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If The World  作者: リコ
6/7

赤ずきんside 予告編

私の中にある最後の〝家族との思い出〟は森だった。


お母さんは冷酷で冷たかった。


お父さんは仕事で家にあまり居なかった。


物心ついた時には、もう2人を家族とは思ってなかった。



私にとっての唯一の〝家族〟は山に住むおばあちゃんだけだった。


おばあちゃんの家に遊びに行くと、おばあちゃんは私をいつも優しく迎え入れてくれた。


いつしか私は、この山の頂上にある〝本当の家族の家〟に住むようになっていた。

───キャァァァァァァァァア!!!───


今でも目を閉じれば、まるで昨日の事のように鮮明に思い出すことが出来る。


突如森中に響き渡った劈くような叫び声


見慣れた道を走り抜け、家に着いた時に漂った異臭


扉を開けた時────目の前に広がる



鮮やかな紅、朱、赤……


どーしてっ……



泣き叫ぶ幼き頃の私


私に気づき、急いで家から飛び出した〝黒い影〟










ガルルゥ…………


気づけば心地よい夜風に吹かれ感傷に浸っていた。


山の麓にある廃屋のベランダの縁に座り月を眺めていると、数匹の狼の群れが近付いてきた。


普通の人間ならきっと恐ろしくて逃げ出すだろう。だけど私はそのままその群れを黙って睨み付けた。


「…………計画を、ついに実行する時が来たわ」


狼達の目が鋭くなった。

私は立ち上がり狼達を見下ろした。


「これは復讐よ。絶対に失敗してはいけない……皆、今まで協力してくれてありがとう」


1匹1匹の瞳を見回しお礼を言った。


「……おばあちゃんが殺された日、帰る場所が無かった私を拾ってくれて……本当にありがとう。こんな私の我が儘を、最後まで聞いてくれてありがとう」



そう。もう準備は出来た。



憎き狼人間を殺す復讐劇────


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