表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫とお喋りインコの小さな冒険  作者: ドラゴン・リーダー
1/1

脱走

脱走


都会のアパートの一室に、黄色い体に黄緑色の羽、そしてその羽には焦げ茶模様のインコが、籠に入れられ飼われていました。

籠の中には餌を入れた白い陶器の器と、水を入れた器があります。でも、その器下は餌の食べかすや糞などで大変汚れていました。

そのとき、その籠からインコの鳴き声が聴こえてきました。

「キタナイヨ、キタナイヨ、ヨゴレタヨ、ヨゴレタヨ、オソウジ、オソウジ。」

飼い主に訴えています。

「ピーチャン、カワイソウ、ピーチャン、カワイソウ。」

羽をパタパタさせながら、あちらに行ったりこちらに行ったりしながらしきりにないています。飼い主であろう男の人が

「うるさいなぁ、ゴミで死にはしないから少しはジッとしてろよ!今取っ替えてやるから!」

そう言いながら鳥かごの入口を開けると、それ幸いとばかりにピーチャンは外に飛び出し、窓の外へと逃げて行きました。

初めて籠の外に出たピーチャンは、捕まったら大変だ、とでも思ったのでしょう、空高く舞い上がり、遠くへ遠くへと逃げて行きます。そして初めての籠の外は気持ちよくて嬉しくて嬉しくて堪りません。切る風は気持ち良いし、下には綺麗な街並みが見え、遠くには海も見えます。今までいた籠からは窓の外に家々の屋根や壁しか見えませんでした。

「自由だ!自由なんだ!あんな狭い籠の中に閉じ込められて、お掃除もしてくれないオジサンなんかと、もういられないよ、でも気持ちいいなぁ!」

などと思いながら、思う存分飛び回っていました。

今度は海と反対側に飛んで行くと、下の方に小高い丘が見えて来ました。籠から脱走してしばらく飛び回っているうちに、喉も渇いてきたし、疲れてもきました。空から見た小高い丘には木々も繁っていたようです。その木に止まって休もうと更に降りていくと、噴水が見えて来ました。噴水の中は水が溜まりまるで池のようです。喉の渇きを潤すにはもってこいです。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ