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エンドロールでくちづけを  作者: セキド ワク
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十六話  リベンジ失敗



 バスに揺られながらウノをしている。

 真横には仲根ではなく、(そめ)(わか)(あおい)という子が座っている。

 中央の道を挟んでの隣が仲根だ。

 その隣が(いばら)(まき)(たつ)(ひろ)。俺の前の席が里見で、隣が(かわ)(すえ)(なぎさ)という子だ。

 仲根の前の席が安倍雅、隣が(おか)(こし)一花(いちか)という子。

 これが今回のキャンプの班。


 さっきからトランプやウノなどのカードゲームを何度もしている。


 俺は、つい二日前に発表されたテストの結果にがっくりしていた。

 やはり学年トップは里見信吾だった。

 一位、里見信吾。二位、安倍雅。三位、仲根博教。

 四位、相楽章和。五位、染若葵。六位、滝沢玲奈。

 七位、河末渚。八位、茨牧達宏。九位、清水梢。十位、岡越一花。

 これが今現在、この学校のトップテンだ。


 六位の滝沢と九位の清水以外は全て同じ班で、町下先生が、頭の良い者は惹かれ合うのかしらと笑っていた。

 クラスの者達も、成績が発表される前に班が決まっただけに、何となく悔しそうにしていた。


 一番いいバスを特進クラスがゲットしたのだが、誰一人、備え付けのカラオケを歌ったりしない。で、カードゲームをしているここだけが浮いている。

 あとの皆は、勉強したり静かに本を読んだり、ノートパソコンをいじっていた。


「そろそろ着くからね~。皆~、班で点呼取って、荷物を忘れずに」

 町下先生がわざわざバスガイドさんからマイクを借りていう。

 俺達はカードゲームをしまい、ようやくのんびりと座席に凭れる。


「もうすぐ着くネ、相楽君。あ~楽しみ。料理は女子に任せて。超美味しいカレ~作るから。あ~でも私って、結構ドジだからな~」

 やけに楽しそうだ。車酔いとは無縁らしい。ただ、明るいのはいいけど、あまり俺の肩や膝にちょいちょい触れるのは、ドキッとするからやめて頂きたい。


「わぁ~綺麗。見て~相楽君。ほらっ、外。すごくない?」

「うん。すごく綺麗だね」

 ごめん。本当は、よくお爺ちゃんの仕事関係で地方へ行くし、自分でもバイクで遠出するからさほど感動はない、自由に自然を堪能しているから。

 でも染若さんはすごく感受性が豊かなンだなと思う。女子っぽくて可愛らしい。


 隣で喜ぶ染若の横顔や仕草を見ていた。

「んっ? なあ~に、どうかした? 私、なんか変?」

 俺は見ていることがバレて焦った。急いで何でもないと首を振る。

 しかし、何度も問い詰めてきて俺を困らせる。

 さすがに君を見ていた、とは、口が裂けても言えない。


 それにしても女子というのは、よくこれほどまでにというくらい表情が変わる。色々な顔を持っている。口を尖らせてみたり、目を丸くしてみたり……色々。

 そのどれもが可愛らしくて、男には堪らない仕草だ。――俺だけか?



 少しして、砂利だらけの駐車場へと着いた。皆が手荷物を持ち、前の班から順にバスを降りる。俺達の班は三班で、丁度真ん中の座席から並んで移動した。

 外へ出るとさすがに空気が違う。窓から見えた景色に心から感動できなくても、この圧倒的に澄んだ空気には癒される。思いっきり深呼吸をしてしまう。


 班長の茨牧と副班の岡越が、点呼や忘れ物をチェックする。すごくスムーズで、俺とは違う。真面目さが手に取るように分かる。

 それに比べて俺は、二日前のテスト結果のショックを引きずっているから……、というのは言い訳だが、今日が一泊だということを、ついさっきバスの中の会話で初めて知ったほど抜けている。

 ホント、お恥ずかしい。


 ハイキングロードを歩き目的地へ向かう。これも茨牧に教えてもらったのだが、目的地は学校所有の場所で、姉妹校も使っており、普段は学校の卒業生家族などに格安で利用できるシステムにもなっているらしい。


 ここは静岡県。キャンプ地からはキレイな富士山が見えるという話だ。

 まぁ、もう途中で何度も見てしまったが。


 しばらく歩くと大きな池というか湖が見えてきた。ここが今回の目的地だ。

 奥の方には綺麗な建物もある。

 岡越の話だと、少し行った所には川が流れているらしい。



「さぁ着いたわよ。各自、班ごとに材料もらって料理始めていいわよ。他のクラスが来る前にそれなりにね~。じきにむからね~」

 町下先生が手をパンと合わせいう。


 安倍、染若、河末、岡越の女子グループが、料理する具材などを取りに行く。

 俺と仲根と里見で鍋や飯盒(はんごう)や火を起こす物などを取りに行く。そして班長である茨牧は、先に所定の位置へ行き用意をする。


 俺と里見で、丸めた新聞紙から重ねた木々に火を移す。何度も(あお)いで新鮮な空気を送り込む。他所はてこずっているがウチは一発だった。少し鼻が高い。

 丁度火がイイ感じに燃え始めた頃、クラスAとBがこの場所に着いた。

 女子達が芋や人参を剥き終え、先にお鍋でお肉を焼き始めた頃に、クラスCとDが到着した。あとはスポーツクラスのEとSだけだ。


 町下先生が言った通り、辺りに結構人が溢れ、込み始めた。


 のんびりと女子達のする作業を見守りながら、男子で軽く雑談する。

 試験後のこういうイベントは、思っていた以上に安らぐ。

 本当にいい気分転換だ。

 学校の行事というのは上手くできているンだなと、少しだけ感心した。


 やがて、カレーの美味しい匂いがしてきた。


 すぐ近くで、失敗しただとかそれは間違えてるとか、火がつかないなどと慌てる生徒の声がする。それらを見て回る先生方が、にこやかに助言していく。


「男子、隠し味にチョコ入れたいんだけど、苦手な人いる?」岡越が聞いてきた。

 俺達男子は全員一致で平気だと答えた。

 チョコなんて入れて平気なのかなと仲根が不思議がっていたが、ウチのお父さんも入れるタイプだ。なんでもコクが出るらしい。

 聞いた話ではソースを入れる人もいるらしい。

 ウチはコーヒーに入れる、粉ミルクを使う時もある。


「そろそろね」安倍が小皿で味見をする。一舐めしていい感じと頷く。

 仕草の一つ一つが女性らしくてキュンとする。髪をポニーテールに縛った染若が女子同士で話す時に、クルッと振り返るたびキュンとする。

 野菜を切っていた河末のエプロン姿にもドキッとしたし、岡越の、物を洗った後の手を拭くシーンに見とれてしまう。


 それぞれが可愛く髪を束ねていて、普段とのギャップが凄い。

 口には出せないが、すごく魅力的で困ってしまう。



 お米の炊き具合を見たいが、(ふた)は絶対開けちゃいけないらしい。

 女子達がもう少しだけ待とうという。少しぐらい焦げても美味しいからと。

「火力が違うから感覚だけど、少し焦げた匂いがしたらどけてひっくり返そう」

 茨牧が割り箸で中の様子を覗う。俺が何しているのと聞くと、まだ水分があるとグツグツと煮えている振動が箸にくるという。

 何度か親としたことがあるようで、ものすごい知識を見せる。

 俺は初めてのことに感心しきりだ。


 こういう頼りがいのある男はきっとモテる。

 俺もせっかくだから覚えようと思う。


「それじゃそろそろひっくり返して、ちょっと蒸らそうか」

 微かに焦げた匂い。しかし周りの班から、もっと焦げた匂いがする。

 それがお米からかカレーからかも分からない。

 近くの班から「べちゃべちゃで不味い」という声があがる。


 よく見ると、もう食べ始めている班が至る所である。


 速度的にはウチの班の方がスムーズだったのに、なぜか抜かれていた。

 確かにお米を少し水に浸したり、今もお米を蒸らしたりと時間が掛かっている。それでもウチは、茨牧や女子達の知識を信じて笑顔でいる。


「さぁ、そろそろいいかも」期待してフタを開けてみる。

 中には、美味しそうに炊き上がったお米が、立ち上がってこっちを見ていた。

 女子達がそのお米を全て大皿に出す。


「えっ全部出すの?」仲根が驚く。

 俺も溢れんばかりに盛られたお米を見て驚く。

 しかし、冷えるとくっ付いて取れなくなるから先に全部出すという。ただでさえテフロン加工もされていないし、焦げるまで待ったからネと女子達が微笑んだ。


 本当に頼りになるお姉さんだ。――って、同い年だけど。

 全てに関して女子は男子よりマセているのかもしれない。


 ハイ、と言いながら手際よくお皿に盛っていく。

 ご飯をよそう子、カレーをかける子、そして運んでくれる子、本当にヤバイ。

 女子ウンヌンではなく、人として尊敬。


「それじゃ食べようか。では頂きます」

「いただきます」

 班長である茨牧の号令で揃って食べ始めた。――うまい。美味過ぎる。

 外で食べているという効果を差し引いても美味しい。

 それに、外効果を差し引かないし。


 皆の顔を見て分かる、班の皆もそう感じていると。


 人参や玉ねぎが嫌いじゃなくて良かったと心から思う。

 こうして輪になって仲良く食べられることがとても嬉しい。

 シーンと食べていたが、女子達が笑顔で話しかけてきた。美味しいねと。

 男子も、凄く美味しいと子供みたいに笑う。楽しい。


「ねえ、男子って、どういう女子がタイプ?」

 またその質問……。男子は少し困っている、がしかし、茨牧と仲根、そして里見と順番に答えていった。

「さ、次ぎ相楽君だよ」


「……。俺も皆と同じで優しい子かな」

「それだけ? 仲根君も里見君も三つは答えてるよ。他は~どんなことが好み?」

 言われてみれば仲根も里見も答えてる。茨牧に至っては事細かに言っていた。

 でも本当に俺はそういうのはない。前も真剣に考えたけど、嫌いなタイプはあるけど好きなタイプとかは……。


「好きなタイプとかそんなないンだよね。でも敢えて言うなら、平凡かも知れないけど、俺のことを好きになってくれる子かな」真面目に答えてしまった。

 しかし女子達には不評だ。そんなのダメ、意味ない、と言う。

 仲根と茨牧が気を使って、なんでダメなのと質問した。俺達だってそういう子はいいと思うけどと、フォローしてくれた。


「ダ~メ。だって相楽君のこと好きって言ったら、誰でも付き合ってくれるの? 絶対違うじゃん。それに、同時に二人にコクられたら? ねっ、ダメでしょ」

 確かにごもっともな意見だ。


 ただそういう場合(ケース)は、久保や青柳先輩のようにモテる人の話であって、普通に、モテない者には成り立つ要素だと思うけど……。まぁでもコクられたら誰でもかと言えばそうじゃない気がする。

 さすが女子は鋭い! 俺の単純な思考とは違う。


「確かにそうだね。皆凄いな。気付かなかったよ。好きになってくれたら嬉しいし上手くいくかなと思って言ったけど……、そうだよね、ごめん」

 俺が反省して謝ると「でしょ」と女子達が勝ち誇って微笑んだ。



 食事しながら、今度は勉強の話になった。やはりトップテンの順位だ。

 皆が里見を褒めると照れながらそんなことないという。

 しかしそんなことあると、皆が褒める。


「正直、次の試験が怖いよ。なんか皆本気というか……」仲根が口を開いた。

「相楽君がいけないんだよ。私、受験勉強したいのに順位をかき乱すから、なんかこっちまで気になって」染若がいう。

 どうやら一年の時は、染若が学年四位だったらしい。

 俺が入ったことで一つずつ順位が変わり、更に前回のテストでは問題のレベルは上がるし、滝沢と清水が順位をあげて、ようやく火が付いたようだ。

 俺も前回六位まで堕ちたし……。


 話を聞くと、特進のクラスは、この班の男子四人以外は、女子に殆ど負けているらしく、里見と仲根と俺の三人が居るおかげで、男子の面目が立っていると。

 俺がこのクラスに入るまでは、里見と仲根の二人だけで、茨牧が、ギリギリ十位といった位置をキープ、それ以外はすべて女子だったようだ。


 男子が下、というわけじゃなく、試験と受験勉強の取り組み、優先順位……。


 別に学校の成績はどうでもいいという冷めた空気が流れていたから良かったが、これからはそうもいかないらしい。


「悪いけど、次のテストじゃ私は順位上げさせてもらうわ」河末が微笑む。

「それを言うなら私」染若も笑う。

 この班に居る者達なら、受験勉強を少し削れば順位は変わる。

 でもさすがにそうはできない。

 俺も基本は受験勉強に重点を置いているし、その条件で戦っている。つもり。


 削ればすぐに塾や予備校の方に害が出るだろうし。

 俺は通ってないから、そういう被害はでないが、通ってないからこそおろそかにしたらアウトだ。


 勉強の話をしながら食べ終えたが、おいしく楽しく食べられた。


 皆で後片付けをしながら、なおも話す。勉強は好きかとか、なんで勉強を始めたのかとか。

 鍋などを洗う組と、使い捨ての箸やお皿などのゴミをまとめる組に分かれた。


「それじゃ里見君は親の言いつけというか環境ってことか~」

 女子が感心する。そして俺にも同じように聞いてきた。

 俺は、親に何も言われないし、自分でなんだと答えた。

 女子達は「へぇ~、珍しいね」と微笑む。


 本当は違う理由だ。ある思い出がふっと頭を過った。

 ゴミを拾い、後片付けをしながらある人を思い出す。


 錦戸(にしきど)()(おり)。お父さんのお店で働いていた人だ。


 まだ俺が小学校の頃、美織さんは地方から出てきて東京の大学に通っていた。

 仕送りもなく自分で働いて生計を立てていた。ウチのお父さんも事情が事情だし色々大変だろうと寮と称して、まだ建て替える前の家の離れの部屋を定額で貸してあげていた。

 さらに後で分かったことだが、お店の給料におこづかいをプラスする為に、俺の家庭教師を頼んだようだ。


 それを知ったのはつい最近だが、それまではずっと違うように思っていた。


 惣汰と野球や遊びに明け暮れる日々。俺は勉強のべの字も知らないガキだった。なにせ授業中のどんな言葉も身に入らない。

 怒られるのが嫌だから騒ぎはしなかったが、漫画さえ読むのが苦手な子だった。

 文字を読みたくない計算もしたくない、じっと机に座ることさえ、本気で嫌だと感じていた。ノートに落書きすることさえ勉強に感じる。

 今思うとそれでよく六年間を無事に終えれたと思う。


 ゼロ点は取らないが二十点以上も取らない。や、取れない。


 そんなダメな俺に、美織先生はいつも優しく教えてくれた。だけど俺は、一度も真面目に勉強しなかった。

 言われれば解けた。けど正確には解けたのではなく、言われた通りに書いていただけで、思考は上の空だった。まさに空っぽのアホウだ。


 どんだけ馬鹿な顔していたかと思う。

 それでも美織先生は、問題が解けたと勘違いして俺の頭を撫でてくれる。

 俺はその手が大好きで、子犬のように自分からすり寄る。

 撫でて欲しくて問題を見るが、実力で解けるものは一つもない。

 六年生でも、低学年の簡単な問題や漢字しか分からない。今思えば恥ずかしい。


 確か美織先生とは四年生からだった。そして中一の終わりにお別れしたのだ。

 その後少しして、惣汰が転校して俺はどん底まで堕ちた。


 美織先生はただ単に大学を卒業し、大人として就職しただけだが、その時の俺はその意味が良く分からなかった。


 人と人が別れて、離れ離れになることが寂しくて泣きそうだった。


 俺はてっきり美織先生は俺のお姉ちゃんになるのか、それともお母さんになるンだと本気で思っていた。だからその後、何度もお父さんに『美織さんと結婚して』と頼んだ。もちろん、当然却下だ。

 でも俺はバカだったから、その理由が本気で分からない。

 お父さんが美織さんをクビにしたとまで思って、お爺ちゃんにあることないこと言いつけて、泣かしてもらったこともある。

 ――まぁ、冤罪は解けたようだが、相当怒られたと後日談を聞いた。


 惣汰がいなくなり野球も辞めて、それこそ抜け殻になった。

 良治君に遊んでもらってどうにか精神状態を保てたが、惣汰も美織さんもいない生活に俺は壊れそうだった。いつもベランダに出て惣汰を思い出す。

 そして部屋に戻ると美織先生を思い出す。部屋の全てに思い出がある。


 いつも、色々書いてくれた勉強の張り紙を眺める。


 先生が付けてくれた花丸を見ただけで涙が溢れた。

 勉強で褒められた思い出が蘇る。

「章和くんは良い子だね。お姉ちゃん嬉しい。頑張って勉強してもっと頭よくなっちゃおうよ。ねっ。皆をびっくりさせてあげよう」

「でも俺馬鹿だから……無理だぉ」

「無理じゃないよ。絶対百点取らしてあげる。一番にしてあげるよ。そうだ、一番になったらさ、今度遊園地いこうか一緒に」

「うん。ホントに? 約束だよ。俺絶対に一番になるから連れてってね」

 そんな約束をしたが、俺は勉強をしなかった。成長もない。

 なにせ勉強が大嫌いだったから。


 もちろん本当に遊園地には行きたかったし、美織先生も大好きだった。それでもその時の俺には、勉強をすることは無理だったのだ。


 俺が勉強を始めたのは、美織先生がいなくなって、更に惣汰が転校したあとだ。


 部屋中に貼られた思い出と約束の欠片を見ながら、自分のしていたことに本気で恥じた。

 勉強が出来なくて『馬鹿』なんじゃなく、約束を守らなかったし、守ろうとさえしなかった自分の愚かさとバカさ加減……。大バカだ。


 それから俺は、一から勉強を始めた。口で言うと簡単そうだが、たぶんこの世の誰よりも苦労した。たった一人の孤独な勉強だ。

 塾もない、教えてくれる先生もいない。俺は小学校の低学年の勉強から始めた。それも中二の夏から。皆が英語を解く中、俺は分数。情けない。それでも一から。

 いつか美織先生に謝りたくて。


 俺を弟のように思い、仕事の合間にも、心配して勉強を教えてくれていた。

 大学の勉強にアルバイト、それだけで大変なはず。

 それなのに俺のことをあそこまで。丁寧に優しく、一生懸命。

 そう思ってた俺は、それこそ死に物狂いで勉強した。

 ただ美織先生に約束破ってごめんなさいと謝りたくて。


 そして俺は、有名な高校へ受かった。更に特進にも入れた。

 そのことを報告したくて、最近お父さんに美織さんの居場所を聞こうとした。

 今更約束がどうこうとはいわないが、謝りたくて、そんで、できればもう一度、優しく褒めて欲しくて……できれば。

 しかしその時、あの勉強は、お父さんがお金に困っているだろうと気を利かせて頼んだ家庭教師だったと知ってしまった。


 さすがにそれを聞いたら会いにはいけない。何しに来たの? ってなる。

 きっと当時、この子はいくら教えてもダメだわと思われたに違いない。さらに、点数の上がらないテストを持ち帰る度、なんでよって絶対思ったはず。

 あの時は、間違えた問題を全て優しく教えてくれたけど。本当は……。


 今の俺にははっきりとそれが分かる。あの頃の俺が、いかに学ばない空っぽな奴だったか……。ほんと、どうしようもないガキだった。

 お父さんにもスミマセンって謝っていただろうし……。ごめんなさい美織さん。



 俺はゴミを拾いながらそんなことを思い出していた。最近封印した想いだ。

 大好きな美織お姉ちゃんとの一方的な想いだ。


 片付けが終わると近場を散歩しようということになった。

 班の皆で歩いていると、先に食べ終わった班や他クラスがすでに遊んでいた。

 湖に手漕ぎのボートと足漕ぎスワンボートが置いてある。


 が、危ないので禁止となっている。


 危ないって何がと女子達が不満そうに愚痴をこぼすが、こういう学校行事では、羽目を外し過ぎる子がいるから、まぁ納得はいく。


「乗りたかったな~」残念そうにいう。

 男子も、ちょっと乗ってみたい気持ちはある。

 これがやんちゃな中学生時期だったなら、まず間違いなく乗っている。しかし、高校では恥ずかしさとそれ相応の罰もある。


 無理せずに諦めて歩く。

 行き交う生徒達もやはり、ボートの話をしながらチラチラと湖の方を見ている。周りでは食べ終えた者達が増えて、皆もフラフラと散歩し出した。

 すると、少し離れた場所で言い争うグループが見えた。

 口論というよりか口喧嘩に近い。そこへ野次馬が徐々に集まっていく。


「どうしたンだろ? いってみる?」茨牧がいう。

 俺は即答で絶対に行かないといった。ロクなことにならないし興味ない。


 来た道を戻るのもナンだし、かといって近場を横切るのも嫌な予感がする。だとすると残りの道は一本だった。俺は班に「こっち行こう」と告げ歩き出した。

 仲根も里見も女子達も、そうだねとついて来てくれた。

 さすがはトップを競うだけのことはある。


 ああいう厄介なものに自ら飛び込むのは、愚の骨頂。


 他愛もない会話をしながら歩いていると、正面から先生が走ってきた。

「さ、相楽君。大変なのよ~。なんか、クラスCとDがね、スポーツクラスEとSと言い合いになっちゃったらしくて~。どうしましょう。できたら、相楽君も付いて来てくれる?」

「え? 俺が行っても何もなりませんよ。それより、町下先生こそ、行かなくてもいいんじゃないですか? 特進だし」

 すると、特進が全く関係ないわけじゃないという。

 無関係ならそれこそ行かないわと。


 町下先生いわく、なんでも、特進クラスが急きょキャンプの日程を決めたから、夜に行われるはずのイベントでトラブルが起きたらしい。

 スポーツクラスが担当の肝試しと、CとDが考えたキャンプファイアーを囲んでの催し物とで、ブッキングしてしまったらしい。

 本当はどちらか一つだけイベントをするつもりが、上手く伝わらず今日に至ってしまったようだ。

 周りで騒いでいた生徒達は、野次馬ではなく、肝試し派とキャンプファイアー派だった。生徒の意見は、それこそ真っ二つに分かれているだろう……。


「町下先生。他の先生方は?」

「だからね、先生達も熱くなってるわけ。自分のクラスですから。とっくに行って~というよりは、先生方が先頭に立ってるのよ。朝から問題になってたみたいで、とりあえず昼食を終えたら話し合いで決着ってなってて」

 どうやら先生方の昼食の時間は、相当険悪な雰囲気だったようだ。


「それじゃ、まんざらウチのクラスも関係ない訳じゃないか」仲根が言う。

 女子達も肝試しとキャンプファイアーとどっちがイイかなと考える。

「ダンスかな~?」岡越が(あご)に指を添え、首を傾げる。


 仕方なく町下先生と現場に向かうことにした。班の皆でゾロゾロと向かう。

 すぐにその場所に着いた。やはりそこでは、先生達もヒートアップしている。

 C、Dの担任とE、Sの体育科担任。その周りをクラスが囲む。


 両者の言い分はごもっともだった。

 この一週間、用意して頑張った生徒を思えばこそ確かにヒートアップする。

「CとDの催しは、文化祭でもできますし、去年、文化祭でしてませんでしたか? なんか、ベストカップルだとかミスハイスクール的なの」

「何言ってるんですか。ダンスだってあるし、花火だってあるし。そっちらこそ、真夏じゃないですから、ヒュ~ドロドロってオシャレじゃないですよ」

 生徒の為に言い合ってるのは分かるけど、相手を貶すのは良くない。

 けど仕方なくも思えてくる。周りの生徒達の反応からして、どっちがイイかは、半々みたいだ。


「どうしましょう? こういうの困るのよね」町下先生が焦っている。

 すると、特進クラスとクラスA、Bの担任を探す声がする。要するに残りの三人に多数決に参加してもらい、どちらかに決めてもらうつもりだ。

 それに対して深い意味はないのだろうけど、とりあえず行き詰っての策だろう。


 町下先生が呼ばれていく。なぜか俺の手を引き俺まで連れて行かれる。

「ちょ、ちょっと町下先生、離して下さい。俺、困る」

「お、来た。遅いですよ町下先生。先生はどちらのイベント()しですか?」

 町下先生が困っている。どうしようと俺に聞いてくる。

 耳打ちを求めるジェスチャーをするので、一つだけ、注意する点を教えてあげることにした。


「ちょっ、くすぐったい相楽君。うん、うん、それで、あ、先にね、先に答えた方がっ、それじゃないとダメ。はい分かった」

 俺が耳打ちをといた瞬間、AとBの担任が焦って答えてしまった。

 当然だ、俺が教えた注意点を全部口に出しているワケだから。


 A、B綺麗に分かれた。これで町下先生はアウトだ。町下先生の意見がこの状況を左右してしまう。一番やっちゃイケナイ状況。

 わざわざ注意点として教えたのに。


 特進、A、B、C、D、スポーツE、Sの計七クラス。CD対ESの図式。


 私はこっちと、さっさと答えてしまえば、責任は最後の先生になったはず。

 間違いなく二番目に答える先生は、反対を言うに決まっている。

 でなければ最後を待たずして、自分が決定したことになる。

 さすがに担任団や生徒達から恨まれる役を、わざわざ買うはずがない。


「どうしよう。無理」町下先生が焦る。

 お手上げだ。町下先生がもう一度耳打ちの格好をするが……言ってあげれることはない。しいて言うならグッパイだけだ。それでも先生が助けを求めてくる。

 可哀そうだ。仕方ない、争いは怖いけど町下先生の為だ。

 俺は町下先生を背中へと隠し、担任団の前に出た。


「どうした相楽? まさかお前が決める気じゃないだろうな。さすがにダメだぞ」

「違いますよ。多数決ですよね。ただ、町下先生はずっと、キャンプファイアーがやりたいって言ってましたけど、そんなことで決めちゃっていいのかなと思って。決まっちゃいますよ? でもそれじゃ、先生も、用意したり練習してきた生徒達も納得いかないだろうなと思って」

 俺がそういうと「だって仕方ないだろう」という。朝から話し合っても平行線を辿るだけだったのだからと困る。


「口で言って決まらない時は、二つ。一つは運に任せてジャンケン。もう一つは、ちゃんとバトルして決着を付ける。どちらか好きな方を選んでください」

 俺はそう言って湖を指さした。


「そこのボートのどれかを使って、先生達が戦って決めれば、最低でも町下先生が最終決定するよりかは、余程、納得いくと思いますけど。自分のクラスの生徒達に聞いてみて下さい」

 当然のように先生が勝負した方がいいという。しかしキャンプファイアーの方は町下先生の意見でもと少し揺れている。


 無関係の先生が決めるよりかは、最低でも、ジャンケンじゃなきゃ不公平かな、という雰囲気が、多くの生徒達から漂い出した。


「勝負で決めたらいいジャン」生徒達が口々にいう。


「で、どういう勝負をすればいい? ボートで何をするんだ相楽?」

「単純なレースで。まずボートを(いっ)(てい)折り返し地点に待機させて、それを手漕ぎか足漕ぎボートか統一して、ソレを使ってぐるりと折り返して戻ってくる勝負すればいいと思います」

 簡単なバトルだ。


 担任団が、それは分かりやすい勝負だと意気込む。

 安心した町下先生が「ありがとう」と言ってくっ付いてきた。


「あれ、相楽君ドコ行くの? バトルに参加しないの? 先生の横に乗ってよ」

 町下先生がお願いする感じでいう。

「しませんよ。町下先生、なにか勘違いしてますよ。よく見てみて」

 俺がそう言うと「あそっか」と舌を出して頭をポカッとする。

 なんとも言えないジェスチャーだ。

 どうやら自分も戦わなくてはいけないと思っていたようだ。不思議だ。


 ――勝負はCとDの担任対EとSの担任の対決。


「にしても、レース見ないの?」更に聞いてくる。

 俺は「まぁ」と答えた。

 ウチの班の者達は、興味が湧いたようで先生たちの行動をみている。

 俺はとりあえず、トイレに行ってきますとだけ言い、その場を離れた。

 すぐ近くにあったのを覚えてる。歩く背中に、生徒達の盛り上がる声がした。




 トイレに着き用を終えて手を洗う。あまり綺麗なトイレじゃなくて、ずっと息を止めている。一度トイレの中をみてそうしようと決めた。


 外へ出て大きく息を吸い込み、このトイレ空間に飛び込んだのだ。

 しかしもう限界を越えそうだった。手を拭きながら急いで表へ飛び出した。

 トイレから離れた所で、大きく息継ぎをする――と突然。


「ワァ! びっくりした? 相楽君」

 まだ酸素が足りないそこへの脅かしで、俺は全身をビクつかせた。

 トイレに行っていなかったら、間違いなく失禁していたはず。

 瞼が裏返るほどの衝撃だった。膝がガクガクする。


 目の前には嬉しそうに笑う佐伯がいた。

「すげぇびっくりした」息も絶え絶えに答えた。

「ビックリしたのは私だよ。ほら、コレ」

 佐伯が見覚えのある箱を差し出してきた。


「あ、気に入らなかった? それなら……」

 俺の言葉を(さえぎ)り、凄く気に入っていると笑顔をみせた。

「それ、一応、水晶だよ。色がついてるから分からないかも知れないけど。小さい地球儀なんだ。あとアレルギーあると困るから、チェーンはシルバーじゃなく金にしてもらった」

 佐伯が箱からネックレスを取りだし、俺の前で垂らす。


「どうして送ってくれたの? これプレゼントってことでしょ?」

「ああ。うん、手紙に書いたけど。なんか面と向かって言うのは恥ずかしいけど、お弁当ありがとう。それ俺の気持ちだから受けとって」

 佐伯が嬉しそうに頷く。


「これ、凄く高かったでしょ? 保証書見ただけで分かるよ。イミテーションじゃないもの。お父さんに怒られない? 平気?」

「大丈夫。それ、小遣いとか親に出してもらった訳じゃなくて、自分でバイトしたお金だからなんの問題もないよ」俺は心配かけないよう笑ってみせた。

 佐伯は安心してか、嬉しそうに笑う。


「ねぇ、これ、つけてくれる? その為に持ってきたの」

 そういうと佐伯がネックレスを手渡してきた。

 俺の前でくるりと背中を向け、髪を左手でたくし上げる。

 白い肌とうなじが見える。髪を上げたからか、ふわりと優しい香りがする。


 こんなことをするのは初めてだし、指が震えてしまう。チェーンの留め金を外し両手で持つ、その手を上から被せるように下ろし、首へと回す。


 絶対に肌に触れないように気を付けながら、細い首に細いチェーンをつける。

 どうにかすんなりつけられた。


「はい、できたよ」

 佐伯が向き直って、胸元の小さな地球儀を揺らし見せる。どう? と笑う。

「凄く似合う。気に入って貰えると嬉しいけど」

 可愛い。なんか心臓がドキドキする。今頃さっきの驚いた反動が、後遺症として出てきたのではと不安になる。


 と、そこに椎名と新山が駆け寄ってきた。

「いいな~。見てたよ~結理。もう~ズルイ」

「やっぱ美人は得だよね~。ホント羨ましい」

「ちょっと咲もヒカルも茶化さないで、私そういうの苦手」

 ごめんごめんと笑う椎名と新山。佐伯は冗談でも茶化されるのがイヤみたいだ。


「あれ、相楽君、班の人は? はぐれちゃったの?」椎名が話題を変える。

「いや、皆は向こうで先生達のバトル見てるよ。二人は見に行かなかったの?」

 そう訊ねると、そんなことがあったのは全然知らなかったと。

 ついさっきまでカレーを食べていて、今片付けが終わった所らしい。

 まだ作れてもいない班もあるという。すごい時間差だ。


 一方佐伯は、後片付けが終わってフラフラと俺を探しに歩き出したら、丁度俺がトイレに入っていく姿が見えて、それで隠れて待っていたという。


「相楽君、向こうで富士山が見える場所があるんだけど……一緒に写真いい?」

 佐伯の言葉にイイよと即答した。


 椎名と新山とはここで分かれ、二人で歩いて行く。

 すると、その場所であろう場所にカップルたちが並んでいる。

 正面には綺麗な富士山が見える。


 佐伯と二人で並ぶと、そこにいる皆がジロジロと見てくる。やはり佐伯が目立つのだろうか、凄い視線のレーザーだ。

 さっきまで自分たちの世界に入っていたカップルたちがザワザワと何か噂する。


「あれ? 相楽も来たのか。こうゆ~の興味あるンだ、意外だな」久保だ。

 周りに沢山の女子を引き連れている。

 別に写真くらい普通に撮るけど、意外に見えるのか。心外だ。


「それにしても相楽、よりによって佐伯さんにアタックかけるとは命知らずだな。みんな何度も玉砕してるんだぜ。何度フラれたか。なんでもずっと好きな人がいるンだとさ。残念だったな。いくらこの場所で写真撮っても、願い届かずってね」

 よくしゃべる奴だ。何を勘違いしてるんだ?

 この学校のカリスマに、アタックなんかするワケないだろ。

 これはお弁当のお礼だよ。ったく、よく考えてしゃべれよな。


「あ、そうそうこいつはもういいの?」

 ん? 誰? ……あっ本吉、さん。


 いいも何も、何も始まってなかったし、ほとんど会話もしたことないよ。

 しいて言えば、夢に出てきて、好きになりかけたらボッコボコに、フラレた。


 久保もしつこい。大体俺は、モテるオメェと違う、それに他の人を好きな子には興味は湧かないンだよ。


「いいよ。それと久保、それさ、もう二度と言わないでくれる。不愉快」

 そう答えると『分かった』と残念そうにしていた。やはり茶化していたようだ。


 皆が順番に写真や携帯の写メを撮る。そしてようやく俺と佐伯の番がきた。

 皆と同じようにカメラを置き、タイマーを掛ける。

 それ以外にも、動画なども撮る。


「ちょ、ちょっと佐伯さん、くっ付き過ぎじゃない?」

「だってフレームに入らないよ。もっとほらっ、こっち」

 周りがざわつきから驚きに変わる。そりゃそうだ、完全に密着している。

 他のカップルだってここまでくっ付いていない。


 これだけの人前で、恥ずかしいからここまではしない。


 俺の腕を取り、その中へ巻き込まれていく。

「こ、これはマズイよ。ホントみんな見てるし」恥ずかしがる俺。

 すると佐伯が、この前のバイクの時の方がもっと密着していたよという。

 でもそれは危ないからであって、景色の中で撮る写真とは状況が違う。

 皆の顔が恥ずかしそうにしている。

 そして、撮り終えたはずの何組かが、もう一度取り直そうと並ぶ。


「ほら相楽君もっとこっち来て、入らないから」

 ほとんど抱き合っているような。


 俺の頬が佐伯の耳やこめかみに触れてしまいそう。

 撮っては画像を確認して削除を繰り返し、映りの栄えの良いものだけを残す。

 一頻(ひとしき)り撮り、大体皆と同じ位でその場を譲った。



 離れた場所で、佐伯は撮ったばかりの画像を見せてくる。

 まるで付き合っているカップルの様で、凄く恥ずかしい写真だ。

 これをただの友達だと言っても誰も信じないだろう。


「ありがとう、わがまま聞いてくれて」佐伯がお礼をいう。

 俺は照れて笑う。

 トイレ前では心停止しそうになったけど、もうすっかり回復した。


 佐伯と二人で景色を見ながら、ただ仲良く写真を撮るカップルを眺める。

 久保は相変わらずモテモテだ。


「あっ、そういえば、さっき椎名さんと新山さんいたけど、久保と写真撮らなくていいのかな? たぶん知らないンじゃない、ここに居るの」

「知ってると思うよ。なんか最近別にお気に入りの人が出来たンだってさ」

 女子の心は(うつ)()易いのかな?

 まぁ、あんな状態じゃそうなっても仕方ないな。女子と戯れる久保を眺めた。



「あ~いた。相楽君こんなトコ居たの? 先生がトイレだっていうから」

 染若達だ。


 そろそろ昼休憩も終わりで、班で集まるンだってと俺の手を引く。俺は佐伯に、それじゃまたと別れを告げると、佐伯が胸元のネックレスを指でつまみ振る。


「ありがとう相楽君。大切にするね」そう言って微笑んだ。


 俺は染若に手を引かれながら、胸の真ん中が(うず)くのを感じていた。

 これはやっぱり、びっくりした時の後遺症? それともこの動悸は……なに?





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