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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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この世界、やけに死亡フラグが多くない?

作者: 地下道
掲載日:2026/06/22

 俺は転生した。

 世界観はザ・スチームパンク。

 蒸気銃やらが発展していてもの凄くカッコいい。機械マニアとしてはそそられる。


「……俺、祖国に帰ったら結婚するんだ」

 パァーン!

「いいじゃん。俺、まだ生まれた子供の顔を見てないんだ」

 パァーン!

「ほら、見てくれよ! 家族の写真!」

 パァーン!

「さっきから、銃声聞こえない?」

「問題ない。気のせいだ」

 パァーン!

「大丈夫だ。肩先をかすめただけだ」

 パァーン!

「大丈夫だよ。敵はあの弱小国家だよ?」

 パァーン!


 これが日常茶飯事だ。

 誰かが何か死亡フラグを立てるたびに、誰かが死ぬ。俺以外の。


 これまでで見たことがある面白いのを挙げるとすると、

「そういえば、爺さん、この戦地で定年でしたよね?」って聞いたはなから爺さんが死んだり、

「頭を下げろ、そしたら生き残れる」ってアドバイスしてる人とか、

「……やったか!?」って、顔上げたり、

「砲撃がやんだぞ!」と言って塹壕から顔出したり、








 うん。この世界、死亡フラグを多すぎない!?

 







 そんな世界で俺は志願兵をやっている。

 常に最前線地を盥回しにされ、俺の周りの人々は(死亡フラグを連呼して)次々と死んでいく。そんな課で生き残り、ついた異名は『不死身』。

「おい、ちょっと来い」

 隊長に呼び出された。

「戦争が終わったら伝えようと――――」

 隊長が狙撃された。

 すごい。フラグ回収まで一秒なかったよ。

 もう少し早く伝えておいてくれよ……。

「何だ何だ!?」

 銃声を聞いた他の奴が走ってきた。

「まさか、お前が()ったのか!?」

 確かに、状況を見ればそうだ。

 残されたのは小銃を持ってる俺と銃で撃ち抜かれた隊長。

「貴様ぁ! この最新鋭の三十六ミリ式銃の――――」

 死んだ。

 隊長と同じくフラグ回収までのカウントダウンが容易だったよ。

 自分の持っている装備を自慢すると死ぬのはベタすぎでしょ。

「貴様、何をやっている!? 持ち場に戻れ!」

 呼び戻された。


「今日は簡単な作戦だ。第八小隊が左から回って、囮となれ。その間に第六分隊が総攻撃をかける!」

 成程。第六分隊の持ち場は集団自殺会場ってことか。

 絶対合流できないやつじゃん……。


「敵の攻撃は軽微だ! どんどんのぼ――――」

 何か、声張った奴が撃ち抜かれた。

「敵は疲弊してい――――!」

 残念。俺たちも疲弊してまーす!

「こんな攻撃、俺の計算にはなか――――!」

 メガネ君、死亡を確認。

 上記三人含めて、死亡フラグは最後まで言わせてやろうぜ。せめて。

「おいおい……。嘘だろ……嘘だろ……。俺はこんなところで死ぬわけには――――!」

 フラグ立てから五秒足らずでの死亡。

 俺はスナイドル銃を構えて前進。

「けッ、馬鹿な奴め。この一度も撃たれた事のない鋼の肉体を持つ俺を殺そうとは、いい度胸じゃね――――」

 注釈:このフラグは敵にも通用します。

 上っていた崖を制圧して、俺の部隊が丘を駆け上がった。


「何人死んだ?」

 パァーン!

「十五人だ……。思ったより少ないな」

 パァーン!

「……だが、俺たちは生き残った! 祝杯だ!」

 祝杯(水)が地面に転がり、血液と混ざった。

「にしても、明後日退役なのに、なんでこんなに面倒くさい任務を――――」

 退役ネタ二周目。

「おいおい、見ろよ! これ、あの新式の試作蒸気戦車じゃねぇか!」

「あー、あの?」

「そうそう。ちょっと乗ってみようぜ?」

 そう言って、二人くらいの兵士が、鹵獲した戦車に乗り込んだ。

『蒸気圧が高いな』

『問題ない。少し高いだけだ』

 戦車が爆発した。

 多分、絶対、大丈夫じゃない数値を『大丈夫だ』って言っちゃったんだろうな。

 だが、なにはともあれ、この丘は制圧した。

 俺たちの勝ちだ!

 どこかで誰かが死んだ音がした。

 おそらくは俺の発言の所為で。



「いい戦いだったな。君、名前は?」

「レイ・アルスター」

「へー、今日はいい指揮だったよ。君の隊だけでこの丘の大部分が制圧された。君とは国に帰ったら酒を酌み交わし――――」

 今で良かっただろ……。何で国に帰る必要性があったんだろ。



「次の作戦は、あの東の敵陣地を落とす作戦だ! 今回は最新鋭の蒸気戦車を投入している。レイの率いる第二分隊はこれで攻撃をかけろ!」

 成程。俺に死ねというんだな?

 前の隊長が死んで部隊を引き継いだはいいけど、死にたくはないよ?

 鮮血が舞った。

 あ、フラグ踏んだ~。

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