僕から君へ
僕は何も取り柄もない平凡な男だった
兄とは違いスポーツがうまいわけではなく、友達みたいに料理がうまいわけでもない。
趣味は音楽とネットサーフィンだった。
人見知りの僕でも顔をみなければ普通にSkypeで話せた。
某動画サイトで生放送も始めた。
人気はなかったけど、たくさんの友達ができた。
気軽に話せるし楽しかった。
あるときたまたま暇で話相手もいなく暇つぶしにアメーバピグをしていた。
慣れないところに入るとやっぱり人見知りのせいなのか中々話に入ることができなかった。
少なそうなところをひたすら探し回ってた。
話相手探しに1時間が過ぎた。
(生放送してもやっぱりあまり変わらないか)
そう思った矢先少ないところをみつけ、話に混ざった。
2~3人くらいだった
話題もなくだらだら喋ってるだけ。
そんな時君が現れた。
最初は普通に喋ってた。
1時間くらいだったかな
時間が過ぎみんながピグを落ち始めて2人きりになった。
僕は君と仲良くなれるチャンスと思い、
「Line交換しない?」
ちょっと怖かったけど聞いてみた
音楽が好き、好きな酒とかも合ったからか別れが惜しかったから。
「いいよ」
即答だった。
正直断わられるかと思ってたから驚いた。
嬉しかった。
そのあとLineで色々話し合った。
普段なにしてるのかとかその他諸々。
楽しかった。
今まであまり趣味が合う人と話さないからかなりテンション上がってた。
この時には既に君に惚れてたのかもしれない。
だけど、楽しい時間にも終わりがある。
1日の殆どを君に使った。
流石に眠くなったのか僕は静かに眠りについた。
その日は穏やかに眠れた。
朝起きてすぐ君にLineを送る
『おはよー』
するとすぐに返信が来た。
『おはよー』
それだけで僕は嬉しくなった。
付き合っていた女の子はいたけれど、彼女とは時間が合わず関係がギクシャクしていた。
彼女とは仕事は日勤、僕は夜勤。
僕が仕事終わる頃に彼女は仕事を始める。
僕が出勤する頃に彼女は寝る。
時間がずれ、関係に大きな溝ができていた。
そんなときに君に出逢ってLineでやりとりを始めた。
僕は君に惹かれていった。
昨日みたいにたわいもない話をしていたが、僕は君が気になると告げた。
すると君も
「あたしも気になってるよ」
僕は心底嬉しかった。
まるで初恋した学生のように。
その日僕は彼女と別れた。
喧嘩してもう別れたほうがお互いのためと同意しての事だった。
それを君に告げる。
君は嬉しかったのか
「やったね!」
と元気にいった。
笑いがこみ上げる
励ますんじゃなく逆に喜んだことに。
この子は自分に素直なんだなと好感をもった。
「付き合う?」
僕は聞いた。
「喜んで!」
嬉しかった。
あぁ、僕は君に惚れてしまったんだなと。
今までにないくらい好き。
絶対に幸せにしてみせる。
守ってみせる。
そう誓った。
この時にはまだ知らなかった。
この先に待ち受けている辛さ、悲しさ、孤独さ。
まだ僕には知る由もなかった。
付き合い初めて最初の朝。
昨日みたいにまたLineを送る。
友達としてではなく恋人へ。
君が彼女になってから初めてのLine。
なにを書こうか迷ったけど昨日みたいに普通に送ることにした。
少し違ったのは将来のことだった。
同棲したい、結婚したい、そんな話をした。
幸せだった。
過去の恋愛は捨てられたり、浮気されたり、騙されたりだった。
だけど今はちがう。
ちゃんと僕を見てくれている。
嬉しかった。
楽しかった。
こんな日が毎日続けばいいのにと思った。
君と付き合い初めて1ヶ月が過ぎた
毎日話していたけれど飽きなかった。
毎日の君と話す時間が僕には一番充実している時間だった。
君の笑い声がほんとに好きでいつも僕も釣られて笑ったりしていた。
1ヶ月過ぎてちょっとしたころ君からLineがきた。
『元彼から連絡がきた。』
元彼の事は君からたくさん聞いていた。
君がなんでそんな状態なのかも。
DVを受け続けた君は心に深い傷を負っていた。
そんな奴が君に連絡してくる資格なんてない。
僕は腹が立った。
だけど怯えた君の声を聞いたら怒りよりも助けなきゃって思った。
「大丈夫だよ。俺がついてるから。」
僕は頭が悪くいい言葉がみつからなかった。
それでも必死に考えた。
何分たったのかわからない。
ようやく君は落ち着いてきた。
『大丈夫』
君はそう言ったけど不安だった。
そう、この時から歯車は動き出す。
全てを狂わせる歯車が。
月日が流れるのは早く九月になった。
あれから君の体調は悪化し二日に1回連絡がくるようになった。
毎日連絡していた僕にはすごい寂しさを覚えるようになった。
電話もあまりできなくなり、たまに電話するくらいになっていた。
君の声が聞きたい。
そう思うようになっていた。
「電話できる?」
僕は聞くと
「いま気分じゃないの。ごめんね。」
こう言われる日が続いた。
寂しい。
辛い。
だけどほんとに苦しいのは君であって僕はまだ平気ってわけじゃないけれど耐えた。
何もしてやれない自分に腹が立った。
守るって約束したのに。
ほんとに君のことが大好きで常に君のことばかりを考えていた。
将来のことも、家庭のことなど。
ごめんなさい。
こんな僕で。
僕は謝った。
「あなたのせいじゃないよ。」
君はそう答えた。
違うんだよ。
僕が君を守れてないからいけないんだよ。
そう考える日が増えた。
とある日のこと。
デートの約束をした。
9月29日、30日。
月末だ。
二人だけで仲良く過ごそうと思ってた。
買い物して、カラオケいって、ご飯食べて。
楽しくなると思ってた。
初デートの予定だった。
だけどその前日。
『親から借りれなかったから行けない。』
そう言われた。
ショックを受けた。
でも仕方ないと言い聞かせた。
友達に相談したら貸してあげるよとも言われたが、君と相談しやめておいた。
寂しいけど我慢した。
10月になった。
日が暮れるのが早くなってきた。
君の体調は酷くなるばかりだった。
10月3日
この日を最後に連絡はなくなった。
Lineは既読はついたりするけれど返事がない。
電話もでない。
かけても切られたりすることもある。
入院したのかもわからない。
体調が悪化して睡眠薬を飲みまくってるのかもしれない。
過去にもあった。
発作が起きて医者から連絡はとらないようにしなさいと言われたらしく連絡が途絶えた人がいた。
また同じ過ちをしたのか僕は。
僕は幸せになっちゃいけないのか。
僕は君を幸せにできないのか。
君から連絡がきたらまず謝りたい。
ごめんなさいと。
辛い思いをさせてごめんなさい。
守ってあげれなくてごめんなさい。
側にいてあげれなくてごめんなさい。
だけど僕の中で変わらないものがある
それは…
大好きだよ。
愛してる。
これだけは変わらない。
僕から君へ贈る言葉。
良くなって治ってお金溜まったら結婚しよう?
幸せにしてみせるから。
いつまでも待ってるから
僕は、どうしたらよかったのかわからない。
いまでも待ち続けている僕。
早く良くなって欲しい。