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竜Q伝  作者: ヌーバス
7/7

7 荒れて猛る海を



荒れて猛る海を


馬のような物体が


サザーが立つ浜辺に近づきつつある


馬は静かに移動している 揺れることなくゆっくりと浜に向かってくる


サザーは巨大な身体を砂浜に仁王立ちさせて馬を見ている


異様に長い銛を握るでもなく


銛は砂に突き立ててある


一瞬のうちにその銛を遠くの標的に命中させることなどサザーにとっては造作もないことである


だが

サザーはただ勇猛なだけの男ではない


状況によっては素早く撤退する構えである


巨体に似合わぬ俊敏さで走る


逃げることを嫌う習性が 武の国竜Qの男にはある が

サザーは敵に背中を見せることを恥じたりしない


逃げ延び 生き延びる それがサザーの闘いに対する心構えである


ゆえに いざ逃走を選択せし場合にそなえて 銛は砂に突き立てておくのみ



それにしても訝しい

これほど時化た海を 荒れ狂った波に縦横無尽に蹂躙されるはずの物体が


なぜ

こうも静かに移動できるのか不思議である


まるで

馬は

T舵国の静かな湖

スィーナ湖に浮かんで移動しているようではないか?



そのとき

サザーの妻

ナゥロの  心話が聞こえてきた


『…その通りです…いまこの瞬間に…その…馬に似た物体は…遠く離れた…スィーナ湖にも…実際に浮かんでいます…波の影響を受けないのは…その物体が…スィーナ湖の静かな水面を…水面の物理的法則を…力場として選んでいるから…その馬に似た物体は…二つの場所に同時に存在しています…………』




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