なんか危ないワンダーランド
私は今、不気味なネオンであふれる街にいる。
そして目の前には、紺色の綺麗な和服を着たウーパールーパーみたいな白髪のばあさんがいる。
その恐ろしいばあさんがおもむろに口を開いた。
「ここは殺人ワンダーランド」
しわがれた声で私を脅すように言う。めちゃめちゃびっくりした。
「さ、殺人!?」
戸惑う私を気に留めることもなく話を続ける。
「殺人鬼ばかりの国。しかしそんな国において殺人をせずに生きられる唯一の方法がある
・・・・死ぬことである」
「死んだらおしまい!?」
「んなことはない!!
死ぬにもいろんな種類があるのである。いろんなリスクが伴うので注意が必要なのである。その1、部分的に死ぬ、その2、仮想人格的に死ぬ(こうであったら死んでいたみたいな)、その3、神格化した人格を操る、以上であって、これらの組み合わせもありうる」
「殺人ワールドみなさんはトランプカードを持ち歩いていて、1~11、クイーンとキングがあって、クイーンとキング以外には殺し合いをしてもらっている。まぁ、どっちかがだぶっていることもあるがね。最初はみんな1~11を持っていて、その中で殺人をせずに生き抜いた者にはクイーンとキングが与えられる。ちなみに、1~11が存在していないとワンダーランドが崩壊するから傲慢ものにはとっとと消えてもらう。ここから出ていくことはできない」
「どっちか最初から決めろってことだよね!?」
うっひっひっひっ、とウーパールーパーが笑う。
「おうよ、これがマニュアル」
妙に分厚いマニュアルが手渡された。
そして、ばあさんに連れていかれたアパートの端っこの部屋の片隅でマニュアルを開きながら考えた。
なにについて考えていたかというと、
最終的にハイブリッド燃料になってしまうのであればゾンビに食われて部分的に死んだ方がましかとか、
もし崩壊寸前の国のお姫様な王子様のメイドだったら働き始めてどれくらい影武者としてやっていけるかとか、
和洋折衷による動物愛護は可能かということについてとか。
そういうなんか非常に余計なことばかりだった・・・。
私なんでそんなこと考えてんだよ!!
いろいろ考えていたら頭がぱにくってきたのである。
口癖が映ってしまった。
頭痛がしてきそうなのでもう寝る。