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死人(sibito)  作者: 山田健一郎
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プロローグ

なぁ あんた知ってるか?

心臓麻痺って物凄く痛いって事を。

足つった事あるだろ? ふくらはぎつると痛いよな。

でも太もも攣るとその数倍痛いぞ。さらに両足の太ももの前と後ろ両側同時に攣るととんでもなく痛いぞ。

だがな、心臓が攣ると心臓に焼かれた鉄の杭が打ち込まれたような、とてつもない激痛を味わう。

とどめを刺される吸血鬼の気分が味わえる。


あの時俺はたぶん寝ていたのだと思う。

仕事を辞めて毎日浴びる程酒を飲む日々を送っていた。

気がついた瞬間には激痛で飛び起き、自分の胸をゴリラの様に両手で叩いていた。

そして身体を壁に何度も自ら叩きつけていた。

意識してやった事では無い。

身体が勝手に動いていた。そして俺は倒れた。

倒れて直ぐに身体が激しく痙攣し始めた。

昔インフルエンザをこじらせて肺炎になり、41度以上の熱を出した時を思い出した。

助けを呼ばなくては!

俺は「誰か救急車を呼んで下さい!」と叫ぼうとしたが肺の動きも停止していたため声が出せなかった。

意識が段々と薄れて来た。不思議と痛みや苦しみを感じない。

ああ、俺は今死ぬんだなと悟った。


俺はその時仰向けに倒れていたのだが、何か黒い気配が俺の頭に向かって近づいてくるのを感じた。

死神が来たのだと直ぐに悟った。

「嫌だ!まだ死にたくない!もう少しだけ待ってくれ!代償を払う!」

俺は心の中で思い切り叫んだ。

するとその黒い気配は小さく萎んで消え去った。

俺は意識を失った。



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