表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/50

日常生活1

兄弟の日常生活を通して兄弟達がお互いを思いやる兄弟愛が伝わればと思います。


兄弟や友達のいる良さ、ありがたさを知る心を日常生活の中から見つけてみる作業が自己を見つめる作業へと繋がり自己を見つめる事で他者を認めるのかな。


『いつか君に届け』『星空の下で』で登場する者達との絆と共に描きます。

俺は仕事を終えシャワーを浴び弟達の朝飯をまったく手慣れない手つきで作り弟達を起こすところから一日が始まる。始まると言うのか一睡もしていないからむしろ弟達を無事学校に登校させて俺の長い一日がやっと終わる感じだ。しかし毎日終わりが来るとは限らない。学校へ送り出し俺もすぐに仕事へ行くなんてのもザラだ。48時間起きたままなんてのはよくある事でありどれほど寝ていないのかわからなくなる時さえもある。


『悠之心!起きろよ!時間だぞ』


『うん。おはよう慶兄』


『おはよう!悠!龍と虎を起こして着替えさせてくれよ!』


悠が起きたからあとはパンを焼けばなんとか朝飯完了だな。


『うん。わかった』


『龍!虎!朝だぞ!起きろ!早く!』


俺はお前らと違って寝癖直すのに時間かかるんだよ!


『おはよう!悠兄!』


『おっ!龍!起きた?虎を起こして着替えて!服はここに出してるからな!』


よし!龍が起きたら虎の事は龍に任せよう!


『えー?虎は起きないよー!』


『俺だって学校行く準備しなきゃいけないしとりあえず寝癖直したいから虎を起こしてからおりてきてよ!』


『もう!虎!ねえー!虎!起きて!遅刻しちゃうよ!虎ってば!もう知らないよー!』


『悠!朝飯出来たぞ!龍と虎は?』


『えっ?まだ?龍は起きたから虎を起こして降りてこいって行ったんだけど。あっ!おい!龍!虎は?起こせって言ったじゃん!』


何やってんだよ!


『知らないよ!虎は起きないもん!慶太郎兄ちゃん!抱っこしてー!』


『はいはい。龍!おいで!お前ら早く飯食って!俺が虎を起こしてくるからね!』


『はーい!いただきまーす!』


はぁー。眠いのは俺の方だよ。21歳にしていきなり3人の子持ちかよ。弟だけど。まあもうすぐ22歳になりますけどね。16歳で実家を飛び出した俺は21歳で再び3人の弟達との実家暮らしが始まった。俺には弟が4人いる。俺はこの家の長男だ。二男の慎二郎は18歳の医者を目指す大学1年生。大学近くのマンションに一人暮らしをさせている。慎二郎と俺は母親が同じだ。俺が実家に戻る事になったのは下3人の弟達の母親つまり俺のお義母さんが事故に会い亡くなったからだ。俺達の親父はお義母さんの事故後消息不明となった。チビ達と会社を頼むと一方的な電話よこし突然姿をくらましやがったのだ。母親が違うとは言え俺のかわいい弟達だけで暮らさせるわけにもいかず俺は今4人の弟達の生活を支える一家の主となった。三男の悠之心はこの春小学5年生になったばかり。母親を亡くしてまだ2ヶ月だ。辛いと言わないこいつが心配ではあるけど俺の仕事が忙しい為、悠に頼る事が多くチビ達の兄貴だけに我慢させていることだろう。最近寝癖を気にするクールな三男坊は俺によく似ているように思う。小学1年生になったばかりの龍之助と虎之助は双子の甘えん坊だ。俺と暮らした記憶がこいつらにはない。俺が15歳の時に生まれてその半年後に俺は家を飛び出しているからな。店を経営するようになってから俺が誕生日プレゼントを買ってやっていたからおもちゃを買ってくれる兄貴である事は認識しているが双子と言っても顔はそっくりだけど性格は違う。とくに虎之助は手がかかる。まず朝起きてこない。こいつも俺によく似てる方なのかな?


『虎!起きて!朝だよ!ほら学校行かないと!虎!起きなさい!虎之助!起きろっつってんだろ!』


こんな事で無駄に時間食わさないでくれよ。


『い、いやー眠たい!学校行かない!僕、休む!』


『ダメ!ズル休みはさせない!早く起きろ!お尻叩こうか?』


はぁー。またお前はお仕置きさせるのか?


『いやー!休むの!ねむたいよー!いやだ!』


『虎!もう時間ないよ!起きないんだな?じゃあお仕置きするしかないね。言ってもわかんないんだもな』


お前も俺と一緒でなかなか学習しないね。


『い、いやだー!いったぁーい!うわぁーん痛い!いや!痛い!お、起きるよー!いたーい!いやだーうえーん!っく、うっく』


『起きるの?虎!学校ちゃんと行くのか?』


どうせ行くんだからいちいちグズるんじゃないよ。学校楽しんでいるくせに朝が弱いだけで起きるのがめんどくさいだけだろ。


『っく、い、行く!うっく、ふぇっく』


『はい。じゃあおいで!抱っこしてあげるから』


とりあえずすぐ泣くのも俺と一緒だ。俺も幼稚園の頃まではグズって行かないと言いお尻を叩かれ泣いていた。


『っく、うっく、う、うん!ひっく、っく』


『はい!もう泣かないの!虎!早くご飯食べないと遅刻しちゃうよ!』


本当に頼むから早くしてくれ。遅刻させずに登校させるまでが俺の任務なんだよ。


『っく、け、慶太郎兄ちゃん、だ、抱っこしてよーっく、うっく、ひっく』


『抱っこしてるじゃん。下行くよ。虎!ご飯ちゃんと食べようね』


あー虎の涙と鼻水で服が汚れる。洗濯物が増えるんだよー。まあどうせスーツに着替えなきゃいけないからいいんだけどね。とりあえず抱っこをしなければ泣きやんではくれない。まあ泣かなくても毎日抱っこをするのは決まり事のようになっているんだけど。なんでお尻叩かれたかわかってんのか?お前はたぶんわかってないよね。すぐに忘れるところも俺と一緒だ。でも俺はこいつらがかわいくて仕方がない。だから毎日心配事はつきないんだよな。無事学校から帰ってきたのか?俺の留守中大丈夫なのか?とね。甘やかし過ぎず愛情を与えるって本当に難しい。むしろ俺は甘やかしているに違いない。


『っく、うん!』


はぁー。これが毎日続くかと思うと目眩するな。こんな生活が早くも2ヶ月を過ぎようとしている。俺の体は持つんだろうか。俺は16歳の夏休み前にこの家を飛び出し17歳になる頃知り合いの勧めもありホストの仕事を始め19歳で店を経営し2店舗を持ち大方店の方が安定してきた20歳の時には物流の会社を設立しまだ今年二年目ってとこで親父の運送会社まで押しつけられた。店は親友の大輔に任せっきりになっているが元ホストだけに誕生日やクリスマス、バレンタインデーには俺の客が訪れる為ホストの仕事もしなければならない。俺の物流会社に親父の運送会社を組ませ仕事を取った分大きい仕事だが朝から夜中まで倉庫は稼働し早朝にはトラックの第1便が出発する為俺の帰りは朝5時30分から6時の間だ。帰ったらシャワーを浴びチビ達の朝飯を用意し悠!龍!虎!を学校へと送り出し1、2時間の睡眠を取り現場の事務所へと向かう。下手したら睡眠も取らず現場へと向かう事もあるんだ。よく2ヶ月持ったな。会社が落ち着いてくるまでこの生活が何年続くんだろう。弟達の学費や生活費が俺の稼ぎにかかっている。でもこいつらを立派に育てる事が今の俺の生きがいにはなっているように思う。こいつらの為に俺は頑張れるんだ。お義母さん!心配しないで下さい。俺がちゃんと育ててみせますから。龍と虎の入学式は俺が代わりに行きました。ランドセルを背負った龍と虎かわいかったでしょ。お義母さん楽しみにしていたんだよね。そっちからちゃんとこいつらの成長を見てやっててください。


『慶兄!俺も慶兄みたいに髪きりたい』


やっぱ髪型も大事でしょ。


『はいはい。日曜日に連れて行くから日曜まで待ってくれ』


とりあえず俺が休みと言うか時間を作れるのは日曜だ。倉庫事態は年中無休なわけで仕事がないわけではないが一応土日は物流が少ない分なんとか日曜だけはこいつらとの時間を大切にしようと心がけている。


『わかった』


『悠!おしゃれに目覚めて好きな女でも出来たのか?』


君は最近やたら寝癖を直すのに時間かかっているよね。


『別にそんなんじゃないよ。ダッサイよりかっこいい方がいいじゃん』


『そうですね!ほら!お前らもうすぐ時間だよ!悠!ちゃんと龍と虎を連れてってよ!』


本当に毎日無事学校に到着しているのか心配なんだよな。たかだか子供の足で15分ぐらいの公立小学校なんだけど。


『うん。わかった』


『龍!虎!忘れ物はない?宿題はやったよね?』


『うん!僕はやったよー!』


『虎は?』


問題はお前なんだよ。


『やってないよー!』


『はあ?なんでやってないの?しかもやってないのにお前はなんで開き直ってんだよ!悠!ちゃんと宿題やらせろって言ったよな!』


もうーマジか!勉強しろとまでは言わないけどみんながやるべき宿題ぐらいは最低限やってくれよ!


『いってぇー!やれって言ったよ!なんで俺が怒られんの?』


頭叩かないでよ!せっかく髪型整えたのに!つうか虎は結局やってなかったのかよ!?


『お前!俺が夜いないんだからしっかり弟の面倒ぐらい見とけよ!何してたんだよ?ゲームだろ?俺が電話を入れた時虎は宿題をやってるってお前は言わなかったか?』


完全に適当な事を言いやがったな。


『言いました』


やべー。もうーなんで虎はやってもねーくせにバカ正直に言ってんだよ。


『お前明日お仕置きな!今日絶対やらせてチェックしとけよ!』


『はい』


最悪だ。最近俺もお仕置き増えてる。


『虎!お前も明日お仕置きだからな!宿題だけはちゃんとやりなさいって約束しただろ!約束を破ったお仕置きを明日するからね。今日はちゃんとやりなさい!わかったの?』


まあ素直にわかったとは言わないよね。


『いやだー!』


『いやだじゃねーよ!約束した事はちゃんと守りなさい!はい!もう時間ないから早く行け!行ってらっしゃい!』


『行ってきまーす!』


『悠!龍と虎が飛び出さないようにちゃんと気をつけて見ててよ!行ってらっしゃい!』


本当に頼むぞ悠之心!俺は正直お前らに運転手をつけたいぐらい心配なのを我慢しているんだ。公立小学校に専属運転手は普通じゃないんだろうからな。


『わかった!行ってきまーす!』


学校行ったー!疲れるな。あーヤバイ!俺も着替えて行かないと!今日は寝れないですね。しんどいなー。壮ちゃん!俺もちょっとは大人になってきたかな?壮ちゃんがいなくなってからもいっぱい怒られるような事を俺はしてきた。でも今やっと自分で稼いで弟達の面倒も見れるぐらいになったよ。そっちに行ったら悪さした分のお仕置きはちゃんと受けます。今、俺には大事な守りたい者達が出来たからもうちょっと頑張るね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ