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2話目「転生の事」

 そもそも、転生とか転移は、何故起こるのか?



 そんな疑問を君は覚えた事はないかな?


 まぁ、その疑問がどう解決しようが、現実に転生とか転移しちゃったんだから、どうでもいい。って思うかもしれない。


 私もぶっちゃけ、あまりどうでもいいって感じだ。


 なっちゃったものは、仕方がないじゃないか?


 でも、一応、少しは疑問に思った。


 だから、以前、龍に聞いた事がある。



 龍だ。



 君の元いた世界ではどうなのか知らないが、私の元いた世界では、伝説上の生き物だ。


 だが、この世界では、普通に居た。


 いや、普通と言っても、あちこち、どこにでも居るような存在ではない。


 一応、その存在は相当珍しいらしい。



 でも、私は会ったのだ。


挿絵(By みてみん)


 それがまた、私が女神と呼ばれる所以でもあるんだけれど。



 ちなみに龍がいたのは、このエーシャギークを含むイヤィマの島々を超えた西にある、クォタの大島の山中だ。



 もともと噂があった場所なのだが、本当に出会った時は、さすがにブルッた。


 だって、全長は軽く10メートルは超えて居そうな、超巨大個体なんだもん。


 イメージは元の世界で、私が生きて居た文化社会の伝統的な奴に近い。



 いわば大蛇型だ。



 そう、あれだ、ボールを8個集めると、女子の下着を出してくれる感じの奴だ。


 ん?


 8個じゃなくて、7個だっけ?


 元の世界の事だから、ちょっと記憶が曖昧だ。



 あ?


 君に言ってもわからないか?


 君は私と同じ世界から来たとは限らないからな。


 ていうか、その可能性はほぼほぼ無かったんだった。


 まぁ、ならば気にしないでくれ。



 ちなみに、その後知ったのだが、龍の形は、実は私の持つイメージに由来するらしい。



 で、龍に出会って、ビビっていると、意外にも紳士的な対応をされ、普通に会話する事となった。


 ので、それに乗じたというか、なんと言うか、色々な話題の一つとして聞いて見た。


 聞いて見たというか、そもそも、龍側が言い出したのだ。



「お前は…転生者だな」



 って。


 隠しても仕方がないので、



「はい。」



 と答えた。



 てか、「転生者」という言葉をこの世界で最初に言ったのは、この龍だった。


 私は自分の中では自覚はあるけれど、他の者が「転生者」とか「転移者」だとか言っているのを聞いた事はない。


 あ、ムィン国から来た僧侶が、そういえば、生まれ変わりを説いていたけれど、それは世界をまたぐものではなく、つまりは、「輪廻転生」の事だった。


 だから、何やら、そのあたり、少しは知って居そうな龍に訪ねたのだ。



「転生って、なんで起こるんですか?」



 って。


 その時の龍の説明をかいつまんで言うと、ビッグバンが関係するんだそうだ。



 ビッグバンだ。



 龍は直に「ビッグバン」と言ったのではないが、私が元居た世界の言葉に直すなら、つまりは「ビッグバン」と言う事になる。



 ビッグバンっていうのは、宇宙の始まりの事だ。


 その時、宇宙の(ことわり)が生じる。


 どういう(ことわり)が生じるかは、千差万別なんだそうだ。



 私が元居た世界の科学とか、法則というのは、私が元いた世界のビッグバンによって成立したものだそうだ。


 この世界の科学、法則は、この世界のビッグバンによって成り立っている。


 龍がこの世界に居るのは、この世界の(ことわり)に寄るらしい。


 宇宙の外では、常々ビッグバンが起こっては消え、あるいは残るらしい。


 まるで泡が現れ弾けるような。



 う~ん。それともちょっと違うような。



 ともかく無数、無限のビッグバンが泡のように弾け、無数、無限の宇宙が生じているんだそうだ。


 その時、発生する揺らぎ?とかなんとか?よくわからないが、それによって、掬い取られた存在。


 それが転生者であり、転移者なんだそうだ。



 記憶というか意識が掬い取られて、違う世界の肉体に統合されるのが転生者。


 肉体丸ごと掬い取られて、違う世界に登場するのが、転移者だ。



 なんか前の世界でよく読んだ、異世界から魔法で召喚されました。


 的な話しじゃないんですか?


 というような事を聞いた所、そういう場合もあるかもしれないと龍は教えてくれた。



 つまり、魔法とか神力とか、そういう(ことわり)が発生する宇宙では、そういう意思を伴う力を通して転生者とか転移者を召喚するような事もあるだろう。


 と言う事だった。



 残念ながら、この世界の(ことわり)は、そうではないらしい。


 私は女神とか呼ばれているが、超常的な力がバンバン使えるわけじゃない。



 うん。



 バンバンは使えないけれど、そこそこは使えるが。



 まぁ、それは、またそのうち語るとして、私がこの世界に転生したのは、誰かの意思とか、思念が関係するものではなく、純粋にビッグバンが生じた際のゆらぎ的な力の影響らしい。



 この世界には、別の世界から誰かを召喚出来るほど強力な(ことわり)はないそうだ。



 ふぅ~んって感じだ。



 私は魂というか記憶がそのままこの世界に飛んで来た訳だが、元の世界の私がどうなっているのか?


 死んだのか何なのか?


 それはわからないらしい。



 パソコンで云うところのコピペみたいな感じだったら、元の世界の私は、普通に元の世界で暮らしているらしい。


 カットアンドペーストだったら、向こうの私の意識はすっ飛び、つまり、死んだか、植物人間状態で、私の意識はあっちでもこっちでも、唯一無二の存在だという事になる。



 ただ、宇宙が無限のビックバンによって生じるなら、私と同じような存在が、どこかで生じているかもしれない。


 同じ宇宙内でもどこかの銀河のどこかの恒星系に存在するのかもしれない。


 まぁ、考えてもせんない事だけれど、そういうどうでも良い事を考えるのは嫌いじゃないので、少し考え込んだ事がある。



 そもそも元の世界では男である自分を、自分と認識して、『我思(われおも)(ゆえ)我在(われあ)り』としていたわけなのだが、今や、私は女である自分を自分と認識して、『我思(われおも)(ゆえ)我在(われあ)り』としているのだ。


 珍妙な感じである。



 だが、私の精神は純然たる成人の男であり…成人というか、壮人というか…どうやら転生した肉体の性質にほぼほぼ影響されないようで、男が近づくとゾワっとする。


 一方で、女が近づくと、ぬほほほぉとなる。


 転生した意識が目覚めたばかりの頃、つまり4歳の女児だった直後から、それはまったく変わらない。


 だって中身はおっさんなんだから。



 おっさんの精神なのだから。



 だが、ぬほほほぉとなった所で、どう出来るものでもない。


 肉体的には、それ以上、高まる事はないのだ。


 ぬほほほぉでお終い。



 一方で、男が近づく時のゾワは半端ない。



 最初に父親のアーク・ハーティに抱き上げられた時は、身体中に鳥肌が生じ、マジで硬直してしまった。



 それがいくら父親だと言われても、私の中では、単なるムサイおっさんに過ぎない。



 というか、アーク・ハーティは、ウーマの島々でも、あるいは、ティオクや、イェームトと比べても、かなりのガタイで、体毛も濃かった。



 後で知ったのだが、南来(パテラー)人とのハーフらしい。


 ちなみに母親も南来(パテラー)人の血が入っているそうだ。



 いや、むぅ…。



 そのあたりちょっと色々複雑の事情があるのだが…。



 私が輝くような金の髪でかつ、透き通るような肌なのは、この両親の血統による。


 残念ながら、私の肉体は、むしろ、この島の住民らとは人種的に隔絶していると言って良い。


 まぁ、だから女神扱いになるというかなんというか。



 う~ん?



 話しがかなり脱線してしまったけれど、転生とか転移について龍から聞いた情報は、そんな所だ。



 それが本当かどうか?私は科学者でもなんでもないのだから、分かりようがない。



 正直、元の世界に戻りたいと思う事は度々あったが…いや、度々どころではなくあったのだが、元の世界に戻る事を妄想するより、現実に対応し、現実を改善した方が建設的な気がしたので、そちらを選んだ。


 そのあたりは私個人の性質なのか、男だったからなのか?



 これもわからない。



 でも、女になって最も幸いに思った事は、男のような劣情に苦しむ事がなくなった事だ。


 あ、いや4歳だったら、男でも関係ないけれどね。


 でも、その後の人生に影響したと思う。



 一方で、他人の恋愛話しには、奇妙に好奇心が高まるようになった。


 前の世界では、あまり興味なかったのに。



 解せぬ。



 私は本当に私なのか?


 などと哲学的になるのは、そんな時だ。

後で修正が入るかもしれません。

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