表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/40

冷たい目で見られるアルヴァ

 今日も今日とて依頼をこなし、報告して宿へ帰る。の、いつも通りの日常。

 になるはずだったのだが……。


「おい! イージル近くの草原にオークの集落が見つかったらしいぞっ!!」


 報告してギルドから出ようとした所、扉が勢いよく開かれ冒険者の男がそう叫んだ。

 オークの集落と言えば、異世界物の小説によくあるテンプレートのあれか。

 ってことは今日中に冒険者を募って、明日には出発かな?

 イージルは王都から西へ徒歩二日の所にある町だったはず。

 それにイージルにはギルド支部なんてなかっただろうし……。

 集落の規模がどれくらいかわからないが、果たして町が襲われる前に到着できるのだろうか?


【どうしますか?】

 先に向かって様子見かな。

 襲われるようなら迎撃しよう。

【わかりました】


「アルヴァさん。マスターがお呼びです」


 方針が決まったのでさっそく向かおうと思ったのだが、ギルド職員に呼び止められてしまった。

 職員に連れられ執務室へ。


「呼んだ理由はわかってるわよね?」

「オークの集落の事でしょう? 討伐隊には参加しませんよ」


 参加しないと言う言葉にギルドマスターことフィサリスさんは目を見開いて驚いた。

 俺が参加すると思っていたのだろうか?

 いや、思ってたから驚いているのか。


「……理由を聞いても?」

「その前に討伐までの日程を教えてくれ」

「なぜ?」

「日程によっては参加しますよ」


 こう言えば教えてくれるだろう。


「……わかったわ。」


 ほら。


「今日討伐隊を募り、明日出発。移動に二日かけてイージルに到着。その翌日の夜、夜襲を仕掛けて殲滅よ」


 予想通りの日程か。


「すみません。その日程なら参加しません」

「……そう。今度はこちらの質問に答えてちょうだい」

「オークの狙いはイージルへの襲撃と女性の誘拐。これは間違いありませんよね?」

「そうね。今までのオークもそうだったわ」


 オークたちは兵力拡大のため、町を襲い、女性を連れ去り子を産ませる。

 まあ、成人向け同人誌でありがちな設定よな。


「集落の規模はわかりませんが、おそらく討伐隊が到着する頃には町は見る影もないでしょう。なので参加しません」


 ん?

 この言い方だと誤解されそうだな。


「それは、間に合わないから見捨てる……と、取っていいのかしら?」


 うん。

 やっぱり誤解された。


「誤解を招く言い方でしたね。討伐隊には参加しませんが先に行って、討伐隊が到着するまでの間、俺が町を守っときますよ」


【マスターが集落へ行って殲滅してた方が手っ取り早いのでは?】

 オークの集落位なら爆裂魔法で吹き飛ばせるけど、変に目立ってもしょうがないしね。

 目立つのは疲れる。サーシャもそれは知ってるだろ?

【ええ】

 だから今回は目立たないポジションでのんびりしようと思うわけさ。

【なるほど。でも、マスターならいずれ、嫌でも目立つことになりそうですけどね】

 ……今までの世界の所為で否定できないな。


「貴方一人で町を守るつもり?」

「いえ、一人じゃありませんよ? サーシャやノワールと一緒にです」


 サーシャが一人追加されただけで過剰戦力な気がしないでもない。

 ノワールはダークウォルフと思えないほど強いしな。

 うん、過剰戦力で間違いない。


「二人と一匹で町を守れると思ってるの?」


 フィサリスさんは眉間にシワを寄せ、怒気交じりにそう言った。

 守れると思ってます。

 むしろ守れると断言できます。

 まあ、口には出さないけど。


「頑張ります。としか言えませんね」

「そう。それともう一つ、貴方なら間に合うの? 馬車や馬を使っても一日半はかかるのよ?」

「これについては断言します。間に合いますよ。俺なら。移動方法については内緒ですけどね」


 全力ダッシュすれば半日、空中歩行も使えば更に短縮できるからな。


「……もういいわ。討伐隊に参加するかどうかは自由だものね。行っていいわよ」


 この行っていいわよは部屋から出ていけの意味だろう。

 俺を見る目も冷たいし、見限られたかな? まあいいや。


 俺はギルドを後にして西門から外へ。

 門番から見えない辺りまで街道を進み、周りに人が居ないことを確認して空中歩行でお空へ。

 サーシャは俺と同じステータスなので空中歩行を使ってお空へ着いて来た。

 ノワールは……。


「お前、飛べたのか」


 ノワールも浮いて付いてきてました。

 ダークウォルフは飛ぶ能力でも持っているのかもしれないな。

【なわけないです。ノワールがおかしいんですよ】

 だよな。


「なんで飛べるんだ?」

「ウォン」

【見て覚えた。だそうです】

「ふぁ!? スキルを見ただけで覚えたのかっ!? サーシャ! ノワールのスキルを見せてくれ!」

【わかりました】


 サーシャが頷くのと同時に目の前にウィンドウが開かれる。


―――――――――――――――

固有スキル:物真似、影渡り


スキル:空中歩行

―――――――――――――――


 ウィンドウにはそう表示された。

 スキル欄にはちゃんと空中歩行があるので、マジで見て覚えたのだろう。

 おそらく、固有スキルの物真似が関係しているのだろうけど……。

【物真似は所持者が欲しいと思ったスキルをコピーできるスキルで、コピー条件は、所持者がスキルが発動している所を一度でも目視することです】

 なんそれチート。


「ウォン」

「彼が言うには、物真似はマスターと契約した恩恵だそうです」

「従魔契約に恩恵なんてあったか?」

「私の知識の中にある従魔契約には恩恵なんて言葉はないですね。なので謎です」

「ふむ、まあいいか。ノワールが空中歩行を使えれば運ばなくて済むし、深く考えるのはやめよう。頭痛い」

「ですね。イージルへ向かいましょうか」

「おう」

「ウォン」


 俺達は人の目につかないように上空を走ってイージルへ向かった。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ