せーんーそっ!
次の日、状況は動き出した。
俺達――主にノワールの仲間達――が監視していた彼らは再び洞窟へとやって来た。
洞窟には十数人の兵士がおり、何やら備品を運び出していた。
【あれはバリスタですね】
【おお! あの材料からするに火の矢を使うものじゃな!】
火の矢かぁ。
【うむ。おそらく、あれで王都に火でも点けるつもりなのじゃ】
【火を点けて混乱している所を大部隊で一斉攻撃に転じるのでしょうね】
だろうな。
となると、既に領土内へ入られているのだろうな。
周りが森だらけだから大部隊を隠すにも丁度良い立地だしなぁ。
なんか変な所に王都作ったな。
バカかよ。
そんな事思ってると、俺らの傍にノワールの仲間たちが現れた。
『情報だ。王都はすでに囲まれてるらしい』
ふぁ!?
俺の警戒範囲に引っかかってないぞ?
『隠蔽の力を持っている奴が向こうにいるのだろう』
んー。まあ、固有スキルならば俺のスキルから抜ける事も出来るか。
俺の固有スキルもこの世界用に作り直されてるだろうしな。
場所は?
『東西南北に四部隊が配置されてる』
おーけー。
【あ、彼ら一度戻るみたいですよ】
……少し細工しておくか。
彼らが居なくなったのを確認してバリスタに近寄り、ちょっと細工して王都へ一度戻ることにした。
◇◆◇◆◇◆◇
「そう。報告しておくわ」
「おそらく今日の夜に仕掛けてくるでしょうね」
「でしょうね。貴方も準備しておいて」
「わかりました。では、失礼します」
ギルドを後にして俺らは宿でのんびり過ごすことにした。
因みに着弾地点は予測済みなので、その周囲に結界を張っておいた。
これで混乱は避けることが出来るだろう。
うむうむ。
して、夜になりまして、俺らは王都上空へと浮かんでいる。
「サーシャ。警戒範囲最大。警戒レベル最大。警戒対象は王都へ敵意を向けた者」
「わかりました」
サーシャが頷いた瞬間俺の脳内にマップと敵の位置が表示された。
ノワールが言った通り東西南北に配置されており、それぞれが敵意に満ち満ちていた。
「そろそろ始まりそうですね」
「そーだなー」
「やる気ゼロですね」
「まぁな。お、始まった」
俺の言葉と同時に火の矢が放たれた。
だが、火の矢は俺の張った結界に防がれてしまう。
奇襲は失敗してしまったが、彼らは火の矢を合図に動き出した。
四方からくる雄叫びと共に地響きを鳴らし彼らはやって来る。
だが、こちらも火の矢を合図に動き出していた。
東西南北の門には既に冒険者と兵士、及び騎士達の混合部隊が配置されている。
魔法部隊は既に魔力を練り上げており、他はいつ来てもいいように構えている。
そして、双方はぶつかり合った。
いつもなら静かなこの時間に響く鉄同士のぶつかり合う音に雄叫び。
近所迷惑だぞー。
「東側劣勢です」
「おっけ」
マップ内にいる敵意のある奴らをロックし土魔法を使い敵を串刺しにする。
「優勢になりました。続いて南側を」
「あいよ」
南側も同じように援護する。
これを劣勢になる度に行う。
こうする事によりこちらの被害を最小限に抑える。
戦争と言うだけあってあちらも勢いが衰えない。
うーむ。
やっぱ頭を潰さないとだよなぁ。
「あの洞窟にいますね。おそらく転生者です。力の大きさが異常ですので」
「ありがとう。サーシャはここで王国の援護を行ってくれ」
「わかりました」
俺は空中を歩き洞窟へと向かった。
因みにノワールはいつも通りの遊撃だ。
お読みいただきありがとうございます。
すみません。次の更新までまた間が空くかもしれません。
今年は社会人一年目と言う事で忙しく……。
エタらないように頑張りますのでお待ちください。




