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この隣人、勝手に俺の元カノ名乗ってくるんですけど!?

一人暮らしに憧れた理由?

そりゃ決まってんだろ。自由だよ、自由!


深夜にラーメンを食おうが、パンツ一丁でアニメを観ようが、誰にも怒られない。

母ちゃんもいない、妹に風呂を先取りされることもない。

天国かよ、この生活。


俺の名前は芦屋空。大学二年。

部活もしてない、サークルも幽霊、恋愛も経験ゼロ。

いわゆる“モブ系男子”──の皮をかぶった、“いじられ系ツッコミ担当”である。


男友達からは「ノリがいい」「顔芸が豊富」「妙に声が通る」と評され、やたらとモテる。男から。

女子?無理。話しかけられただけで体温2度上がる。


そんな俺のささやかな幸せは──その日、唐突に崩壊した。


 



 


バイト帰り、スマホで動画観ながら玄関の鍵を回す。

靴を脱いで、スリッパに足を通した瞬間、鼻に届いたのは、スパイスの香り。


ん?なんだこの……めっちゃいい匂い……。

カレー? いや、俺カレー作った記憶ないぞ?


リビングの明かりはついてる。

あれ、おかしいな。出かける前に消したはず──


「おかえりなさ〜い、空くん♡」


 


──知らん女がいた。


 


「……え、え?」


まじで一瞬、自分が間違えて隣の部屋に入ったのかと思った。


でも違う。そこには俺のソファ。俺のちゃぶ台。

そして、俺の家でカレーを煮込んでいる見知らぬ美少女。


美人だった。めちゃくちゃ。


肩までの黒髪に白い肌、ほどよく整った顔立ち、スタイルも良い。

アニメのヒロインを実写化したらこうなりそう、みたいな。


だけど、誰やお前!?


 


「は?え?何してんの?」


「ごはん作ってたの。カレーだよ、空くんが好きなやつ♡」


「いや、カレーは嫌いじゃないけど、お前誰!?」


「えー、ひど〜い。元カノなのにぃ♡」


「記憶にございません!!」


 


俺は急いでスマホを取り出す。通報しようとした、その瞬間──


「あ、ちがうちがう、通報は待って!空くん!落ち着いて、私!隣の部屋に引っ越してきたの!」


「………………は?」


 



 


数分後。状況はこうだ。


目の前の女は、**藤堂カレン(とうどうかれん)**と名乗った。

ついさっき、俺の部屋の隣に引っ越してきたらしい。

その足で挨拶しようとして、俺が帰ってくる前に合鍵で──


「え、ちょ、合鍵!?どっから手に入れた!?」


「管理人さんがくれた♡」


「嘘だろ!?管理人なにやってんの!?」


「“彼氏の部屋にごはん作りに行きたい”って言ったら『青春だな〜』って」


「青春の使い方間違ってるわ!!」


 


俺が頭を抱えてうずくまっていると、カレンはケロっと笑いながら、


「ねぇ空くん、これ“思い出の味”だよ。小学校のとき、二人で作ったカレー、覚えてない?」


「覚えてるわけねぇだろ!!!」


 


俺の人生、なんか知らんけど、

急にギャルゲーの裏ルートに突入した気がするんだが……!?


 


──次回、「俺、大学でも元カノに追い詰められるってマジ?」

 爆誕する“元カノ(自称)”、大学を荒らす。芦屋、精神崩壊寸前!

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