「2話-無所属の動静-」
無所属の人たちの動きはどうなのでしょう?
本編にもあまり出てこなかった、もしくは初登場のキャラの紹介が主です。
※約7,400字です。
※投稿が遅れて、大変申し訳ございません。
2018年4月某日 昼前
藍竜組 菅野、裾野と騅の部屋
騅
僕は腹時計を無視しながらノートパソコンの液晶を立て早速電源を入れると、すぐにweb小説のマイページを開いた。
それから閲覧数と閲覧人数を確認すると、ノンフィクションかつ世間を席捲した"BLACK"の当事者の文ということもあり、1話しか投稿していないのに1,000人も読んでくださっていた。
てっきり10人くらいだろうとハードルを下げていた僕は目を潤ませながら、次話投稿するのボタンをクリックし、キーボードに手を伸ばした。
今日は事件6日前の殺し屋の動静について書こうかな。
2018年 3月某日(事件6日前) 午後3時
藍竜組 情報課課長・鳩村の部屋
騅
3月も終わりに近づいたある日、僕は菅野さんに頼まれごとをされて情報課長の元を訪れていた。
その頼まれごとは、簡単に言うと……"BLACK"の生存者の数、藍竜組以外の人数の残り具合、無所属の動きなどを情報課長に訊いてきてほしいだ。
菅野さんは訊きだすのが苦手だからと僕に頼んだのだけど……元はと言えば、僕が言い出したことであったから、結局1つ返事で来てしまった。
鳩村涼輔さんは、裾野さんと同い年の25歳。僕と同じAB型で、銀色と黒を混ぜ込んだ髪を襟程まで伸ばし、誰もが目を引くほど病弱そうな白い肌は彼の苦労を映し出している。
だけど童顔で、柔らかい印象もある。それでも体の異様な細さと手の甲に浮き出た骨が、どうにも倒れそうだと本能が警鐘を鳴らす。
僕は鳩村さんの部屋の扉を3回ノックし入れていただくと、アールグレイの香りで肺が一杯になった。
部屋は落ち着けるような木目調で11畳程の広さがあり、生活するにあたって最低限のものはあるうえに、殺し屋の部屋とは思えない程温もりに溢れていた。
また、後醍醐家のように入ってすぐ一段上がる玄関がある為ここで靴を脱ぐことにはなるが、鍵付きの靴箱はあるもののスリッパは無い。
玄関すぐのリビングは何故か神棚などは配置しておらず、むしろ怪しい置物などがこたつのテーブルの上に置いてあったり、テレビデッキにもミミズが這ったような字の手紙が多数重ねられたりしている。
入って左奥にあるカウンターキッチンは清潔に保たれており、冷蔵庫まで木製……いやフェイクだろう。
ふと香りに釣られて目を遣ると鳩村さんが徐に振り返り、目を一度伏せてから会釈した。
「……よう、こそ」
鳩村さんは吃音持ちで、生まれつき病弱だ。
だが名前の通りというと失礼だが、無類の鳩好きが高じて屋上で飼っている。
そのうえ、出自が没落貴族という異例の経歴の持ち主。
「こんにちは。"BLACK"の生存者数、無所属の動きを訊きにきました」
湯気の立つマグカップを2つ持ち側を通り過ぎた鳩村さんを目で追いながら言うと、
「……うん」
鳩村さんは掠れた声で短く返事をし、こたつに置かれた偶像に目を遣り独りでに動かすと、
「ど、どう、ぞ……」
と、マグカップも音を立てずに置きながら目を泳がせ、手で上座を指示した。
マグカップは鳩の描かれた灰色のマッドっぽいものと、僕の目の前に出された金色でメタリック素材のそれは、どちらも外食先でよく見るものよりも一回り大きいように見えた。
詳しいことは分からないけど、裾野さん曰く亡霊を操れるらしい。
僕はぺこぺこ頭を下げながらこたつの布に身を潜らせると、鳩村さんはノートパソコンを机の上に置き、ぐいと垂直にスクリーンを立てた。
それから鳩村さんは、紫陽花色のオーバル型ブルーライト対応メガネをかけ、目にも留まらぬ速さで指を削るようにキーボードを叩いた。
「……早い」
そう呟いた僕は瞬きも出来ず、ただただ指を数秒遅れで追うことしか出来なかった。
2分ほど経つと、鳩村さんはぐるりと僕の方にノートパソコンを向け画面を指差した。
そこには膨大な文字が並んでいて、反射的に顔を背けてしまった。
「……ご、ごめん……」
鳩村さんはパソコン用メガネを外し、普段用で同じ型の黒縁メガネをかけると、こたつの毛布で首の下まで覆ってしまった。
「い、いえ! 目を通させていただきます……」
僕は文字の圧迫を感じつつも、綺麗に整頓された文章に目を通した。
簡単にまとめると、"BLACK"の生存者は50名をきっている。
藍竜組の殉職者も甚大だが、最も多いのは母数も然ることながらだが片桐組だ。
だが続いて佐藤組という、裾野さんの片桐組時代の元同期の組、というのは余りにも不自然だ。
……人数は藍竜組より少ないどころか、他10組の中で1番少ないのだ。
何の力が働いているのか、僕も気になるところである。
それと無所属の流れも不思議な点が多く、特に菅野さんの義兄に当たることになる如月龍也さん、神崎颯雅さんに刺客が放たれ過ぎている。
これは……まだ菅野さんとの幼子を世話している龍勢淳さんの居場所が狙いなのか?
いや、とりあえずこの件は置いておこう。
無所属の流れだけでも藍竜総長と菅野さんのお耳に入れなければ。
「鳩村さん」
僕は偶像と独り遊びをしている鳩村さんの背中に声をかけ、
「無所属の方の動きの中でいいので、映像はありませんか?」
と、続けて質問すると鳩村さんはノートパソコンを自分に引き寄せ何回かキーを叩くと、ちょうど2人の間にディスプレイを置いた。
「これ……石河……風音、の……」
そう言うと、監視カメラで事前に録画したと思われる映像の再生ボタンを押した。
石河風音さんは、人を殺さない、傷つけない怪盗として名が通っていて、たしか……まだ10代後半じゃなかったかな?
結び目から垂直に落ちる短いポニーテールが特徴で、露出の多い服装を好んでいるのとは裏腹に、主に一般の人からほぼ無償で依頼を受け、依頼主に盗まれた物を返したり、酷い目に遭わせた人から金目の物を盗んで依頼主への謝罪を要求させたりもしている。
所謂皆の味方という人だ。だが彼女を恨む人も居て、それは本来交わる筈の無い政治家である。
というのも、不正献金などの悪事を暴いて欲しいという依頼を一度受けた事があったのだが、それを本当に暴いてしまって失墜させたことがあるからだ。
それは同時に……政界と癒着している片桐組にも喧嘩を売ったことになり、"BLACK"には半ば強制的に参加させられている。
そんな石河さんの映像には、元依頼人と思われる女性とその子どもと話し込むものや、公園で子どもたちに混じって遊ぶ様子しか映っていない。
「……本当に優しい方なんですね」
僕は正しい事をしたのに不当な扱いを受ける石河さんに応援の目線を送っていると、鳩村さんの表情があからさまに曇った。
「……」
鳩村さんがそれから一言も言葉を発しない姿を横目で見ていると、監視カメラの存在に気が付いた石河さんが放ったレールガンの先端が光った映像で途切れてしまった。
「鳩村さん?」
僕はアールグレイに口を付けてから控えめに声をかけると、鳩村さんは豆鉄砲を喰らったような表情を浮かべ、慌てて次の映像に切り替えた。
「これは……太田、兄弟……分かる?」
鳩村さんは曇った表情のまま、一時停止された映像に映る2人の若い男性を指差した。
1人は如何にも寡黙そうな黒髪の和服の男性だが、もう1人は天然で隙のありそうな男性だった。
兄の太田紅平さんが恐らく前者だが、月をも斬れる程の大剣使いで噂ではとんでもない天邪鬼だそうだ。
とてもそういう風には見えないが……。って、天邪鬼は見た目では分からないか。
弟の雄平さんは二刀使いでこの人の周りには常に雨雲が漂っているという。
この2人は当時目玉”商品”であった菅野さんを人間オークション会場から拉致したが、裾野さんの機転により取り逃がし、それから裾野さんと菅野さんの相棒関係が始まった。
つまり彼らは人間オークション荒しでもあり、自ら経営もしている人物。
2人に関しては菅野さんに未だ執着している為、進んで参加したという。
そんな2人の映像は1秒も無かったが、裾野さんと話し込んでいる映像が流れたかと思ったらすぐに何かが当たって回戦が切れてしまったのだ。
「えっ」
僕が思わず身を乗り出すと、鳩村さんはアールグレイを飲んで落ち着いたのか、こう話してくれた。
「ふ、ふじ、どう……からすの、仕業……」
藤堂からすとは、片桐組の役員でいつも烏と一緒に行動する天才情報屋だ。
課長の鳩村さんでもハッカー対決では負け越している。
「藤堂さんは、裾野さんのプライバシーを守ったということですか?」
と、時間を置いてアールグレイを2口ゴクリと音を立てながら喉を温めると、鳩村さんは静かに頷いた。
「……」
僕は特に太田雄平さんが許せないでいる。
それは何といっても……”商品”の印に触れておきながら命令を口にしなかった。所謂形だけのマスターに留めておき、いかなる他人の命令を寄せ付けない狡猾さが……!!
……失礼しました。
どうしても菅野さんのことが心配で、つい……。
閑話休題。
僕はこれで無所属の動静は終わりだろうとアールグレイを飲み干すと、鳩村さんは僕の腕にそっと手を乗せた。
ハッとして鳩村さんの方を見ると、目で必死に制止しているのが読み取れた為、すぐに座り直した。
「まだ、なんだ……」
鳩村さんはちらちらと僕の様子を伺いながらパソコンを操作し、一時停止した映像が出されると……僕の目は限界まで見開かれた。
というのも、そこに映し出されていたのは…………僕が初めて殺人を犯した後、適当に入った家の……たまたま邪魔で殺した男女の…………息子だからだ。
見間違える筈がない。突発性難聴になった彼だ。第一発見者の新聞屋がたしか、彼ら家族の事を黒野さんといった。
あの殺意に満ちた目……僕に怯えていた姿……それがそっくりそのまま大きくなった姿だ……。
そうなると、今は……10歳から12歳ぐらいだろう。
背中にはヴァイオリンらしき楽器のケースが見える。
「は……?」
しかもその隣で不機嫌そうに見下しているのは、僕の異母兄弟で片桐組役員にしてスナイパーでトップの成績を誇る黒河月道……。
「……おん、せいも、……ある」
鳩村さんは気まずそうに再生ボタンを押しながら言うと、僕の分のマグカップを下げに席を外してくださった。
以下、覚えている範囲のそのときの会話である。
「……」
黒野は耳が聞こえない為、月道の肩を叩いて振り返らせた。
「……何?」
月道は不機嫌そうに黒野を見下し、手話で会話を始めた黒野に対し面倒そうな顔をしつつも会話を続けた。
……手話、出来るんだなぁ。
僕は感心しつつも、多忙の中いつ勉強しているのだろうと首を捻りつつ液晶に穴が開くほど見入った。
手話に関する知識は全く無いが、人間の作ったジェスチャー言語だから、後半にもなると何となく意味が掴めてきた。
ここからは僕の推測に基ずく会話だ。
「自分には音楽の才能がある。音楽で人の傷を回復させたり、逆に攻撃することも出来る。武器を直すことも」
……黒野の口調は分からないから適当だけど、内容は多分合っているかも。すると月道はケースを指差しながらこう言った。
「へぇ。回復能力は1人だけだと思ってた。どうやって耳が聞こえないのに演奏する訳?」
月道は喋るとちょっとキツい口調だ。だけど黒野は子どもらしいあどけない表情を浮かべた。
「心で演奏するんだ。元からヴァイオリンはやっていたから、音は分かる……能力に関しても実績あるんだから」
僕は力強い笑顔の向こうに恨みを感じながら、黒野の次の言葉……いや手話を待った。
すると彼は急に殺意全開の顔に豹変し、
「だから、自分と一緒に騅という男を殺してください。あいつが妬ましいんです、死んでほしくて死んでほしくて死んでほしくて――」
と、指を折りそうな程の強さで指を組んでいたが、ここまで手話でも繰り返されると心がぞわっとする。
だが月道が黒野の頬を平手打ちし、転ばせたことで僕の心はスッとした。
「騅は殺さない。依頼は来るけど、全部断ってる」
そのうえ、畳みかけるような手話に僕は心がじんわりと温まるのを感じた。
「どうして!?」
黒野は頬を擦りながら掴みかからんばかりの勢いで立ち上がった。
そんな黒野の姿を見た月道は一切表情を変えないまま口を開き、
「腹違いでも兄が居れば、簡単に分かった事なんじゃない?」
と、声を発して言い黒野に背中を向けると、黒野の瞳がグラッと揺れたがすぐに焦点を合わせ、
「何だよ! 結局は……それでもっ、兄だから殺せないのかよ!」
と、拙い発音で月道の背中に向かって叫ぶと、月道は首だけ振り返り、
「普通、親兄弟のことを殺そうと思わないでしょ? 跡継ぎが絡めば別だけど」
と、氷のような凍てついた目線を送ると、そのまま歩き去ってしまった。
その言葉に黒野はまだ唇を噛んでいたが、僕にとっては何にも例えようの無いほど嬉しかった。
月道だけでも味方で居てくれれば……怖いものなんか無いんだと。
あのとき拷問を受けたのも……それまでして僕を護ろうとしてくれたんだよね……?
……ありがとう、ありがとう……。
僕は心の中で感謝を述べながら映像を停止させた。
ノートパソコンの画面をいつの間にか元の場所にいらっしゃった鳩村さんに向けると、
「……うれ、しそう……」
と、咳き込みながら微笑んでくださり、僕に見せた資料よりも更にまとめたものを渡してくださった。
「はい。吐きそうな程嬉しいですし、藍竜総長にも菅野さんにも良い報告が出来そうです」
と、肩を上下させながら喜ぶと、鳩村さんは軽く流しつつもアポを取ってくださった。
どうやらすぐにでも総長室に通して貰えるとのことだったので、すぐにお伺いした。
おっと、その前に。
「映像と情報……いつもありがとうございます。それとアールグレイ、ご馳走様でした。美味しかったです」
と、玄関まで見送ってくださった鳩村さんに一礼すると、鳩村さんは胸の前で手を振りながら何度も会釈をした。
殺し屋組織において情報屋を敵に回すと、本当に何にも出来なくなるから覚えておいた方がいい!
総長室は鳩村さんの部屋から3つ下がった1階にある。
これは小学校の校長室がだいたい1階にあるという定説を用いたものだが、僕は親近感も沸くし良いと思っている。
それに藍竜総長はとても気さくな方で、多様性を大いに認めている。
男女平等、多種多様な武器の講師陣、授業時間と訓練時間を確保しつつも生徒の睡眠、食事時間を削らない方針は気に入っている。
僕はふぅと一息ついてからノックをすると、すぐに中から中低音よりも低めの渋い声が聞こえてきた為、すぐにドアノブを捻った。
応接間の椅子の手前にどっしり座る渋い中年になった藍竜総長は、貫禄が増したのに体格はほとんど変わっておらず、黒髪小麦肌スタイルは威圧も感じるがそれよりも溢れ出る親切さでカバーできている。
藍竜総長は僕を応接間の上座に座らせると、実の弟である副総長がサッと総長の隣に座った。
「鳩村からの報告を聞こうか」
総長は僕の両手に握られている資料に目を落として言うと、僕は声に出して文字列を読み上げた。
というのも、総長は生まれつきあまり目が良くないからだ。
数年前まではその理由で通していたが、今では読み上げた方が頭に入るのと声を忘れないからだと以前仰っていた。
一通り読み終えると、副総長に資料を提出した。
「…………」
副総長は幼い時に母親に声の事で叱られてから、隊員の前では決して声を出さない方になったと総長が……これも数年前だったかに仰っていた。
「もう下がっていい」
総長は副総長に下がるように合図すると、パッと煙のように姿を消してしまった。
その代わりに、総長と旧友である冷泉湊さんが姿を現した。
たしか、このとき初めてお顔を拝見したんだったかな。
「おぉっ……」
僕はマジックを見ている気分で驚いたが、総長は眉間に皺を寄せると、
「神崎と如月に刺客を放った人物は、未だ不明だそうだな」
と、唇をきつく結んで言った。
その表情からも読み取れるように、鳩村さんでも分からないということは組全体の不安要素でもあるのだ。
「あぁ、もう少しで特定できそうだが、相手もかなり頭がキレるみたいで、寸でで逃げられるケースが多いな……」
湊さんは両頬に特徴的な皺を刻むと、大きい切れ長の目を細め俯いた。
「そうか……。騅も街を歩くことがあったら、この影に注意しなさい」
と、総長が机に置いた写真には、かなりブレてはいるが、逆光の影響で真っ黒な……性別も判断出来ない程の大きな黒い影が映っていた。
ただ、ビルの屋上から反対側の屋上に飛び移っている為、かなり身軽な人物であることはたしか。
「これは……? 男性ですか、女性ですか?」
僕は直接見た可能性を信じて冷泉さんを見遣ると、
「おそらくだが、女性の可能性が高い」
と、指を組んで頷いた。
「なるほど……」
僕はくノ一のような女性を思い浮かべては消してを繰り返していたが、総長は背もたれに身を預けると、
「女性の方が男性になりすましやすい」
と、煙草を口に咥えて火を付けながら呟いた。
「……」
冷泉さんは無言で地面の一点を見つめていたが、一体何をしているのか?
そう思い首を傾げると、総長はもう下がっていいぞ、と体を起こし僕の目を見て仰った。
次にこの事を報告するのは菅野さんだ。
僕は部屋でアールグレイを淹れてみようかと考えながら歩いていると、3階まで上ったところで鳩村さんに出くわした。
「こんにちは!」
と、僕が即座に立ち止まって挨拶すると、鳩村さんはあの時の曇った表情のまま、
「裾野くん……どこ?」
と、僕の両肩に手を置いて訊いてきた時は、何故だが狼狽してしまい何も答えられなかった。
もしかしたらこの人は……既読を付けるだけとはいえ、裾野さんと連絡を取っていることに気付いたのかもしれない、と背筋をゾッとさせながら。
僕はそこまで書き終えると投稿ボタンを押し、投稿されていることを確認した後すぐメールをチェックした。
するとメールアドレスを公開しているからか、沢山の感想コメントや記者からの取材依頼などが届いていた。
僕は一通り返信を済ませると、パソコンを閉じてパーティションをくぐった。
「よし、ちょうどユーカリのお水の時間だ」
僕は霧吹きを片手に壁にかからないように注意して掛けるとまだ若い葉がふわっと揺れていて、まるで水浴びを喜んでいるように見えた。
「……ふふ」
僕は少し嬉しくなり、ワンプッシュ分多めにかけておいた。
さて、今度は僕の御飯の時間だ。
作者です。
この度は投稿が遅れて、大変申し訳ございませんでした。
序章はいいけど1話が何かつまらない、そう悶々と思いながら書いていたので……もしかしたら、1話で面白くないと離脱された方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ようやく全体の方向性が決まり、これなら面白いと自分でも思うことが出来た為、2話を投稿いたしました。
それにしても大変お待たせしてしまったこと、重ねてお詫び申し上げます。
これからは投稿予定日通りに出せますので、どうぞこれからもご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。
次回投稿日は、12月23日(土)です。
また、24日(日)には「趙雲の気まぐれ短編集」にてクリスマスイブ&裾野さんの誕生日企画のお話を書く予定です。
現在出番の少ない裾野さんと菅野の絡みが主ですので、お楽しみに!
それでは、良い一週間を!
作者 趙雲