後処理
ギルドへ帰り、執務室にてギルマスとお話し中。
「で? その男はどうしたの?」
「ボックスに入れてあります。ここで出しますか?」
「ボックスって事は死んでるのね。なら騎士団も交えた方が良さそうね」
騎士団ってーと、父が団長やってるって言うあれか。
ふむ。
「後処理全部任せていいですか?」
「ダメよ。貴方は当事者なんだから」
「……めんどくせぇ」
「仕事はめんどくさいものよ」
小さく呟いたつもりが聞こえていたらしい。
「明日騎士団の方たちも交えて話をするから、ちゃんと来てちょうだいね?」
「……わかりました」
めんどくさいなぁ。
【お金のためです】
ですなー。
◇◆◇◆◇◆◇
翌日、ギルドにある会議室にて、約束より三十分早く着いてしまったので騎士団の方々を待っている。
サーシャは俺の中に戻って貰っているので、部屋にいるのは俺とギルマスだけだ。
「アルヴァ君、貴方ブラッドフィールド団長の息子さんだそうね」
「はい、次男ですけどね」
「あの団長なら息子がこれだけ強くても不思議ではない……か」
え? あのお父上お強いんですかえ?
【戦闘力だけなら王国で一番強いです】
マジか。内包する魔力量は多いとは思っていたが、まさか王国で一番強かったとは……。
「遅れて申し訳ない」
「すみません」
父の強さに驚いていたところ、やっと騎士団の方々も到着した。
騎士団は二人。
二人とも白を基調と鎧を身に纏い、腰に帯剣している。
二人の内一人はこちらに気づき、目を見開き驚いた後嬉しそうに近づいて来た。
「久しぶりだな。アルヴァ!」
「久しぶり、カイル」
近づいて来たのは実の兄ことカイル。
でもなぜここに?
まだ騎士団養成所を卒業していないはずだが…。
「なんでカイルがここに?」
「卒業前最後の研修でな。アルヴァは?」
「今回の件の当事者」
「本当か?」
「ああ」
「そうか」
「コホンッ! 兄弟で話したいのはわかるが、仕事が優先だ」
もうちょっと話したかったが、ここまでにしておこう。
会議室に設置された楕円形のテーブルに、ギルドと騎士団に別れ、向き合う形で席に着く。
「今回の件について詳しくお聞かせ願えますか? フィサリス殿」
先に騎士団の方が話を進ませるため聞いてくる。
ギルドマスターの名前はフィサリスって言うのか。
「ええ、最近森の奥に住む高ランクの魔物達が街道近くまで出て来ている、と言うのは知っているわよね?」
「ああ」
「その件を彼に調査してもらったのが昨日。で、彼は昨日のうちに原因と思われる物を発見してくれたのよ。アルヴァ君、出してくれる?」
「はい。すみませんがこちらへ」
死体を出すため、ある程度スペースがある場所へ移動してそこに出す。
「説明もお願い」
「わかりました。この男は、森の奥にあった建造物の地下を使いキメラの研究をしていたようで、そこに俺の従魔の仲間がいたので逃がそうとしたところ、攻撃してきたので返り討ちにしました」
「なるほど。その建造物の中はそのままか?」
「はい。場所は森の中心なので見つけやすいと思います」
「わかった。調査隊を派遣しておこう」
「この男はどうします?」
「こちらで預からせてもらう。どこの国の所属かもわからんのでな」
「わかりました」
俺の返事を聞くと騎士の方は自分のボックスに男の死体をしまう。
「建造物についてですが、ほぼ完成しているキメラもいたので気を付けてください」
「ああ、調査隊に伝えておこう。こちらでも何かわかったらフィサリス殿経由で君にも伝える」
「わかりました」
「では、私達はこれで失礼する」
「はい」
「ええ」
騎士はお辞儀をしたあと部屋から出て行く。
その後を付いて行くカイルは、扉の所でこちらを向いた。
「すまないアルヴァ。今度時間がある時にゆっくり話をしよう」
「ああ、その時はギルドに連絡してくれ」
「わかった。じゃあな」
「ああ」
軽く言葉を交わした後、カイルは騎士の後を追いかけて行った。
「意外と早く話が済んだわね」
「ですね」
「これ報酬よ。ご苦労様」
「ありがとうございます」
金袋を受け取り、ボックスへ放り込む。
「では、俺も帰りますね」
「ええ、また何かあったら依頼するわ」
「良いですけど、めんどくさい物はお断りですよ?」
「ふふふ、仕事はめんどくさいものって言ったでしょ」
「……はあ。失礼します」
頭を使う依頼とか回ってこないことを祈ることにしよう。
考えるのは俺の分野じゃないからな。
討伐とか頭の使わない依頼が来ますようにっ!
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