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王都へ到着

 ノワールが仲間になってから早く二週間。

 時折襲ってくる魔物や盗賊をコロコロしながら進み、王都までもう一日で着くと言う所まで来た。


「ウォン」

「どうした?」


 街道をひたすら歩いていると、ノワールが一鳴きして立ち止まった。


「ウォン」


 ノワールの視線は街道の先を見ているようだ。

 目を凝らしてみると、前方から立派な鎧を着た騎士や、それに冒険者らしき人たちが混ざった異色の集団が歩いてきているようだ。

 冒険者らしき人たちは上位の魔物の素材を使った装備からして、腕の立つ冒険者だと見受けられる。


 観察していると、その異色の集団がもうすぐそこまで迫っていた。


「ん? 坊主は歩いてきたのか?」


 集団の戦闘を歩いていた一人の騎士に声を掛けられた。


「はい。ブラムの町から歩いてきました」

「ブラムの町からだと?」


 ブラムとは俺が生まれた町の事だ。


「二週間かかりましたよ」

「だろうな。しかし、よく生きてここまで来れたものだ。それも一人で」

「コイツが仲間になってくれたおかげで戦闘は楽できました」

「……ダークウォルフか。よくテイム出来たな」


 テイムしたわけじゃないけど、そう言う事にしておこう。


「ところでこの集団はなんですか? 騎士団に加えて冒険者なんて異色すぎてびっくりしましたよ」

「あー、それで立ち止まっていたのか。この集団はなドラゴンを撃退するために集められた精鋭集団だ」

「ドラゴン?」

「ああ、君がいたブラムの町の近くに森があるだろう?」


 あ、ドラゴンってもしかして。


【十中八九そうでしょうね】


「はい、ありますね」

「その森でドラゴンを見たと言う噂が多数あってね」

「噂は噂でしかないのでは?」

「それがドラゴンを写した写真も出てきたんだよ。俺が君に対して「よく生きてこれた」と言ったのもドラゴンの件があったからだ」

「なるほど。どうやら僕は運が良かったようですね」

「そうだね。っと、そろそろ行かないと。王都までもう少しだ。頑張れよ」

「はい、あなたもドラゴン退治頑張ってください」

「おうよ!」


 にこやかに別れを告げ、再び王都へ向けて歩みを進める。


【無駄足ですね】


 なんか申し訳ないな。


「ウォン」

【ドラゴンの肉は美味い。だそうです】

「まだ残ってるから、あとでまた食おう」

「ウォン」

【羨ましい。私もドラゴンのお肉が食べたいです】

「実態があれば一緒に食えるのになぁ。あとでアイツに頼んでみるか」

【わがまま言ってすみません】

「いいさ。サーシャには大分世話になってるからな」


 初めて転生を果たしてからの付き合いだしな。


【ありがとうございます】

「さ、王都までもう少しだ。頑張ろうぜ」

【はい!】

「ウォン」




◇◆◇◆◇◆◇




 一日経ち、やっとのことで王都に着きましたとさ。

 んで、門で入国審査をするために並び中。


「朝早く着いてよかったな」


 そう呟いた俺の後ろには割と長い列が出来ている。


「次、身分を証明出来るものを提示してください」

「はい」


 俺は出発前に父から受け取った紙を出し門番に渡す。


「ブラッドフィールド騎士団長のご子息でしたか。直筆のようですし、どうぞお通りください」


 人用の門を潜る。


「ようこそ王都レイジスへっ! 街中ではこの首飾りを従魔に付けといてください」

「わかりました」


 従魔の首飾りを受け取り、ノワールの首へと付けてやる。


「やっとか」


 活気のある街中を眺め、呟く。


【やっと冒険者として活動できますね】

「ああ」

「ウォン」

【行こう。だそうです】

「そうだな。行こうか」

「ウォン」


 ブラムの町を出てから約二週間とちょっと。

 ようやく冒険者として活動ができるぜ!

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