表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

大学でも恋人ヅラしてくるんですけど!?

 


翌朝。目覚ましが鳴る直前、俺は夢を見ていた。

隣人の自称元カノに、なぜか炊飯器で頭を殴られるという意味不明な夢だ。


これは……予知夢だったのだろうか。


 


「空くん、起きて〜♡ 朝ごはんできてるよ〜♡」


 


まさかの、本当にいた。

朝の五時半、俺のキッチンに、フルメイク済みのカレンがいる。


 


「は?何してんのお前……。鍵閉めたよな?」


「うん、ピッキングした♡」


「犯罪だわ!!!!!!!」


「嘘だよ〜。朝のゴミ出ししてたら、ちょうど管理人さんが通っててね、あとはお察し♪」


「管理人今度焼き土下座な!!!」


 


テーブルには、味噌汁・焼き魚・ほうれん草のおひたしという完璧な和朝食が並んでいた。


「え、すご……クオリティ高……」


「ね?ほら、“嫁力”感じた?」


「嫁力で家庭侵略すんな!」


 


その後、俺は半ば強引にカレンと共に登校することに。


当然、学内はざわつく。


「芦屋……女連れてんぞ」


「うわ、めっちゃ美人……え、あれ彼女?マジ?」


「いやいや、芦屋が女と!?そんなバカな!」


「おい、俺たちの空が……」


「天に召されたんだよ、あいつは……」


黙祷やめろ。


 


案の定、友人たちにも囲まれた。


「なあ空、説明して? どゆこと?」


「どゆことって言われてもな……」


カレンは満面の笑みで言った。


「元カノで〜す♡」


 


……爆弾投下かよ。


 


「まさかの元カノ!?過去にそんな子いたか!?」


「おい空、お前リアルギャルゲーしてんのかよ!」


「ふざけんな、こちとら人生ずっとノベルスキップモードだわ!」


 


そんな中、なぜか講義中にも俺のLINEにカレンからメッセージが。


『今日の下着、いちご柄だよ♡』


 


講義中に送る内容じゃねぇ!!!

しかも俺のスマホ、音出た。通知音が「ぽよん♪」って鳴った。地獄。


教授の視線が鋭い。

隣の席の山田は俺を見る目が完全に“そういう人”になっていた。


 


──このままだと、俺は大学生活を失う。


 


放課後、耐えきれず問い詰める俺。


「いい加減にしてくれ!! 俺は普通の、地味な恋愛童貞なんだよ!!!」


「え〜、知ってるけど?」


「知ってるんかい!!」


「でも、空くんは私のこと、嫌いじゃないでしょ?」


「いやそれは……嫌いじゃないけど、でも……」


「じゃあ、いいじゃん♡ それで。

私、“彼女ごっこ”じゃなくて、“本気”だからね?」


 


……え。


カレンは、冗談っぽく笑いながらも、その目だけは真剣だった。


その瞬間、俺の心臓がドクンと跳ねた。


まって、なにこの鼓動。

やばい、これ──恋じゃね?


 


俺はとっさに叫んだ。


「お前、ほんとマジでヤバい奴だな!!!!」


「うん、それは自覚ある♡」


「開き直んな!!!!」


 


こうして俺の“元カノヅラ隣人との学内戦争”は、ますます混迷を極めることになるのだった。


 


──次回、「童貞、風邪をひく。ヒロイン、嫁力MAXモードに突入」

熱に浮かされた俺に、カレンがまさかの看病&ときめきフルコンボ!?マジで死ぬ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ