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こくぶんじのみずのみどり  作者: 豊洲 太郎
6/8

六 やなぎ寿司の折り

 しばらくするとやくざ風のおじさんが入ってきた。

 「ぼく、おとなしいな。お父さんと一緒でいいね。お母さんは?」

 「ごらんの通り、子連れ狼です。」

 「えぇ・・・、どうしたの?」

 「しんじゃったんだよ、なあ。」

 適当なこというな。

 「ちょっと待ってろな。」

 やくざのおじさんが格子戸をがらっと開けて出ていった。

 どうしたのかな。


 「で、さっきの話の続きだが、最初が肝心なんだ。」

 「さいしょ。」

 「そう、先ずその村で二番目に大きな家を見つけて売り込むのさ。」

 「それからどうするの。」

 「一番大きな家に行って、あの家が買ったといえばいい。」

 「それで売れるの。」

 「そういうものなんだ、あとは順番に回れば村中に売れる。どこの村も一緒だった。あ、お愛想。」

 「まいどー。」


 ガラッ。

 格子戸が開くと上気したおじさんが戻ってきた。やなぎ寿司の折りをふたつさげて。

 「坊、おじさんが寿司買って来たよう、今日はこれを喰って元気だしな。」

 「おじさん、ありがとう。」

 「これはすみません、お言葉に甘えます、それじゃどうも。」

 ガラガラッ。

 嘘つきは泥棒の始まりだけど、よく考えてみても誰も悪くないし自然で愉快な流れだと思った。


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