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ふたりでいるときだけ

作者: Soraきた

たぶん、この先に答えという期待はないのだと思う

君の大粒の涙

それに似たコップについた水滴

5秒前の君のまなざし

冷めた空気

タイミングの悪い通り雨

それに似た君の涙

不器用な僕の言葉

言葉足らずで

ア行からナ行までの中から選ばせられた言葉

すべて、昨日までに捨てる勇気があったなら

今日このとき

今よりも変わっていたのかもしれないと

明日が金曜日で

あと一日、仕事を頑張れば

休みに入れるとか

お目当てのスイーツ屋さんのオープンが

近づいているとか

いいことを指折り数えてみても

今のこの状況では

思いも重いままで

変わらないとあきらめている

とまどいの時間

「何か言いたいことがあれば・・・・」

あれば、さっき言っているよと君

「今夜、あえて答えを出す必要はあるのかい・・・・」

今夜しか出せないこともあるでしょう、君

こころのなかで

語り合うふたり・・・

ぼくたちにとって

いつから

『ふたり』というのが

一人称になってしまったのだろう

お互いが自分だけの視覚で

物事を決めてしまうことを

いつから・・・

ふたりで得することも

たくさんあったのに

今は損することしか考えられず

ふたりで進む道も

手をつないで歩いていける道も

ひとりでしか通れないほどの

細い道に見えてしまう


この先の答えを求めるのなら

かえって

一人称のほうがいいかもね

そして、

その答えは僕がどれだけ手を伸ばしても

どんなことをしたって

とうてい、届かないところにやってしまえばいい



後悔と気づく前に

君と約束してゆく

ぼくは

この雨が止むまで帰らない

君の背中も見送らない

君の言葉も求めない

ぼくのため息がコップの水滴を

加速させようとするから

あわてて水滴を指でぬぐう

意外と冷たくて・・・

ぼくは

君のやさしさに感謝する

遠ざかる思いもそのままに

君を責めないでいる

それが

今夜、一人称の僕の答え



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