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父との闘い

 父と俺は訓練場で刃引きされた剣を手に向き合っている。

 訓練場では兵士たち、騎士たちが訓練に励んでいたが、騎士団長である父が来ると皆揃って右の拳を左胸に叩きつけて敬礼をした。


「おい、あれって」

「ああ、騎士団長の次男だ」

「親子喧嘩か?」

「いや、ただ親が子の成長見たいだけだろ」

「あー」

「なるほどな」


 親子喧嘩でも間違いではないけどな。


「こんな大勢の前で戦って負けたらどうすんの?」

「どうもしないさ。俺よりお前の方が強かった。それだけだろ?」

「いや騎士団長としての体裁とかさ」

「騎士団長なんて物はただの飾りだ。俺の体裁なんて気にするな」

「あいよ。んじゃ勝たせて貰うぜ? クソ親父」

「抜かせ愚息。このコインが地面に落ちたら開始だ」

「オーケー」


 俺が了承すると親父はコインを弾く。

 放物線を描きコインは地面に落ちた。

 瞬間、父は俺の視界から消える。

 直後右から剣が迫る。

 それをまだ抜いていない剣で弾き、大鎌の時と同じようにクルッと回って遠心力を乗せて鞘から抜いて斬りつける。


 父はこれを受け流して、俺が振り抜いた所で距離を取ると、今度は全身に魔力を流して肉体強化をした。


「今度はこっちから行く」

「ああ」


 俺は父が瞬きをした瞬間に一歩踏み出し距離を詰めて下段から斬り上げる。

 少し驚く父だが、一歩横にズレて避けると俺の胴に向けて剣を振り抜く。

 それをリンボーダンスの要領で避けて、そのまま父に向けて蹴りを放つ。


「チッ」


 父は舌打ちをするとまた距離を取る。

 その頬には掠り傷が出来ているので蹴りが掠ったのだろう。


「やるなぁ!」


 ニヤリと笑う父。


「まだ準備運動だろうが」

「それもそうだ……なッ!!」


 ドンと地面を踏み抜き正面から突撃してくる。


「突ッ!」


 勢いを乗せて突きが放たれる。

 それを上に弾き上げ、斬り下げる。

 だが、それ無理矢理戻された剣に防がれてしまう。

 さすが最強の部類に属するだけはあるな。


 俺達は何度も剣同士をぶつけ合い、攻防を続ける。

 所々に蹴りや柄、鞘で殴りを入れてみたり。

 お互い強打を入れて後ろに下がる。


「本気で行くぞ? アルヴァ」

「おう」


 父は防御に回していた魔力も全て腕と足、攻撃に必要な部分に回して完全攻撃特化になった。

 瞬間、親父は目の前にいた。


「はっや」


 振り下ろされた剣を受け流し、蹴るが既に父は目の前から消えていた。


「う・し・ろッ!」


 足を強化して後ろに振り上げて踵で振り下ろされた剣を受け止める。

 その足を軸に体を捻って左足で脇腹に横蹴りを放つ。


「マジかッ!?」


 父は防げず直撃した。

 強化した蹴りはそこそこの威力があるので父は吹っ飛んだ。

 父は受け身を取り、俺が追撃する前に体勢を立て直す。


「おいアルヴァ! てめぇ本気出せッ!」

「わかった」


 ある限りの魔力を強化に回して無意識に抑えていた力を意識して解放する。


「行くぞい!」

「おうよ!」


 一歩踏み出し地面を蹴る。

 俺がいた所にクレーターが出来るが知らん。

 動いたことにすら気が付かない父の斜め前まで移動して一気に振り上げる。

 この一閃により、地面と壁は割れた。


 振り上げられたあと数秒遅れて風圧が父を襲う。

 風圧に耐える父だが、俺が斬った後を見て呆ける。


「これが一応本気」


 町中で被害を押さえた、現状での本気。


「お、おう。俺の負けだ」

「じゃ、カイトのこと頼んだ」

「あ、ああ」

「あと修理費も。行くぞサーシャ」

「はい」

「あ、ああ。あ? ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!?? 待てアルヴァッ!? ざけんなあああああああああああああああああ!!!!!!」


 そんな叫びを背に俺とサーシャは訓練場を後にした。


戦闘シーンなんて嫌いだ(´・ω・`)

お読みいただきありがとうございます。

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