石丸順子
犬も飼っていなくて、本当に一人きり時期、私は誰とも話さない時間が多くて、毎日寂しさから見もしないテレビをつけていました。
テレビをつけていると、誰かが傍にいるように落ち着いたからです。
だから、そんな経験者でもある私として、教えれる事、私にしか出来ない何かがそこで待っているんじゃないかとそう思えて仕方ないのです。
どんな所にも幸せは必ずあるんだよって、その幸せの見つけ方を教えたいと思っています。
それから、母の本棚を整理していたら、玄関に飾ってある赤ちゃんの写真がでてきたのです。その赤ちゃんの写真はノートに貼ってありました。
そこには、私の名前と、もう一人学という名前がありました。
学?私は驚いてページをめくりました。
すると、もう一冊同じようなノートに、こう記されてありました。「学君が会いに来た。石丸翔と関係があったのか?」と。
「あの赤ちゃんがこんに大きくなったのかと、他人様の子供の成長は早いというのは本当だ」そして、私は学に迫りました。
重い口を開いて説明してくれました。私の親を探しているうちに、日比ヨネ子という女性、つまり私の母に行きつき、私の母である事を知ったと同時に、それは私たちが夫婦でいられなくなるという大問題でした。
私の母が学を産んだわけではありません。
そうじゃなくて、母が愛してしまった家庭持ちの男こそ、学の父親でもあったのです。つまり、私たちは異母兄妹なのです。
母は、私を公園に連れて行った時に、学のお母さんと学もその公園にいることに気が付いて、父に見せる為にわざわざ写真を撮って玄関先に置いたんだそうです。
学のお母さんは、多分それが夫の愛人だと言う事は気が付いていなかったのだろうと言っていました。
異母兄弟と言う事を知ってしまった学は、当然ながら肉体関係を拒み、その時、事情を知らなかった私は、愛してもらえないと嘆き苦しんでいて、それで苦しむ私をこれ以上傷つけないことは難しくて、家を出る決意をした頃に事故に遭ってしまって記憶をなくしてしまったんです。
人生というものは、どうしてこんなに不条理なんでしょうか。
だけど、学は君の母親は僕の母親でもあるのだから、そう言って一緒に母を見てくれる事になったんです。
私たちの人生、まだまだ始まったばっかりだけど、こんな形の幸せの花を今ようやく咲かせることが出来ました。
___完___
最後までご覧下さってありがとうございました。
皆様にとって沢山の幸せが山の様に降り注いで、手に溢れ出す程に届きますように。
大和香織子




