ヤンデレになったのは貴方のせいですわ?
私は公爵家に嫁いだ。
私は子爵家に過ぎないのだが、公爵家に嫁いだのは私の家が新興貴族としてお金があり、
歴史こそあるが財政が厳しくなりつつある公爵家との利害一致があったからだ……
とは言え、公爵家に嫁いだ生活は素晴らしいとは言えなかった……
「メアリー、君を愛することは無い」
このように言うのは旦那であるアルフレッド様。
私との結婚は露骨に嫌そうで、開口一番こういうことを仰るのである。
私も会ったことも無い人といきなり仲良くなれる気はしなかったのでグイグイいきなり来られるよりはある意味マシなのですが、個人的には段々仲良くなれたらなって気持ちだっただけに、それを打ち砕かれた感じだ。
しかしことあるごとに愛することは無いだの、白い結婚だの言われ続け、
さらに「僕は好きに愛人を持たせてもらう」
こう言われた時、私の心は1つ壊れた。
「分かりました、私はアルフレッド様にこれからは何も求めませんので、ご安心下さい」
私は完全に政略結婚であるべきだと悟ったからだ。
これで嫌な事を言われることもあるまい……
そう思っていたらそれだけで終わらないのであった……
「君は生意気だ!」
「……何故でしょうか?私はアルフレッド様に失礼なことを言ったつもりは一切ありませんが……」
「何故僕に愛されないとか言われて、前までは悲しそうな顔をしているのに、今は違うのだ!」
「……アルフレッド様にご迷惑をかけないようにしているのですが、それのどこがいけないでしょうか?」
「黙れ!お前は僕からは愛されないが、僕に愛されないことを悲しむべきなんだ!」
え?この人は何を言ってるのでしょうか?
「お前は分かっていないな、僕がこの結婚に同意した理由を!」
「……子爵家の財政目当てではないのでしょうか?子爵家は公爵家と繋がりが持てて、公爵家は財政の支援がある……そういう政略結婚では無かったのですか?」
「……もちろんそれは理由だ!父上はそういう理由で僕とメアリーの結婚を選択したのだろう!だがこの僕がたかが子爵令嬢なんかと結婚すると思うか?」
「……」
「するわけがない!だが仕方ないから僕は妥協をした!お前は僕のために、僕に愛されないけど愛されたいって思い続けるべきなんだ!たかが子爵令嬢なのだから!そうなると思ったから結婚してやったんだ!」
……
この人は何を言ってるのだろうか?
私の心は政略結婚だと決めた時以上に壊れ……たと思ったら違った!
なるほど、アルフレッド様は愛して欲しいのですね?
私も本当は愛したかったのよ……誰かを……
アルフレッド様のご希望ならば、それを叶えて差し上げますわ……
アルフレッド様は早速元々きっとお付き合いをしていた侯爵令嬢とデートするようになった……
何故知ってるかですって?愛するものの一挙手一投足を知っているのは当然じゃないかしら……
そして2人のデートの前に私が現れると……
「メアリー!なんだ?浮気とか責め立てるのか?言っただろう!僕は他の人を愛すると!」
「いえ、責め立てる気なんて一切ありませんわ、愛とは相手を受け入れること、むしろ私は幸せそうなアルフレッド様を見て嬉しいのです」
「……じゃあどっか行ってくれよ」
「……分かりましたわ、見えない範囲から常に見させて頂きます」
「監視するみたいでやめろ!」
「いえ、分からない範囲で行いますのでご安心ください、私はアルフレッド様を愛しているので、常に見ていないと辛いのですわ……」
侯爵令嬢が呆れて言う……
「……アルフレッド様?ここまで奥様に愛されているのに私との関係続けるのやめましょうよ」
そういうなり立ち去ろうとするので……
「待てよ!メアリー何か気にすることは無い!」
「嫌よ、はっきりいってあの人怖いわ!だから刺されたくないので、私これっきりにさせてもらうわ!」
こうして侯爵令嬢は消えてしまった……
「おいメアリー!どうしてくれるんだ!あいつはいい女だったのに!」
「……では他にもっと素敵な愛人を見つければいいのです、だってアルフレッド様よりも素敵な方はいないのですから!」
「うう……そんな簡単に行くかな」
「分かりました、私がアルフレッド様の愛人に相応しい女をたくさん見つけて見せます!」
「メアリーが!?何故そこまでするんだ!」
「それはもちろんアルフレッド様を愛しているからですわ!」
「分かった頼むよ!」
私アルフレッド様に頼まれたので、社交界の場で宣言をした!
「皆さま、私はアルフレッド様の妻メアリーです、夫アルフレッド様はただいま素敵な愛人を募集しています、私はアルフレッド様を愛しているので、愛人と幸せそうになるアルフレッド様を見たいので、どうかアルフレッド様の愛人になりたい方、私にお知らせ頂けないでしょうか!」
私がこのように宣言をすると、みんな唖然としている……
アルフレッド様が私の隣に慌ててやってくる!
「おいやめろ!恥ずかしいではないか!」
「……こうするのが一番効率的ですよ、私も恥ずかしいのですが、愛するアルフレッド様のために勇気を出しましたご安心下さい!」
すると王子様がやってきた……
「……一体これは何の余興だ?アルフレッド?」
「いえそれは……」
「王子様、アルフレッド様を愛するあまり、ご迷惑をおかけしてすみませんでした‥‥‥」
「……君はアルフレッドを愛していると言うが、愛人が出来て平気なのか?」
「愛とは受け入れることですから、アルフレッド様が愛人を希望するのなら、それを叶えてこそ愛です!」
私の発言により激怒したのは、王子様の隣にいた奥様である。
奥様は隣国の王女であり、気位が高いことで有名である。
「アルフレッド!愛人を希望をして、さらに妻にそれを探させるなど恥を知りなさい!情けない男め!」
奥様が叫ばされたことで、アルフレッド様は平謝りをするも、私はアルフレッド様をお助けせねば!
「いえ、王妃様、私は愛している実感があるので満足しているのです、どうかアルフレッド様を責めるのをおやめください」
私が庇ったことで、王妃様は唖然とし、王子様も王妃様を止めるのでこれ以上は何も無かったが、
これ以降アルフレッドは酷い奴だの恥知らずだの、王妃様に嫌われた馬鹿貴族ということで、
社交界で相手をする人間が激減してしまった……
せいぜい身分が低いものがすり寄る程度だが、プライドの高いアルフレッド様は社交場に出なくなったのであった……
仕方ないので私が代わりに出て、愛人を求めるのだが誰も立候補しない……
困ったものですね、アルフレッド様申し訳ない……
アルフレッド様は誰からも相手にされないので、私に言う……
「メアリー君だけが僕の味方だ、父上にも恥さらし呼ばわりされてしまい、後継者まで弟にされてしまうようだ。僕を助けて欲しい……」
それを聞いた時に私の心は砕けた……
何故かはわからない、私はきっと、愛されてないけど愛したいのであって、
自分を愛するような男に興味が無かったのですわ……
だから私は言ってやった……
「アルフレッド様?どうして以前のように仰らないのですか?私はアルフレッド様を愛したかったのに、どうしてアルフレッド様はそんなことを仰るので?これでは私の愛が高まりませんわ、そんな方と関係を続けたくはありません!アルフレッド様、貴方を愛することはもうないですわ、政略結婚ですから白い結婚でお願いしますね」