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ロイはまた発狂していた。
今回の一件で、ロイは滞在を許可され、ずっと銀河戦艦・ギャラクシーイーグル号を海岸においているが、その艦内で、1人でロイは歌っていた。
「ちゅ、渡部でごめん、生まれてきちゃってごめん!わたわたわたべィィィィィエェェーッキィィイイィィィイエエエエエーーーーーッ!
わたべ!渡部!渡部!渡部キィィイイィィィイエエエエエーーーーーっ」
ロボ吉が、惑星ルルロント産の茶葉で作った紅茶を持ってきた。
またロボ助は、薬剤師からもらった向精神薬を生成し、ロイに渡した。
「まったく、これでも宇宙の英雄なのですから」
ロボ吉は向精神薬と、紅茶を渡すと、ロイはささっと飲んだ。
「まぁ、薬は水で飲むのが本当は一番ですがね!」
ロイは一言いった。
「渡部…」
すると、艦に1人の女が近づく。
「ロイ様〜」
砂浜の上を這いつくばるのようにやってきてる山田花子がいた。
「ロボ吉、あとは、頼んだ」
ロイはいつものシェフジャケットとジーパンに着替え、艦内から出た。
「はなちま、危ないよ!」
「えへへ、ロイ様のことが好きだから…」
「その…ロイで良いよ…」
「じゃあ、ロイくん❤️」
「デュフフフフ」
ロイはまた、山田にまたがり、ロイは尋ねた。
「この惑星ルルロントの首都に連れて行ってほしい。」
「いいわよ、ルルロントの首都シェリンに案内します」
ロイは山田の背中にまたがり、ルルロントの首都シェリンに到着した。
「うひょぉ、これが首都か。」
上海の如く、ネオンがキラキラ輝くルルロントの首都シェリンに到着し、山田に言った。
「少し回ってくる、海で待っててくれないか?」
山田は、寂しそうな瞳でロイを見つめた。
「絶対帰ってきてくれる?」
「うん!もちろんさ!」
ロイは、ナメクジの頭をした奇妙な生物や、人間の顔にダチョウの体がついてる女に出会い「多様性だ!」と驚いてると、一つのラーメン屋があった。
「あ、お金…」
ロイがお金に困ってると、身長160cmの二足歩行ウーパールーパーのような生物が近づく。
気品が高く、その頭には王冠があった。
「ルルロントの民をエグエグ軍から救ったのはあんたかね」
「エグエグっていうのか。」
「さよう、エグエグ軍は150の惑星と25の首都からなる巨大な連邦政府だがルルロントの支配を企んでいる。
最も私はエグエグ軍がかつてのナチスのような非道なことを行なってるのは知ってるがね」
「あなたは、ナチスを知ってるのか!」
「さよう、"ゴールデンレコード"についてほ情報は確認したぞ」
少しロイは地球を誇らしげに思った。
ロイは「お金がないんだ」というと、ルーパーは、財布から3万クレジットをロイに渡した。
「これを使いたまえ。
お金が足りなくなったらまた私のところに来なさい」
「ありがとうルーパー皇帝」
ルーパーは皇室に戻った。
「さて、ラーメン!」
ラーメン屋の店主は、人間とはかけ離れた容姿をしていた。
眼窩から突き出た大きな瞳、両生類の滑らかな皮膚、嘴のような口元――それらが奇妙に混ざり合い、不思議な存在感を放っている。
眼窩から突き出た大きな瞳、両生類の滑らかな皮膚、嘴のような口元――それらが奇妙に混ざり合い、不思議な存在感を放っている
「ミーは、チャーシュービンクスサー!
何か食べるサー?」
「うーん、味噌バター油そばを」
「おすすめはチャーシュー麺サー」
「いや味噌バター油そばサラダチキンのせ」
「なに言ってるサー!味噌バター油そばサーなんてないさー」
「わかったよ…」
「ミー、アンタのこと知ってるサー」
「え、ほんと!?」
「アンターの話、タロ吉から聞いてるサー」
「え、タロ吉おじさんここにも訪れたの?」
タロ吉…宇宙のナンパ師、専門商社を解雇され、女を求めて宇宙を彷徨ってきた風来坊、実はロイはタロ吉の甥にあたる。
ロイはタロ吉にギャラクシーイーグル号とロボ助とロボ吉をたくし、遠い宇宙に行ってしまった…とロイは長年友人のアレクに聞かされてた。
「タロ吉…生きてるかな」
「できたサー!ミー特製のチャーシューラーメンサー」
そのラーメンはどこかしょっぱく、それでもギトギトしたジャンクな旨みがガツンと喉を通る。二郎ラーメンのチャーシューに似てた。
「うまいよ!」
「ほんとサー!」
こうして、ロイは1350クレジットを払い、シェリンを歩いていると、巨大なカタツムリの体をしてるけど顔だけ人間の人面カタツムリの少女がいた。
しかし、彼女は強風によって倒れ込んでしまい、自分では起き上がれなかった。
「助けて!」と叫ぶ彼女をひょいっと持ち上げ、ロイは彼女に跨った。
「名前は?」
「ゆ、ユキです…助けてくれてありがとう…」
「うん」
ロイはぎゅっとユキの甲羅を抱きしめた。
「ユキちゃんは、ロイの顔を舐めた。
ロイはユキちゃんの巨大な顔面と口にキスをした。
「アツいですねーヒューヒュー!あんたは、宇宙のナンパ師、タロ吉の血を注いでるよ!」
すると、空からまたも飛行物体が現れ、ロイの精神に攻撃を与えた。
“毒電波攻撃"と呼ばれるその攻撃は渡部彩奈の異動をフラッシュバックさせる特殊な電波をロイの脳に直接与えた。
ロイは"キィィイイィィィイエエエエエーーーーー"と突然叫ぶと、颯爽とロボ吉がギャラクシーイーグル号で飛行物体を爆散させ、そしてシェロンにやってきた。
「渡部彩奈ァー!叶わぬ恋をしちゃいました、高嶺の渡部に
来週もまた会えるかな〜月曜最悪〜
ララララブさちほ、イエイエイエ声出せ!
何気なくついていった…」
腕が痙攣して、ロイの視界は真っ白で口元からよだれも垂らし、全身が震えてた。
「ロイ様!薬です!」
と、ロボ吉がロイの口元に向精神薬とミネラルウォーターを注いだ。
「・・・ユキちゃん…ロボ吉…」
「ロイ様!ご無事ですか?」
「あ、ごめん、…え、あ、」
「ロイ様今日はお疲れのようです。
ギャラクシーイーグル号に戻りましょう」
ロイは海に向かって歩き出した。
「・・・ユキちゃんロボ助ロボ吉、みっともないところを見せてごめんな」
海岸にて、ロイをずっと待っていた山田の背中は夕日に染まり少しだけ赤くなっていた。
「待たせたね」
「うん、ずっと待ってた」
「干からびるんじゃない」
「干からびちゃいそう…」
「山田大好き」
ユキちゃんは、山田の背中をぎゅっとハグするロイの姿を見てしまった。
ロボ助は「ロイ様どうなるんでしょう…」と独り言をこぼした。
続く