってきてくれたらいいからね。悪いけどよろしく頼むよ!』


『はい!わかりました!確認して走ってきます!』


『ごめんね!走った分のガソリン代は請求してくれていいから往復の距離書いて中井さんに出しておいてね。じゃあよろしく!お疲れ!』


『はい!わかりました!お疲れ様です!』


このミスだけは本当にやめてくれ。無駄に人材と時間を取られるのが1番痛いんだからね。はぁーマジしんどい。俺大丈夫かよ?

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