表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/36

14話目「神垂(カンダー)れ」

 さて、君、私は転生者だ。


 そして、前の世界では、立派な大人だ。


 たとえ、この身が4歳女児の肉体となろうと、私の本質に何が変わろうか!


(われ)(おも)(ゆえ)(われ)()り」なのだ。


 私が私である限り、それは私に他ならない!



 つまり



 子供じゃないんだから、いつまでも無理無理言っていも仕方が無いという事だ。



 じゃあ、諦観して何でも受け入れるのか?


 っていうのも違う。



 大人というのは、しっかり考え、上手に立ち回り、最大の利益を享受するようにするって事だ。


 全てのワガママ、要求は、必ずしも思い通りに、最短で通らないという事を理解しつつ、では、どうやったら、どういう道のりを通れば、目的に至るか?近づくか?思考を巡らせ、前進させるという事だ。



 それは君の元居た世界でも同じじゃないのかな?


 そりゃ、君の元居た世界と、私が元居た世界は違うとしても、この世界に転生して来たっていうのであれば、まったく全然異なる思想、思考という事はないだろう。



 と、いう事で、私はゴザの上でアレコレ考えた。



 まず、落ち着け。


 まだ、私は4歳だ。


 どんなに若く結婚話しがまとまるにしろ、いくら何でも、生理が始まらない限り、子作りはない。


 いや、変質者に拉致監禁されて性奴隷にされるなんて事も、考慮せねばならいが、それはイレギュラーだ。


 通常に置いて、すぐ結婚とかはない。これは間違いない。


 よし、それなら焦る事はない。


 じっくり対策なり方針を考えればいいのだ。


 とりあえず、安心しよう。



 安心したら眠くなって来た。


 昨日の製塩、今日のイベントである。


 4歳児にはシンドイ…かな?


 とりあえず…私は意識を飛ばす。



 で、気がついたら、夕方だった。



 いやー寝た寝た。


 ん?横に座っている人が居る。


 だ、誰?



「目覚めましたか。クィンツ。」



 女の人だった。


 見た感じ、20代半ばって感じだろうか。



 綺麗な人だ。


 それに、優しそうだ。私を見て微笑んでいる。



 私が着せられた様な白い上掛を着ている。


 ただし、私のようなガチャガチャの装飾品は掛けていない。


 ハチマキ見たいなものも無い。


 髪はお団子のようにまとめられているけれど。


 ちなみに髪の色は普通に黒だが…。



 祈女(ユータ)…だよね?



「叔母様…」



 女の人を見上げながら起き上がると、クィンツの記憶が勝手に口に出た。



 そうだ。「叔母様だ。」



 ただ、どういう関係の「叔母様」までは記憶にない。


「叔母様」と教えられただけだ。



 んー。



 母様の姉妹だろうか?…って事は親父の姉妹って事でもあるか?



「先日の神垂(カンダー)れでは、1晩寝込んだだけで済んだそうですね。良かったです。」


神垂(カンダー)れ…?」


「…覚えて居ないのですか?」



 何だ?


 何かあったのか?



「…!…クィンツ…神代(カヌ)られたのですね。」



 んん?


 何を言ってるんだ。



「兄様のおっしゃっている事は本当なんですね。それで塩を作られた。」


「にぃ様?」


「あら。あなたのお父様の事ですよ。ハーティ兄様です。」



 ああ、成る程。


 親父の妹か何かになるのか。


 でも、髪が黒いなぁ?


 容貌も…とても血が繋がっているようには見えない。



 あ、そういえば、



 祖母様は親父を産んでから、どこかに嫁いだような事をチュチュ(ネーネ)が言っていたな。


 それで、母様には、母違いの兄と、父違いの兄が居るんだった。


 するとこの人は、母違いの兄と関係ある人なのかな?


 という事なら、親父とは血縁じゃ無いって事か。


 兄様は義兄という事か。



 そこは納得したけれど。



神垂(カンダー)れ…って何ですか?」


「先日、御嶽(オン)で奉納舞をお稽古中に神様に打たれたのです。」



 ん?


 御嶽(オン)…?


 誰かに手を引かれて行った記憶があったけれど…。


 そうか、この人だった。


 思い出した。



「私も共に打たれ、意識を失って、目覚めたのが先日です。だから来るのが遅くなりました。ごめんなさいね。」


「いえ。叔母様もご無事で何よりです。」


「ありがとう…。あなたの歳で神垂(カンダー)れされた話しは聞いた事がないので、心配しました。でも、一晩で目覚めたのですから、問題ないですね。」



 叔母さんはニッコリ笑う。


 ホワンとする。


 なんだろう?このホワンは?


 叔母さんのキャラなのだろうか?


 祈女(ユータ)の特性なのだろうか?


 祈女(ユータ)の特性なら、私も他人にホワンとさせているのだろうか?


 鏡で見た時は「萌えーーーー!」って感じなのだけれど。



神垂(カンダー)れされた後は、引揚(ヒュク)をしないと行けません。」


引揚(ヒュク)?」


「クィンツ、神様への祈りの言葉も、舞も忘れちゃったのではないですか?」


「え?ああ」



 そう言えば、そうだ。


 私は祈女(ユータ)であるという記憶はあるけれど、具体的に何をするのか、覚えていない。


 というか、思い出せないのか?


 何か踊っていた覚えはあるんだけれども。



引揚(ヒュク)をすれば、大体は思い出せます。そしてあなたの力も揚がっているでしょう。」



 お!


 おお〜!


 来たよぉ!来た来た!


 魔法使い展開だぁ!


 異世界転生の定番だ!


 チートだよ。やっとチートが手に入るよ。



「嬉しいですか?」


「はい!叔母様」



 キット私の目はキラキラしていたに違いない。


 叔母様は苦笑する。



(まれ)に力が揚がらない場合もあります。あまり期待しすぎないでね。」



 アラ。なんだか上げて落とされたような感じだ。


 でも、「(まれ)」でしょ?「(まれ)



引揚(ヒュク)何時(いつ)するのですか?」


「もう祭りまで日が有りません。祭りの夜に併せて行いましょう」


「祭りの夜?」


「明後日ですよ。」



 うっひょぉ。明後日の夜かぁ。高まるぅ。



「ハーティ様がお戻りです。すぐ夕食になります。」



 ティガが伝えに来る。


 叔母さんは振り返ると



「こちらでも塩が使われるのでしょ?楽しみです。」



 と、呟いた。


 ん?叔母さんは塩を知っているのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ