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ガチャガチャジャラジャラ

掲載日:2026/03/12

ガチャガチャって楽しいですよね。シュールなものから可愛らしいものまで沢山の種類…

ついつい夢中になってしまいます。今回はそんなカプセルトイのお話。

 夏休み中。私はお小遣いを持ってゲームセンターに向かっていた。好きなメーカーのメイク品のミニストラップガチャが出たらしいのだ。私は可愛いストラップには目がない。お目当ての物が出るまでダブっても続けるつもりだ。

もう少し歩いて行ったカラオケ屋の隣に、ゲームセンターはある。

「あー!待ちきれない!」

つい走ってしまう。すると、

「…?」

道の端にネズミの着ぐるみがお店の前で看板を見せたり、小さな子供に風船を配ったりしていた。

こんな暑い中、しんどそうな様子もなく子供と喋っている。

(一体何屋さんなんだろ…)

少し見てみてもいいかも知れない。そう思って近くに寄ると、そこはゲームセンターだった。

黄色いパステルカラーの着ぐるみのネズミは愛想よく話しかけて来た。

「こんにちは!ゲームしに来たのぉ?」

私は少し戸惑った。確かに、ゲームはしたいけど…

すると、ネズミは明るく言った

「ガチャガチャコーナにね、新しいのが追加されたんだよ!結構人気なんだよねぇ。早く行かないと無くなっちゃうかもねぇ」

もしかして、ここでも取り寄せたのだろうか。それに、早く行かないと無くなっちゃうって…

「ありがとう!」

私は早速店の中に入った。子供達が楽しそうにゲームをしている。

クレーンゲーム、コインゲーム…沢山のゲームがある中にガチャガチャコーナーはあった。

(あった…!)

けれど、見た目がどれも真っ黒でどれがどのガチャガチャなのかは分からない。しかも大きさがかなり大きい。

ため息をついて離れようとした時黒いガチャガチャには全て名前が書いてあることに気づいた。

『前沢 亜由』…私の名前だ。

他のガチャには…

全部人のような名前が書いてある。

何これ…やってみようかな。

横から中を見てみると、カプセルが山ほど入っている。

コインをいれる投入口があるけれど、いくらなのかは書いていない。困っていると、

たまたま近くを通りかかったウサギのぬいぐるみがいた。教えてもらおうと思い私は話しかけた。

「すみません、このカプセルトイ、コインをいくらいれたらいいか書いてなくて…」

するとウサギは、楽しそうに返事をした。

「コイン?あぁ、あそこに自販機みたいな機械が、いくつかあるでしょ?そこで何枚欲しいか好きな数字を選べばいいんだ〜そのカプセルトイは1回3枚だよ!じゃあ、ボクは写真館に戻らないといけないから失礼するね〜楽しんで!」

教えてもらった通り、確かにいくつか黒い長方形の自販機のような機械がある。

液晶画面には、『好きな数字をお選び下さい』と表示されていた。

それぞれ10、50、100、500と表示があり私は10枚を選んだ。

ジャラジャラジャラとコインが出てくる。どうやらお金は必要ないようで数字を押せばゲーム用のコインが出てくる仕組みらしい。

コインを小さいゲームコイン用のカゴに入れ、私はさっきのガチャガチャを回すことにした。

3枚コインをいれて、回す。

 ギギギッガッチャン

と音がして中からカプセルが出てきた。

(何が入ってるのかな…)

ワクワクしながら開けると

「え?!ウソ、これ欲しかったストラップ!」

可愛いメイクのストラップが出てきた。しかも、絶対ゲットしようとしたお目当てのやつだ。

「すごい…!他には何が入ってるの…?」

また3枚いれて回すと、今度はかなり大きめなカプセルが出てきた。開けると、中には欲しかったキャラクターのぬいぐるみが出てきた。

「そっか…!だから取り出し口が大きいのか…!」

次はなんだろう…ガチャンと出てきたカプセルの中には紙が1枚。

『はずれ』と書かれてあった。どうやら欲しかったものが入っているけど、それなりにハズレもあるらしい。あっという間に10枚のコインはなくなり、最後の1枚のみになってしまった。

「もっとコインを手に入れなきゃ」

私はさっきの機械から今度は50枚にしてコインをゲットした。


やっていくうちに、私はいろいろな物を手に入れた。スマホの動画でバズっていた食べたかったコンビニの期間限定お菓子、綺麗なキャラのコラボシール、ハート型のヘアブラシ…けれど、やっぱりハズレも多く引く。

たけど、もっと、もっと、もっと欲しい物を………



 どれくらい店にいただろう。ハッと気づいた時には当たりに人はいなかった。けれど不思議な事に子供の服がそこらかしこに散らばっている。

「…え?なにこれ。」

現状を理解できていない私の前に入り口にいたネズミと同じようにヒヨコの着ぐるみを着たスタッフさんが通りかかった。

「あ、あの!」

声をかけるとヒヨコはくるりとこちらを振り返った。

「あ!まだ残ってたんだキミが最後かなぁ」

私はこれがどういう状況なのかとやけに明るい声で話すスタッフさんに聞いた。スタッフさんは私の肩に手を置いて答えた。

「お支払いをしてもらっただけだよ!さぁ、キミもお支払い」

店員さんに触れられた時、急に肩が軽くなった気がした。

バラバラバラバラバラバラバラッ

何かが落ちた音がして床を見るとそこには大量の黒いカプセルトイがあった。まるで私の手から大量のカプセルが落ちたみたいに。

「…あれ?」

見ると『私の肩から下がない』

どういうこと、?支払いっていうのは、まさか…

「さぁお支払いお支払い」

ヒヨコの店員の後ろからもゾロゾロとクマやネズミ、ウサギ、ロバ…沢山の着ぐるみが姿を表し私に手を伸ばす。

「嫌!嫌!出して!出して!たすけ」

バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ


いかがでしたか?ゲームには、夢中になりすぎるがあまり周りのことに気づかなくなってしまう恐ろしさがあります。

…もっと早く気づいていたら助かったかも知れないのに。

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