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Lip's Red - 姫様と緋色の守護者  作者: kouzi3
第1章 異世界との邂逅
5/39

(4) 自己紹介的独白

・・・


 普段はイジメられていることにも自分では気づいていないようなボケーっとして昼行灯タイプの俺。自分の容姿の事は自分では評価はできないが…おそらくイケてはいないと思う。だって、生まれてこの方モテたことないもんな。

 成績は中の上ぐらい?スポーツは…得意じゃないな。特に球技とか集団でやるヤツは苦手。そんな、ぱっとしない俺。


 ガーディアンか…


 姫様の国の発音では「ガルディオン」とか言ってたかな。

 困惑しながらも、「これは、生まれ変わるチャンスなのでは!?」とか密かに期待を抱く俺がいないわけではない


が…挫折経験の豊富な俺は、すぐに重要な事実に気がついた。


 「あははは。ダメだよ姫様。貴女が、どんなに買いかぶってくれようと、マスコミでちょっとぐらい勘違いして報道されようと…俺の過去が消えるわけじゃない。…俺、あいつらにイジメられてたんだよ?イジメの獲物でしかなかった俺が、自分らを差し置いて急にお姫様を身を挺して救ったヒーローになりました!…なんて、あいつらが黙って見てるわけないじゃん…」


 きっと、今頃は、マスコミにあいつらが真実をリークしてる頃だろう。「あいつはヒーローなんかじゃありませんよ。そんな度胸あるわけない。だって、イジメにあっても反抗もせずに、黙って何でも従うような木偶の坊なんですよ」って。

 あいつら調子のいい奴らだから、ひょっとすると「むしろ俺たちがヒーローですよ。姫様が銃で撃たれそうだったんで、あいつを盾にしようと思って、飛び降りるように命令したんです」とかね。


 あ…でも、自分たちがイジメっ子だとは、さすがに言えないか。でも、あいつら、そういう悪知恵だけは働くから、きっと自分たちに都合のいい表現にして、うまい具合に脚色して、今頃はヒーロー役を奪取してるかもしれないな。きっとそうだ。


 一瞬だけの希望。


 生まれ変われるのなら…。


 本当に生まれ変わることが出来るなら、下手に助からなかった方がよかったのかな…でも…死ぬの怖いしな。基本、俺、宗教とかあんまり信じてないし…死後の世界とか、輪廻天昇?…じゃないや輪廻転生とか、生まれ変わりとか期待して無しだったら、どうなるのか想像もつかなくて怖いよね。ってか、どうもならないから、考えることもできなくなるのか?とか、考えることができないとか思うことも、存在がなくなったら無いのか?うぉお!怖えぇ~!やっぱり死ななくてよかった。俺みたいな馬鹿で阿呆なヤツには、まったく想像もつかない不思議状態だぞ死んだ後ってヤツは…


 …だけど…。姫様、綺麗だったなぁ。可愛いって感じも時々無いワケじゃないけど…やっぱり、あの少し怒った顔した時とか、綺麗だよな。だって俺、「白銀の短剣」とか?「紅玉のように光る唇」とか?そもそも、そっちを見たことねぇよ!って、今なら自分に冷静にツッコミを入れたくなるような表現、脳内で使っちゃってたりしてたもんな。

 あんな綺麗なお姫様に「生涯を伴にしろ」って命令されるなんて、すごい幸運なことなのかもしれないけど。昨日までの自分の人生を振り返ると…やっぱあり得ないよなぁ…そんな展開は白昼夢みたいで現実感がまるでないよ。てか、生涯を伴に?って「伴侶」とかいう言葉聞いたことあるけど…プロポーズされたのか?俺?


 3秒ぐらい、あらぬ事を想像して真っ赤になる俺。


 いやいやいやいや…だから、こういう分不相応なことを夢見るからモテないだけでなくキモイとか不気味がられちゃうんだよ。冷静になれ。冷静になれ。

 なんか、姫様の国のシキタリらしいようなこと言ってたっけ。ガーディアンだってさ。ガルディオンとか言っちゃってからガーディアンって、わざわざ言い直してくれてたけど、そもそもガーディアンって言葉だってマンガやアニメの中ぐらいでしか見たことないよ。


 日常会話で、「あのさぁ、俺、昨日、ガーディアンになっちゃったよ!」なんて言うヤツがいたら、黙ってそいつの額に手を当てて熱の有無を調べちゃうよね。

 あれでしょ?ガーディアンって、なんか大概は特殊な力とかもってたりして、格好良くご主人様を守っちゃったりするアレでしょ?無いもん。俺、そんな不思議な力とか。無理だよな、やっぱり。どう考えてもさ。


 姫様にとっては、祖国の神聖な儀式で選んじゃったから、誤解だろうがなんだろうが俺をガーディアンにするしかないって思うのかもしれないけど、そもそも今回の儀式って無効じゃないのかな?そもそも結婚には両性の合意が…って、これは結婚じゃないけどさ…でも、生涯を伴にしなきゃいけないような契約?が、俺の意識を失ってる間にしちゃっていいものなのかな?法律の偉い先生が、そういうの無効だって言ってたような気がするけど。

 それに、俺、姫様の国の住人じゃないし。俺が姫様の国のシキタリに従う必要なんてないんじゃないのかな?そもそも、姫様の国では、俺みたいな余所の国の人間をガーディアンにするのって、有りなのかな?


 ま。どっちにしても、俺には無理だから。何回、姫様が来てくれても、結局、断るしかないんだけどね。

 あ、そうだ。ペーパードライバーとか…幽霊部員とか…そういう感じでいいなら、名前だけガーディアンで、「部活?やってますよ!帰宅部ですけどね」みたいな、そんなのでも許されるなら、それにしてもらおうかな。姫様、暗殺されそうになったってことだから、実際、ガーディアンは必要なんだろうけど、そもそも、思い出すだけでも胸くそ悪い、あのガラの悪そうな黒いスーツ?っぽい服着たオッサンとその部下?っぽい兄ちゃんたちも、「従者」とか言われて姫様を守ってたみたいだから、俺なんかよりよっぽど姫様をしっかりと守れそうだよね。


・・・


 うぅ。痛みは、意識から切り離す特技で耐えられるけど…痛いと言うより、つらくなってきたな。思い出したけど、全身麻酔が必要な手術やった後って、当然、それ相当な傷が体に負担をかけてるワケで、疲れるし、ずどーんっとした鈍痛というか苦しさっていうか、何とも表現できない辛さがあるんだよね。

 今は、まだ、考える体力が戻ってないのかな。考えるのも、だんだん怠くなってきた。少し、何も考えないでボーっとしてよう。


・・・


 とりあえず、退院できたら、家に引きこもってみたりしようかな…


 最後に、最もどうでもいいようなコトを考えながら、俺は、再び眠りについた。


・・・

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