ギルド登録
とりあえずギルドへ向かうことにした。
ギルドの場所は予め父に教えて貰っているので、迷うことなく着くことが出来た。
さすがは王都のギルド。
かなり大きい建物で、人の出入りも多い。
「デカいな」
【王国内にあるギルドの総本山ですからね】
「ギルド本部と言う奴か」
【はい】
「よし、ノワールは従魔用のスペースで待っていてくれ」
「ウォン」
ノワールの返事を聞き、俺はギルドの中へと入った。
ギルド内は酒場と受付が一緒になっていて、要はよくあるギルドの内部構造と一緒だ。
昼間だと言うのに、たくさんあるテーブルの半数が埋まっている。
仕事しろよ。
酒飲みどもを一瞥した後、俺は受付へと歩みを進めた。
「あん? ガキがギルドなんかになんの用だ?」
「ガキはガキらしく家でママのおっぱいでも吸ってな!」
「「ギャハハハハハハハハハ!!」」
だが、テンプレと言う壁に阻まれてしまった。
ここはスルー安定。
「おい! 無視すんじゃねーッ!!」
横を通り過ぎた所で、後ろから殴りかかってきた。
俺はスッと横に避けて、突き出された腕を掴み一本背負い。
衝撃が行かない様に膝を相手の背中にくっつけて優しく床に下ろす。
「は?」
殴って来た奴は何が起こったか理解が出来てないようだが、無視して受付へ向かう。
「登録をお願いします」
「え? あ、はい! 登録ですね? かしこまりました。こちらにご記入をお願いします」
先ほどのやり取りを見ていたのか少しどもる受付嬢。
赤毛で顔立ちも整っている、とても可愛らしい人だ。
「わかりました」
渡された紙を見る。
内容は、氏名年齢、得意武器の欄があり、死んでも自己責任でも構わないか? と言った感じだ。
全て記入した。武器欄にはとりあえず剣と記入しといた。
「はい、確認しました。こちらのカードに血を一滴垂らしてください」
「はい」
手渡された白紙のカードとナイフ。
ナイフを使って指先を少し切ってにじみ出てきた血をカードに垂らした。
すると、カードに血が吸い込まれ、表に先ほど書いた名前と年齢、主要武器が浮き上がり、裏を見ると、俺のステータスが浮き上がっていた。
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名前 アルヴァ
年齢 15
主要武器 剣
ランク F
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『ステータス』
種族:人族
LV :25
魔力:450 攻撃:500 防御:400
速さ:700 魔攻:500 魔防:500
運 :50
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こんな感じで表示されていた。
ステータス値が違うのは、サーシャが改変してくれたのだろう。
【人族のレベルとステータスを基準に作成したので怪しまれることは無いはずです】
さすがサーシャ、頼りになるー!
【えっへん!】
こいつ可愛いな。
「カードの方も確認できました。その年でレベル25とは凄いですね! Fランクからのスタートですが、頑張ってください!」
「はい、ありがとうございます。あ、あと依頼について聞きたいことがあるんですが」
「なんでしょうか?」
「自身より上のランクの依頼って受けられるんでしょうか?」
「え、ええ。受けられますが、ギルド側としてはおすすめ出来ません。討伐依頼なんかでは自殺行為に等しいので……。あと、護衛依頼はランクに合った依頼しか受けられないので気を付けてくださいね」
「わかりました。教えていただきありがとうございます」
「いえいえ、これが仕事ですので」
「では、俺はこれで」
「はい」
受付から離れ、次の目的地へ向かうため出入り口に歩いて行くと、三人の男に道を遮られた。
邪魔でしょうがない。
「さっきは俺のパーティーメンバーが世話になったようだな?」
道を遮ったのは先ほど殴りかかって来た奴の仲間らしい。
「邪魔です。退いていただきたい」
「退くわけねーだろっ!!」
目の前の男が殴りかかって来たので、腹に一発拳を叩き込む。
「ガハッ!?」
男は腹を抱えて、その場に崩れ落ちる。
「テメェッ!」
「ブッ殺してやる!!」
他二人が武器であるロングソードと大斧を手にして振り下ろしてきた。
ので、俺は前に移動して、うずくまる男を馬跳びの要領で飛び越え避ける。
んで、そのままギルドの外へと出た。
逃げたわけじゃないよ? めんどくさいだけ。
【めんどくさいから逃げたんですね】
逃げたわけじゃないさね。
【そう言う事にしておきます】
うぇい。
外に出た俺は次の目的地である教会へと向かった。