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メイン武器

 イージルへ戻った俺達三人は宿を二部屋取った。

 俺一人と女性二人で部屋分けをするつもりだったのだが、サーシャが俺と同じ部屋を希望したのでアリンシアさんが一人部屋、俺とサーシャが二人部屋となった。

 アリンシアさんにこの後どうするか聞いてみた所、フィサリスさんに会うため、王都に行きたいと言われた。

 その為に俺達に護衛をしてもらいたいとのこと。

 まあ、王都に戻る時間などないわけで、当然だが断らせてもらった。


 残念そうな顔をされてしまったので、三日後に討伐隊のリーダーとしてフィサリスさんがここへ来るだろうと言っておいた。


 ギルドマスターが戦場に出てくるのか。と思う人もいるだろうが、冒険者ギルドのギルドマスターはギルドを運営すると共に、そのギルドの最高戦力一人なのだ。

 今回のような様々なパーティーやソロ冒険者が参加する戦闘において、犠牲者を少なくするために最高戦力であるギルドマスターは必ず出てくる。

 なので、俺は確信を持ってアリンシアさんに伝えた。


 俺の言葉を信じてくれたのか、アリンシアさんはフィサリスさんが来るのを待つことにするそうだ。


 依頼を終えて、オークの集落の話を聞いたのが午前中。すぐに出発して着いたのが時間にして16時頃で、現在は夕方。

 おそらく今日は襲ってこないので、準備だけして休むことにした。



◇◆◇◆◇◆◇



 朝起きると、別のベッドで寝ていたはずのサーシャが俺に抱き着いて寝ていた。

 理由を聞くと「私は元がスキルなので、マスターの傍が一番落ち着くのです」との事。なんか言い訳にも聞こえるが、まあいいか。

 サーシャと共に一階へ降りて朝食を食べることにした。



 気付いたが、俺はここまで来てまともに武器を使っていない。

 使ったとすればオークパーティーの剣士が使っていた剣位だろうか?

 まあ、言うてちゃんとした武器を持っていないので使わないだけだけども。

 なんかいい武器はない物か……。


「おはようございます。アルヴァさん」


 武器屋にでも行こうかと思っていると、アリンシアさんが降りて来た。

 アリンシアさんが俺の名前を知ってるのは、昨日町へ戻る途中に自己紹介したからである。Fランクだと言ったら驚かれたが……。


「おはようございます。眠れましたか?」

「ええ、よく眠れました」


 目の下の隈もないので眠れたのは本当だろう。


「ならよかった。すみません! この方にも朝食をお願いします!」

「あいよー」

「すみません。ありがとうございます」


 お礼を言うと、同席するアリンシアさん。


「はい、お待ちどうさん!」


 宿屋のおばちゃんが朝食をアリンシアさんの前へ置く。


「ありがとうございます」


 おばちゃんへお礼を言ったあと、食べ始めるアリンシアさん。


「アルヴァさん、今日のご予定は?」

「武器屋に武器でも見に行こうかと思ってます。その後は状況次第ですかね」

「状況次第……ですか?」

「ええ、詳しくは話せませんけどね」


 言ったら絶対止められる。


「アリンシアさんは?」

「私は宿でゆっくりしたいと思います。まだ昨日の疲れが残っていまして……」

「わかりました。ゆっくり休んでくださいね」

「はい」


 その後、朝食を食べ終え、アリンシアさんと別れた俺達は武器屋へと向かった。

 少し時間かかるかと思ったが、すんなりと見つかった。

 年季の入った店。こういう店は五分で当たり外れがある。とりあえず入って確認しようか。


 扉を開けると、カランカランと来客を告げるベルが鳴る。

 中は武器屋らしく様々な武器が展示されていてどれも出来がいい。

 どれにしようか?


「サーシャ。良い物あった?」


 一つ一つ目を通しながらサーシャに聞く。


「これなんてどうでしょう?」

「……大鎌?」


 サーシャが手にしたのは死神が持つような大きな黒い鎌。

 確かに武器だが、武器屋で売ってるところ初めて見たわ。

 無駄な装飾が無いその大鎌に、心の奥底に封じ込めた中二心を刺激される。


「これにしよう!」

「選んだ私が言うのもなんですが、本当によろしいのですか?」

「ああ、新しい物に挑戦する事も楽しみの一つだしな!」

「マスターがそうおっしゃるなら、私は否定しませんよ」

「そうか。ありがとう。さっそく会計を済ませよう」

「ええ」


 会計を済ませるべく、大鎌を手に店内を歩き店主を探す。

 店主は一番奥にいた。


「おお、客が来ていたのか。いらっしゃい」


 店主は初老の男性だった。


「これを買いたいんだが……」

「……本当にそれを買うのか?」


 店主は大鎌を見ると眉間にシワを寄せて問うて来た。


「ああ。なんかあるのか? この鎌」

「……この鎌はな。使う度に持ち主の魔力を吸い取り力とする鎌なのだ」

「それだけ?」

「その吸い取る量が問題なのだ。並みの魔法使いでは一振りで魔力が枯渇してしまい、最悪死ぬ。戦士が使うと体内の魔力を全て吸い取られ死んでしまうのだ」


 つまり燃費が悪いのか。


「ってことは何人か死んだのか?」


「ああ。十数人は死んだよ。死ぬ度にその仲間が返品しに来たさ。話を聞いても信じずに買っていったくせにいちゃもんをつけながらな」


 まあ、こんな話を聞いても普通は信じないか。


「この話を聞いてもお主は買うつもりか?」

「ああ、魔力量には自信があるしな」

「……そうか。死んでもいちゃもんつけに来るなよ?」

「ああ」

「……25万だ」

「ほい」


 ボックスから金袋を取り出し、金貨25枚を渡す。


「毎度あり。こっからは自己責任だからな」

「くどいぞ店主。俺は死なないさ」

「……そう祈っておく」

「おう、祈っとけ!」


 心配そうな店主を背に俺とサーシャは武器屋を後にした。

 初めて大鎌を使うが、上手く使えると良いな。


お読みいただきありがとうございます。

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