Aランクになりました
午後の依頼を終わらせ、ギルドに報告したところでギルドマスターに呼ばれた。
部屋へ行くと、対面式のソファーに座らされた。
「来てくれてありがとう」
「いえ、今回はなんでしょうか?」
「陛下にね。二人がまだBランクだと言う事を伝えたら、すぐにAランクにしろって言われちゃってね。ステータスカードを貸してちょうだい」
「あ、はい」
「どうぞ」
俺達はフィサリスさんにカードを渡す。
「ありがとう」
フィサリスさんはカードを受け取ると、ソファーから立ち上がりデスクへと移動する。
デスクで魔法を使って何か作業した後、彼女は戻って来た。
「はい、これであなた達はAランクよ」
渡されたカードのランクの部分はBからAに変わっていた。
これでAランクの依頼も受けられるようになったな。
「そう言えば、今回の魔族の一件でうちを含めた四国で勇者を召還することになったわ」
へぇー。
魔王かなんか復活でもしたんかね?
「それをどうして私達に?」
それな。
「貴方たちは当事者だしね。伝えた意味は特にないわ」
「そうですか」
「にしても勇者ですか。四国で召還する意味あるのでしょうかね」
正直勇者なら一人でいい気がするが……。
当たりはずれはあるかもしれんけど。
「この前、アリンシアと共に里帰りしたんだけどね。その時長老に言われたのよ。魔王は四体いるってね」
「四体?」
「ええ、私も聞いて驚いたわ。同時に四体も現れるなんて……。長老も異常って言ってたわね」
まあ、異常だろうな。
「因みに、私たちの国が襲われたとき、他の国も襲撃にあってたらしいわ。撃退が限界だったらしいけどね」
マジか。
だとすると、他の三国に向かったのも四天王だったらもう四人現れたのか四天王。
ん? でも魔王が四人いるんなら四天王もそれぞれ四人いるだろうから……。
あれか、今回の襲撃は四天王最弱が担当でもしたのか。
それなら四国に四人の四天王を送ってもおかしくはないしな。
ふむふむ。
そこから考えるに、四人の魔王はお互いを認識し、連絡も取りあっていると見ていいだろう。
うわ、めんどくさい臭いがぷんぷんする。
特に勇者。
「まあ、勇者が召喚されようがされまいが、俺達には関係のない話ですけどね」
あ。
【フラグですね】
ニッコリ笑顔でやめろ。
「そうね。今日は突然の呼び出しに応じてくれてありがとう」
「いえ、Aランクになれましたし、お礼を言うのはこちらですよ。ありがとうございます」
「ええ、これから頑張ってね」
「はい。では失礼します」
「失礼します」
俺達は一礼して執務室を後にした。
そして宿に戻る。
「勇者ですってよサーシャさん」
「やったねマスター。厄介ごとが増えますよ!」
「おいやめろ。いや、ネタじゃなくてマジで」
『ゆうしゃ? 美味いのか?』
「「美味しくない(ですよ)」」
食べた事実はないけども。
【絶対不味いです】
だよな。
『なんだ。不味いのか』
因みにノワールは部屋の角に丸くなっている。
【そう言えば、妾の元持ち主の中にも勇者がいたのぉ。懐かしいのじゃ】
「へぇ、魔剣を持った勇者もいたのか」
【ああ、自分では巻き込まれだーなんだ言っておったが、奴は間違いなく勇者だったのじゃ。魔王を妾で斬り殺したのを今でも覚えておる】
魔剣使いの勇者ってなかなか珍しい奴もいたもんだな。
巻き込まれって言ってたみたいだし、そいつ用の聖剣がなかったんだな。きっと。
「はぁ…。今回も勇者関連で面倒ごとが起きそうだ」
「フラグもちゃんと立てましたしね」
「うへぇ……」
『肉食いたい』
「あいよ」
【のじゃ!】
「あ? 折るぞ?」
【理不尽なのじゃー!】
良い勇者だといいな。
【フラグ立ちました】
やめろ。
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