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死人(sibito)  作者: 山田健一郎
3/10

西表島

あれは夢だったのだろうか?

それとも幻覚だったのか?

確かに死神を感じた。

だが俺は西表島に行かねばならないという、心の声に突き動かされていた。

他の事はどうでもよくなっていた。そして西表島の夢に見た海岸の事をネットで調べた。


西表島は日本の最南端の熱帯の島である。

縦30キロメートル横40キロメートル、平地は面積の1割で残りの9割はジャングル。東洋のアマゾンとも言われている。人口は2000人程がいくつかの集落にわかれて生活している。


銀行も無く、警察署もでかい病院も無い。駐在所と診療所がある。

島の道路には信号機が一つしかなく、コンビニも無い。

買い物は村の協同売店で買うしかないとても不便な場所である。

目的の浜の近くに集落も無く、宿泊施設どころか電気、ガス、水道も使えないらしい。


俺はテント、寝袋、シート、ナイフ、ロープ、ファイアスターター、ポインズンリームーバーなど必要となる物を買い揃えた。

それらと替えの服など諸々を90リットルザックに詰め込んだ。

片手には釣り竿ケース(釣り竿2本と必要な道具)を持ち西表島へ旅だった。

西表島へは東京の羽田空港から石垣島に行き船で西表島の南の港へ向かった。


西表島に着いた俺は早速南の浜に向かって歩き出した。

今は7月、気温は35度、とても暑い。

紫外線がとてもつよい。さすが日本の最南端の熱帯の島だ。

どうやら10キロ程歩かなくてはならないようだ。

歩き出して30分もしないうちに身体が悲鳴を上げ始めた。

肩にザックが食い込んで痛い。身体がとても重い。足が痛い。

暑い熱い暑い熱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・


やはり中年の身には、とてもこたえる。最初の浜にたどりつくまでに3時間もかかってしまった。


やっとたどり着いた俺は呆然とした。感動で身体が震えた。

とてつもなく青い空、コバルトブルーの海。

夢に見た場所だ。

そして俺は海岸線沿いを西に向かって歩き出した。


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