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5.「好き」と言うまで



「好きな本教えてよ」


昼食時後輩のレベッカとオススメの話をしていると、レベッカが通りかかったアトラスに声を掛けた。


彼が答えたのは少し前に流行った恋愛小説だった。





『自分の好きな本の話するの、照れるよね』


そう言って笑った彼女を覚えている。


イリスとの約束のない休日、久しぶりに出かけた図書館でばったり彼女に会った。


「ディオダードくん」


僕に気づいたイリスが微笑む。


「あ、これ好きって言ってたの思い出して」


背表紙が見える様に掲げた本はかつて僕が好きだと言った本だった。


覚えていてくれた事が嬉しくて、会えない日に自分の事を思い出してくれた事が嬉しくて思わず口をついた。


「好きです」


イリスが目を丸くする。


「好き」


そのまま隣の席に座って続ける。


イリスは開いた本の間に顔を埋めてしまう。


「ちゃんと、好きだよ」


本を握る手を掴んでダメ押しで告げる。


真っ赤な顔と目が合った。




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